打倒マクラーレン720Sを目指した究極のアウディTT RS
スマホでECUチューンから前後トルク配分の制御まで可能!?
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1997年にアメリカのアラバマ州で創業したAPRは、VW、アウディ、ポルシェをターゲットに、卓越したチューニングシステムを提供している総合パーツブランド。世界36カ国、180を超えるディーラー網を展開しているが、そのひとつであるAPRジャパンが作り上げたのが“TT-RS740”のネーミングが与えられたこのマシン。2018年式のアウディTT RSをベースに、トータルチューニングを施している。
「TT RSはアウディのスポーツカーTTシリーズのトップモデルで、最高出力400psの2.5L 5気筒ターボエンジンを定評のあるMQBベースのボディに搭載。駆動方式はクアトロシステムと呼ばれる4WDで、ミッションは7速DSGというパッケージになっています。そんなTT RSを、APRのチューニングシステムでさらにパフォーマンスアップしたのがTT RS740。“Going Street”をコンセプトに、自走でサーキットへ向かえる快適性と、マクラーレン720Sに匹敵するサーキットタイムの両立を目指しました」と、APRジャパンの畑田代表は熱く説明してくれた。
パワー系は、2019年12月にリリース開始となったばかりのstage3プログラムでチューニング。内容は純正ベースのハイブリッドタービンTTE700にインタークーラー、インテーク&インレットパイプ、EXマニ、スポーツ触媒など。
それを制御しているのが、APRの代名詞でもあるECUチューニング“ダイレクトポートプログラミング”。市販ハイオクで約600ps、レースガソリンで約700ps、E85アルコール燃料を使えば(専用燃料ポンプ&センサーが必要)740psが獲得できるのだ。燃料に合わせたプログラミングの変更は、なんとスマートフォンでワンタッチという点にも注目したい。
サスペンションはアメリカのレーシングサスペンションメーカーMCS製の3WAY式車高調を装着。別タンク式で完全なレーシングスペックだ。
さらにフロントメンバーは、軽量高剛性でローダウン化によるロールセンター補正効果も備えたパイプタイプに変更。前後ともアーム類は調整式のフルピロボールタイプとなっている。
駆動系はTCU(ミッションコンピュータ)にAPRのDQ500プログラミングをインストール。DSGのクラッチはスペシャルタイプで強化。デフはWavetrackの電子制御タイプだが、こちらもエンジンプログラミングと同様にスマホの専用アプリで前後トルク配分が変更できるのだ。
ホイールはAPRの鍛造S01(FR9.0J×20+42)、タイヤはミシュランPS4S(FR265/30R20)。カーボンセラミックローター採用のブレーキシステムは、純正オプション設定のものだ。
APRジャパンではTT RS740のパフォーマンスを多くの人に知ってもらうために、2020年は各地のゼロヨンイベントを中心に参加していく予定。ちなみに、E85燃料のDOTラジアルタイヤでのテストでゼロヨン9.3秒を叩き出しているというから、国産ドラッガー勢はなめてかかると返り討ちに遭うかも!?
●取材協力:APRジャパン TEL:092-883-9222
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