ボルボのミッドサイズセダン、S60が約8年ぶりに3代目へとフルモデルチェンジした。メルセデス・ベンツCクラス、BMW3シリーズ、アウディA4というジャーマン3が圧倒的なシェアを誇る輸入車セダンカテゴリーにおいて、異彩を放つ存在だ。
まず目をひくのが、エクステリアデザイン。2015年に登場したXC90に始まった新世代ボルボ・デザインの流れをくんでいる。北欧神話に登場するトール神がもつハンマーをモチーフにしたT字型のヘッドライトやシャープなショルダーラインなどは他のモデルとも共通のエッセンスだ。このセダンには、アルファベットのCの文字をかたどった特徴的なリアのコンビネーションランプを採用。全体的にシンプルな面構成ながらもスポーティかつエレガントなスタイリングを実現している。
ボルボ初のハイパフォーマンスSUV、日本上陸! 東京オートサロン2020リポート【第13弾:ボルボ XC60 T8 Polestar Engineered編】
ボディサイズは全長4760mm、全幅1850mm、全高1435mmと、先代より全長を125mm延伸し、全高は45mm低く下げることで伸びやかさを演出している。全幅は日本の駐車場事情に配慮して15mm縮小し、1850mmに収められた。
LEDテールライトは、スピード感を感じられるCをモチーフにした新デザイン。左右でCが向き合うようにあしらわれている。インテリアはダッシュパネル中央に配した9インチのタッチスクリーン式センターディスプレイに基本機能を集約。物理スイッチを必要最低限に絞ったシンプル&クリーンな洗練されたイメージのものだ。流木のもつナチュラルな風合いをイメージしたドリフトウッドパネルや肌触りの柔らかなレザーシートなど、スカンジナビアンデザインを体現している。
EV走行の航続可能距離は、T6 Twin Engine AWD Inscriptionの場合は48.2km、T8 Polestar Engineeredが42kmとなる。電動化に加速をかける1台試乗車は上級グレードの「T6ツインエンジンAWD」だった。ツインエンジンとは内燃エンジンとモーターという2つの動力源をもっていることを意味しており、プラグインハイブリッドモデル(PHEV)である。ボルボ・カーズは2025年までに世界販売台数の50%を電気自動車に、それ以外をハイブリッドにする目標を掲げており、その急先鋒を担うモデルというわけだ。
搭載するのは最高出力253ps、最大トルク350Nmを発揮する2リッター直4直噴ターボエンジン。モーターは最高出力87ps、最大トルク240Nmを発揮する。パワートレインは、フロントにスーパーチャージャーとターボチャージャーという2つの過給器を備えた2リッター4気筒ターボエンジンと始動と発電をかねた小型モーターを組み合わせ、最高出力は253ps、最大トルク350Nmを発生、これで前輪を駆動する。リアには87ps/240Nmを発生するモーターを搭載、こちらで後輪を駆動する、前後で動力源をすみわけた4WD方式だ。バッテリー容量は12.2kWhでEV走行可能距離は48.2kmだ。
90シリーズ譲りの、調整幅が大きく座り心地のよいシートに腰掛け、T6ツインエンジン専用のスウェーデン・オレフィス社製のクリスタルを用いたシフトセレクターをDレンジに入れて走り出す。走行モードは「ハイブリッド」、ガソリンエンジンとモーターを同時に使用する「パワー」、可能な限りEV走行をする「ピュア」、4輪に最適にトルク配分する「AWD」が選べるが、通常はハイブリッドが最適だ。
ボルボ車である以上、先進安全・運転支援機能「InteliSafe」も当然ながら標準装備。V60から搭載されている、対向車との衝突が避けられない場合にシートベルトとブレーキを作動する「対向車対応機能」も採用されている。ネクストレベルのPHEVバッテリー残量がそれなりに残っていれば、スタート時から積極的にEV走行を行う。そして高速道路でも125km/hまで解除されない仕組みになっている。驚くのはエンジンが始動したときの静粛性の高さ。従来のPHEVでは、EV走行のあと、エンジンが始動した際に突然聞こえだす音や振動に興ざめする場面があったが、このS60にはその違和感がほとんどない。もちろんまったくエンジン音がしないわけではないが、気にならないレベルだ。PHEVとしては相当に静粛性の高いモデルと言える。
また設計段階からプラグインハイブリッドシステムの搭載を想定しており、トランク容量への影響がないなど実用性も高い。さらにバッテリーをシャシーの中心部分に搭載し、低重心化と重量配分の適正化がはかられており、外観に違わぬスポーティなハンドリングを実現している。
インフォテインメントシステムは、12.3インチのドライバー・ディスプレイとヘッドアップディスプレイを利用した「SENSU」を搭載。Android AutoやApple CarPlayにも対応している。とくに日本においてピュアEVは、価格や航続距離や充電インフラなど課題も多く、一般的なものとして普及するにはまだまだ時間がかかるだろう。その点、PHEVならEVとガソリン車のいいとこ取りができる。ウィークデイは40km圏内の通勤や買物にEVとして利用し、休日は充電スタンドへの不安を抱くことなく遠方へもドライブできる。そんなライフスタイルがハマる人であれば、そろそろPHEVという選択肢もありだと思う。
フロントシートは、上級モデルのV90と同様の機能を装備。マッサージ機能やベンチレーション機能が利用できる。文・藤野太一 写真・柳田由人 編集・iconic
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是非このセンスでV40やS40を開発してほしい。