ダイハツは、東京オートサロン2020にユニークな「ハイゼット トラック」を3台展示した。1台は「ハイゼット トラック DJ Ver.」である。なんと、荷台をDJブースに改造しているのだ。
ボディカラーは「レインボーフレーク」と呼ぶ専用色。「自分でドライブして行き、あらゆる場所で簡単にパフォーマンスがおこなえるクルマに仕立てました」。すべてのハイゼット トラックのカスタマイズ仕様を手がけた米山知良氏(デザイン部 第1デザイン室 先行開発スタジオ 主任)が、こう述べた。
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スピーカーシステムはフランスのFOCAL社製。スピーカーシステムや大型液晶モニターは移動時、格納される。エクステリアではド派手なボディカラー「レインボーフレーク」が目を引く。スピーカーをモチーフにデザインされたフロントバンパーも個性的だ。ボディサイドにはグラフィックイコライザー風のイルミネーション付き。
移動時は、DJプレイ用の大型モニターやスピーカーなどが荷台に格納される。搭載するスピーカーは音にこだわりFOCAL製(フランス)をチョイスしたという。
ドリンクホルダーはマイクホルダーに換えられている。天井には小さなミラーボールが。インテリアでは、ドリンクホルダーがマイクホルダーに、シフトレバーがマイクをモチーフにした形状に換えられ、天井にはミラーボールまで。
「1980~90年代の音楽シーンをイメージし、デザインしました」と米山さんが述べたとおり、会場内で流れていたDJ Ver.のプロモーション映像には『ギンギラギンにさりげなく』や『ジンギスカン』など、往年のディスコソング?が使われていた。
初音ミク仕様も!もう1台の「ハイゼット トラック PEAKS Ver.」は、親子でロッククライミングに行くことを想定し、開発したという。アウトドア雑誌『PEAKS』(エイ出版)とのコラボレーション モデルだ。
エクステリアで特徴的なのは、ボディパネルに取り付けられたクライミングホールド(岩)である。日本フリークライミング協会の井上大助氏(事務局長)が監修したという。
「実際に登れますし、子どもの練習用に適しています」と、米山さんは述べる。
ボディに取り付けられたクライミングホールド(岩)は飾りではなく、実際に練習用として使えるという。アルミホイールは専用デザインではなく、カー用品店で販売されている汎用品。インテリアでは汚れや水滴が拭き取りやすくなる専用シートカバーやステアリング・ホイールカバーが目を引く。荷台に設置された特注のベッドシェルは、親子ふたりが寝るのに十分な広さを確保したという。シェル内にはアウトドアブランド「Columbia」のウェアやギアがディスプレイされていた。
専用のシートカバーやステアリング・ホイールカバーが装着されたインテリア。親子ふたりで寝ることを想定し、専用に開発されたベッドシェル。最後の1台は「ハイゼット トラック 初音ミク マルシェ Ver.」。「初音ミク」とは、声優・藤田 咲氏が演じるポップでキュートなキャラクター・ボイスを元に作り上げられた、ボーカル・アンドロイド=VOCALOID(ボーカロイド)。
エクステリアは、初音ミクのヘアカラーであるライトグリーンとホワイトの2トーンが目立つ。インテリアもおなじくライトグリーン×ホワイトのコンビネーションで、内外装の各所に初音ミクが描かれている。
“マルシェ”というネーミングどおり、荷台は物販用に改造され、ブースでは実際にミニカーなどを販売していた。
ちなみに初音ミクとのコラボレーションモデルはハイゼット トラックがはじめてではない。ダイハツは軽自動車「ムーヴ キャンバス」に、初音ミクとコラボレーションしたオリジナル用品を設定、販売している。
エクステリア&インテリアは、初音ミクのヘアカラーであるライトグリーンを随所にあしらう。3台のハイゼット トラックはどれも個性的だったが、とはいえなぜ3台ものカスタマイズモデルを展示するのか?
米山さんによれば「ハイゼット トラックは、ダイハツ車のなかでもカスタム率が非常に高いモデル。そこでお客様にさまざまな提案をしようと、この3台を製作しました」とのことだ。
ダイハツは今後もハイゼット トラックをもとに、さまざまなカスタマイズを提案していくという。
文・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.)
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