初の前輪駆動となった1シリーズ
前々からわかっていたことだが、BMWの1シリーズもFF化の波に飲み込まれてしまった。
BMWの走りの基本はFR、と信じていたファナティックには少々寂しいかもしれない。
何を隠そう、私もその一人である。
BMWはすでに、2シリーズのアクティブツアラーとグランツアラーでFFを採用している。
一方、先代の1シリーズのようなコンパクトボディのFRでは、フロントからリアへと動力が行き渡っているように感じられたものだ。
グッとリアから押されるトラクションは、もう新型車では味わうことはできないなぁと懐古的なことを考えながら、刷新したFFの新型1シリーズの試乗を迎えた。
最初に乗るのは、エントリーモデルである118iだ。
BMWの方程式に習った、1気筒あたり500ccのキャパシティをもった3気筒ターボユニットである。
4600回転で140馬力を発揮し、最大トルクは1500回転以下から2Lクラスをゆうに超えた実力をもつ。
BMWは3気筒ユニットの経験値を豊富に有しており、そのためか新たなプラットフォームとのマッチングはよい。
静粛性も振動も申し分のない様子だ。
ストレスを感じさせない乗り心地
3人乗車で神奈川県の大磯プリンスホテルから、箱根ターンパイクへと向かった。
7速DCTによるATは小気味よく、パワーバンドを捉えながら最適なセレクトでストレスがない。
採用されているツインクラッチシステムは、効率の良さが決め手になる。
こちらもギクシャク感がなく、よくできたツインクラッチ式のATである。
またFFのためフロントヘビーな乗り心地と思いきや、前後がバランス良くダンピングされ心地よい。
加速時でも、フロントが浮き上がったトラクション不足は皆無である。
フラッットな路面では、ボディ剛性も十分で完成度の高さに驚いた。
乗り心地と静粛性は大切だが、BMWにはドライビングした楽しさも重要である。
そこはアップダウンとワインディングの続く、箱根ターンパイクで図ることにしよう。
力強さを感じる3気筒エンジン
料金所をくぐると、トルクが決め手の長い上り坂だ。
3気筒特有のサウンドとともにグイグイと引っぱる。
全くパワー不足ではない。
エントリーモデルの118iではあるが、思いのほかサスペンションの粘りがフラットな姿勢を維持する。
これは安全性においても大切なスペックである。
下り坂でのブレーキングはさすがにフロントに荷重が集中しやすいが、ブレーキングを終えて負荷を加えたコーナーリングではヘビーな印象はグッと少なくなる。
軽快さが愉しめる四輪駆動のM135i
連続して試乗した1シリーズのフラッグシップと言うべき M135i 楽しいxDriveにも試乗した。
これは300馬力を超える猛者で、四輪に動力を積極的に配分しないとプレミアム性すら損ねるじゃじゃ馬と化すに違いない。
グッと踏み込むと加速は素晴らしい。
フロントもしっかりと路面を捉えてスタビリティも万全だ。
フロントヘビーの要素すら忘れてしまう程、軽快で速い。
走りがあまりに愉しいので横置きエンジンということをすっかり忘れそうになるほど、入念にチューニングされたユニットだ。
ブレーキング時のストラットの剛性感もしっかりとしていて歪んだようにならないので、走りに徹していることが理解できる。
この2つのコンパクトシリーズを試乗していると、FR至上主義が薄れてしまう。
特にM135i xDriveは、もっと箱根を走りたくなった。
パワーを有効にスタビリティ高く四輪に伝えようとする意図によって、タイトなコーナーが連続すればするほど面白みが感じ取れる。
M135i xDriveは、そんなホットハッチ4WDなのである。
文/松本英雄、写真/尾形和美【試乗車 諸元・スペック表】●BMW 118i プレイ DCT型式3BA-7K15最小回転半径5.7m駆動方式FF全長×全幅×全高4.34m×1.8m×1.47mドア数5ホイールベース2.67mミッション7AT前トレッド/後トレッド1.57m/1.57mAI-SHIFT-室内(全長×全幅×全高)-m×-m×-m4WS-車両重量1390kgシート列数2最大積載量-kg乗車定員5名車両総重量1665kgミッション位置フロア最低地上高0.16mマニュアルモード◯標準色アルピン・ホワイトIIIオプション色メディテラニアン・ブルーメタリック、メルボルン・レッドメタリック、ミネラル・グレーメタリック、ブラック・サファイアメタリック、ミネラル・ホワイトメタリック、ストーム・ベイメタリック掲載コメント※納車時期を2019年10月以降の予定としているため、車両価格(税込価格)は消費税10%が適用された金額を掲載しております型式3BA-7K15駆動方式FFドア数5ミッション7ATAI-SHIFT-4WS-標準色アルピン・ホワイトIIIオプション色メディテラニアン・ブルーメタリック、メルボルン・レッドメタリック、ミネラル・グレーメタリック、ブラック・サファイアメタリック、ミネラル・ホワイトメタリック、ストーム・ベイメタリックシート列数2乗車定員5名ミッション位置フロアマニュアルモード◯最小回転半径5.7m全長×全幅×全高4.34m×1.8m×1.47mホイールベース2.67m前トレッド/後トレッド1.57m/1.57m室内(全長×全幅×全高)-m×-m×-m車両重量1390kg最大積載量-kg車両総重量1665kg最低地上高0.16m掲載用コメント※納車時期を2019年10月以降の予定としているため、車両価格(税込価格)は消費税10%が適用された金額を掲載しておりますエンジン型式B38A15A環境対策エンジン-種類直列3気筒DOHC使用燃料ハイオク過給器ターボ燃料タンク容量50リットル可変気筒装置-燃費(JC08モード)16.8km/L総排気量1499cc燃費(WLTCモード)13.7km/L└市街地:10.7km/L└郊外:14.2km/L└高速:15.1km/L燃費基準達成H27年度燃費基準+5%達成車最高出力140ps最大トルク/回転数n・m(kg・m)/rpm220(22.4)/4200エンジン型式B38A15A種類直列3気筒DOHC過給器ターボ可変気筒装置-総排気量1499cc最高出力140ps最大トルク/回転数n・m(kg・m)/rpm220(22.4)/4200環境対策エンジン-使用燃料ハイオク燃料タンク容量50リットル燃費(JC08モード)16.8km/L燃費(WLTCモード)13.7km/L└市街地:10.7km/L└郊外: 14.2km/L└高速: 15.1km/L燃費基準達成H27年度燃費基準 +5%達成車●BMW M135i xドライブ 4WD型式3BA-7L20最小回転半径5.7m駆動方式4WD全長×全幅×全高4.36m×1.8m×1.47mドア数5ホイールベース2.67mミッション8AT前トレッド/後トレッド1.57m/1.56mAI-SHIFT-室内(全長×全幅×全高)-m×-m×-m4WS-車両重量1580kgシート列数2最大積載量-kg乗車定員5名車両総重量1855kgミッション位置フロア最低地上高0.16mマニュアルモード◯標準色アルピン・ホワイトIIIオプション色メディテラニアン・ブルーメタリック、メルボルン・レッドメタリック、ミネラル・グレーメタリック、ブラック・サファイアメタリック、ミサノ・ブルーメタリック、ストーム・ベイメタリック掲載コメント※納車時期を2019年10月以降の予定としているため、車両価格(税込価格)は消費税10%が適用された金額を掲載しております型式3BA-7L20駆動方式4WDドア数5ミッション8ATAI-SHIFT-4WS-標準色アルピン・ホワイトIIIオプション色メディテラニアン・ブルーメタリック、メルボルン・レッドメタリック、ミネラル・グレーメタリック、ブラック・サファイアメタリック、ミサノ・ブルーメタリック、ストーム・ベイメタリックシート列数2乗車定員5名ミッション位置フロアマニュアルモード◯最小回転半径5.7m全長×全幅×全高4.36m×1.8m×1.47mホイールベース2.67m前トレッド/後トレッド1.57m/1.56m室内(全長×全幅×全高)-m×-m×-m車両重量1580kg最大積載量-kg車両総重量1855kg最低地上高0.16m掲載用コメント※納車時期を2019年10月以降の予定としているため、車両価格(税込価格)は消費税10%が適用された金額を掲載しておりますエンジン型式B48A20E環境対策エンジン-種類直列4気筒DOHC使用燃料ハイオク過給器ターボ燃料タンク容量50リットル可変気筒装置-燃費(JC08モード)13.6km/L総排気量1998cc燃費(WLTCモード)12km/L└市街地:8.9km/L└郊外:12.2km/L└高速:14km/L燃費基準達成H27年度燃費基準達成車最高出力306ps最大トルク/回転数n・m(kg・m)/rpm450(45.9)/4500エンジン型式B48A20E種類直列4気筒DOHC過給器ターボ可変気筒装置-総排気量1998cc最高出力306ps最大トルク/回転数n・m(kg・m)/rpm450(45.9)/4500環境対策エンジン-使用燃料ハイオク燃料タンク容量50リットル燃費(JC08モード)13.6km/L燃費(WLTCモード)12km/L└市街地:8.9km/L└郊外: 12.2km/L└高速: 14km/L燃費基準達成H27年度燃費基準 達成車自動車テクノロジーライター松本英雄自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
BMW 1シリーズ(現行型)の物件一覧はこちら(※物件の掲載がない可能性があります)BMW 1シリーズ(現行型)のカタログはこちら
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みんなのコメント
FFになっても良いモノはいい?
じゃ、仮にロードスターがFFになっても変わらず買われると思うか?
最先端技術盛り込んで社運をかけました、ドライブフィールは今まで通り!FFのポルシェ911。
誰も買いませんよ、こんなの。
作り手の都合でポリシー捨てたクルマに興味はない。
恐らくカローラの方が上。
何十年FF作り続けてきたと思ってんだよ。
積み上げた歴史が違う。
そんな単純な者じゃないでしょ。
そもそも下りのカーブで負荷を掛けれる程度のカーブって、日本の道路でどれ程の数が有るんですかね。
そんな滅多にないシチュエーションを褒めて、さも素晴らしい車みたいに書いてるけど、罪の意識は無いの?
要するに、フロントヘビーなんでしょ?