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【昭和の名車 141】三菱 パジェロの登場が現在のSUVブームの原点かも知れない

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【昭和の名車 141】三菱 パジェロの登場が現在のSUVブームの原点かも知れない

昭和は遠くなりにけり、か。以前に連載した「昭和の名車」では、紹介しきれなかったクルマはまだ数多くある。そこで、1960年代以降の隠れた名車を順次紹介していこう。今回は「三菱 パジェロ」だ。

三菱 パジェロ メタルトップ 2300ディーゼルターボ(L043GV型):昭和57年(1982年)4月発売
1982年(昭和57年)4月にデビューしたパジェロは、三菱がウイリス社のノックダウンとしてジープを作ってきた伝統と、三菱自動車として一本立ちするにあたり、ウイリス社の特許に抵触しない民生向け4WD車として開発したフォルテ4WDとの、技術の結晶ともいえるクルマだ。

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2.3Lディーゼル車と2Lガソリン車がラインアップされたが、とくに注目されたのがターボ付きの2.3Lディーゼルで、このエンジンは1980年のギャラン シグマ/ラムダに初搭載された4D55型だった。このエンジンはディーゼルで世界初のサイレントシャフト付きが話題となった。これをパジェロに搭載して、世界初の4WD+ターボディーゼルエンジン仕様車となった。

ミッションはディーゼルターボ車およびガソリン車には5速MTを採用し、経済性の向上と高速時の騒音低減を図った。その他は4速MTとなっている。4WD機構はパートタイム方式を採用している。トランスファーは4WDでハイレンジとローレンジの切換ができ、2H/4H/N/4Lの4ポジションだ。直結型トランスファーのための後輪への伝達はダイレクト結合で行われ、さらに前輪への動力伝達はサイレントチェーンを介して行われるので静粛性に優れ、パワーロスも少ないのが特徴だった。

シャシは、ラダーフレームだ。剛性の高いパイプ構造としサイドメンバーはフォルテ4WDと同様の溶接結合した閉断面箱型構造を採用している。さらに強度を確保するためにインナーの板厚を上げ、6本のクロスメンバーにより耐久性、剛性の高いものとなっている。

サスペンションはフロントがトーションバースプリングを使用したダブルウイッシュボーン、リアが非対称プログレッシブリーフスプリングを採用したリジッドだった。フロントを独立式としたこともあり、クロカン4WDとしては異例に良い乗り心地を実現していたのも特徴だ。もちろん悪路の走破性もライバル他車と同クラスでヘビーデューティにも使えるのは言うまでもない。

ボディはメタルトップと、オープンにできるキャンバストップの2種。ディーゼルターボを搭載したメタルトップ仕様はパジェロの中でも最上級グレードとなるが、それを中心に機能を見ていくと、パワーステアリングが標準装着となり、タコメーター、油圧計、傾斜計、ヘッドライトウオッシャー、ウオッシャー付きリアワイパーを装備し、乗用車並みの仕上げとなっていた。

パワーステアリングはノンパワーに対してかなりクイックなギア比となっており、一般道では走りやすい。ノンパワステのようにステアリングに体重をかける必要がないので、ドライビングポジションも自然な体勢を維持することができたのも特筆されるところだ。

ディーゼルターボにはサスペンションシートを採用したのも注目された。シート底部につながったパンタグラフ式リンクが上下するとコイルスプリングとショックアブソーバが作動して悪路での振動を吸収し、3段階にロックさせることもできた。このシートによってアップダウンの大きい悪路走行でも、ぐっとショックを受け止めてくれた。

パジェロは発売以降、折からのスキーブームやパリ~ダカール ラリーでの活躍により三菱自動車の屋台骨を支える一大ブランドとなる。現在、ラインアップから消えてしまったのは寂しいことだが、いまにつながるSUVブームの原点として、日本の自動車史に大きな足跡を残すクルマだった。



三菱 パジェロ メタルトップ 2300ディーゼルターボ 主要諸元
●全長×全幅×全高:3930×1680×1865mm
●ホイールベース:2350mm
●重量:1450kg
●エンジン型式・種類:4D55型・直4 SOHCディーゼルターボ
●排気量:2346cc
●最高出力:95ps/4200rpm
●最大トルク:18.5kgm/3000rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:H78-14-4PR
●価格:189万円

[ アルバム : 三菱 パジェロ はオリジナルサイトでご覧ください ]

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