現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > クルマのシフトレバーにある「B」や「S」ってなに? 意外と知らない正しい使い方

ここから本文です

クルマのシフトレバーにある「B」や「S」ってなに? 意外と知らない正しい使い方

掲載 更新 49
クルマのシフトレバーにある「B」や「S」ってなに? 意外と知らない正しい使い方

オートマ車のシフトモードは多種多様

 日本で販売されている多くのクルマはAT(AT免許で運転できるクルマと言う意味でCVTやDCT、AMT含む)だ。基本的にはそれらのシフトレバーは駐車時に使う「P」のほか、バックの「R」、ニュートラルの「N」、そして通常走行で利用するドライブの「D」で構成されている。

なぜ激減? ハンドルの根元から伸びる「コラムシフト」を見かけなくなった本当の理由

 しかし、一般的なAT車はそれ以外にも走行ポジションを備えているが、かつてのように上限ギヤを固定する「3」「2」「1」ではないので、パッと見たところわかりにくいのも否めない。それぞれのポジションはどう使えばいいのだろうか? 

強いエンジンブレーキが必要な時に使用

 まずは、多くのクルマに備わる「D」の下にある「L」というモード。たとえばホンダ・N-BOX(エヌボックス)の場合だ。

 取扱説明書を読むと、Lは「低い」を意味する「ロー」と表記されていて主な使用シーンとしては

 ●強いエンジンブレーキが必要なとき

 ●上り坂や下り坂を走行するとき

 と書かれている。

 一般的には急こう配の峠道を下るときに、フェード現象(ブレーキの過熱による効きの低下)を抑えるために使うモードと覚えておけばいいだろう。

「S」はなんのため?「L」とはどう違う?

 いっぽうで同じホンダ車でも、CVTのマニュアルシフトモードを備えているクルマなどは「L」ではなく「S」が用意されることが多い。

 同じN-BOXの取扱説明書によると「S」は「ドライブ(S)」と表記され、

 ●高回転領域を有効に使用

 ●上り坂や下り坂を走行するとき

 ●7速マニュアルシフトモードにするとき

と書かれている。

 「L」に対して「強いエンジンブレーキ」という表記がなくなっているほか、「マニュアルシフトモードにするとき」と加わっているのがポイント。単にエンジンブレーキをかけるだけでなく、マニュアルシフトモードを活用してエンジンブレーキの効きや、エンジン回転数をコントロールしたいときにも有効というわけだ。ちなみに、「S」モードにしなくてもパドルシフトは機能する。

 また、ホンダ以外のメーカーのクルマにも「S」が用意されていることもあり、たとえばトヨタの取扱説明書には「S」の使い方として「坂道走行」という記述がある。

「B」はブレーキ? アクセルオフでの減速が強い

 プリウスやアクアなどトヨタ系のハイブリッドカーでおなじみなのが「B」。ハイブリッドだけでなくCVT車でも見かけるこのポジションは、プリウスの取扱説明書によると

 ●急な下り坂など、強いエンジンブレーキが必要なとき

 を使用目的としている。

 アクセルをオフにした際の減速度が強まるモードで、ブレーキの「B」を意味するから分かりやすい。さらにクルマによっては「S」と「B」の両方を備えることもあり、トヨタ・スペイドの取扱説明書には「S」を「坂道走行」、「B」は「急な下り坂走行」と想定シーンが分かれているのも面白い。

 ちなみにトヨタのハイブリッドカーの場合、「B」レンジは回生ブレーキよりもエンジンブレーキを強める制御となり、燃費面では「D」レンジ+フットブレーキのほうが勝る。ただし、フェード現象を防ぐために、長い下り坂では積極的に使うことをおススメしたい。

「M」を持つクルマも存在する

 「D」のほかに「M」を備えるクルマも多いが、これを備えるクルマには共通の特徴がある。パドルシフトを使ったり、シフトレバーを前後(左右)に倒してシフトアップ/ダウンする機構を備えているクルマだ。

 「M」とは”マニュアル”の頭文字。MT車のように、シフトアップ/ダウンをドライバーの意思で行うためのモードだと考えればいいだろう。想定シーンはエンジンブレーキの効きを調整する際や、追い越し加速の際、そしてサーキットなどのスポーツ走行用だ。

 もちろん「M」に入れなくてもパドルシフトなどは機能する場合がほとんどだが、「M」にするとエンジンを高回転まで活用できたり、スポーツカーなどでは「M」にするとギヤが完全に固定されドライバーの操作以外の自動的なシフトアップやシフトダウンが行われないこともある。

使うのはエンジンブレーキのため?

 いずれも共通しているのは、「D」よりもエンジンブレーキが効くこと。だから通常走行においては、「D」以外のモードはエンジンブレーキを効かせるためと考えておけばいいだろう。

 また、「S」と「B」のどちらも備えるクルマは、エンジンブレーキの効きの強さを切り替えできると考えるとわかりやすい。

なかには「N」ですら備えないクルマも

 ところで、世界には「N」や「D」ですら備えないクルマもある。たとえばランボルギーニ。シフトモードはボタンで切り替えるのだが、用意されているのは「R(リバース)」と「M(マニュアル)」のみ。

 プラス側のパドルを引くことで「D」に入り、「M」のボタンを押せば“自動変速モード”と自動変速しない“マニュアルモード”が切り替わる。

 エンジン始動時は自動的に「N」となり、手動で「N」にしたいときは左右のパドルを同時に引くことで「D」から「N」へ切り替わる仕組みだ。

 近年のフェラーリも同様の方式を採用しているが、それらのクルマを動かす際はあらかじめ知識がないと「D」に入れることができず、クルマを発進させることすらかなわないので注意が必要だ。

こんな記事も読まれています

【ヤマハ】「Yamaha R3 bLU cRU Asia-Pacific Championship」第6戦をオーストラリアにて11/8~10開催
【ヤマハ】「Yamaha R3 bLU cRU Asia-Pacific Championship」第6戦をオーストラリアにて11/8~10開催
バイクブロス
トヨタ車体が1人乗り「りょくまる」実車展示! 小さな丸目が斬新スギ!? 「謎の小型車」が実は凄かった
トヨタ車体が1人乗り「りょくまる」実車展示! 小さな丸目が斬新スギ!? 「謎の小型車」が実は凄かった
くるまのニュース
ヤマハ主催「The Dark side of Japan Night Meeting 2024」 “MTのMTによるMTのためのMeeting”開催
ヤマハ主催「The Dark side of Japan Night Meeting 2024」 “MTのMTによるMTのためのMeeting”開催
バイクのニュース
ギャルにも響く メッチャかわいい人生初の愛車[ワゴンRスマイル]を仮免で早くも納車された強者がいたああ
ギャルにも響く メッチャかわいい人生初の愛車[ワゴンRスマイル]を仮免で早くも納車された強者がいたああ
ベストカーWeb
ヤマハYZF-R7はバイク版のユーノス ロードスター(初代)だ!!「自分の腕だけで勝負したいアナタに」
ヤマハYZF-R7はバイク版のユーノス ロードスター(初代)だ!!「自分の腕だけで勝負したいアナタに」
モーサイ
アルファロメオ、新コンパクト『ミラノ』……改め『ジュニア』が世界初公開。HVに加え初BEVも
アルファロメオ、新コンパクト『ミラノ』……改め『ジュニア』が世界初公開。HVに加え初BEVも
AUTOSPORT web
70.5kWhの高電圧バッテリー搭載で一充電走行距離は591kmに延長! メルセデス・ベンツが新型EQAを発売
70.5kWhの高電圧バッテリー搭載で一充電走行距離は591kmに延長! メルセデス・ベンツが新型EQAを発売
THE EV TIMES
日産が新型「小さな高級車」世界初公開! 全長4.4m級にクラス超え「上質内装」×斬新グリル採用! “日本的”デザインに一新の「新型キャシュカイ」欧州で発表
日産が新型「小さな高級車」世界初公開! 全長4.4m級にクラス超え「上質内装」×斬新グリル採用! “日本的”デザインに一新の「新型キャシュカイ」欧州で発表
くるまのニュース
ランクル250の実車が見られる! 東京、大阪の2拠点に展示
ランクル250の実車が見られる! 東京、大阪の2拠点に展示
driver@web
【MotoGP】アプリリアで勝利達成ビニャーレス、スズキ&ヤマハ時代とは「異なる価値がある」
【MotoGP】アプリリアで勝利達成ビニャーレス、スズキ&ヤマハ時代とは「異なる価値がある」
motorsport.com 日本版
低くてワイドな“走りのホンダ”新型でた! 新「H」ロゴ採用の次世代EVシリーズ 中国で発表
低くてワイドな“走りのホンダ”新型でた! 新「H」ロゴ採用の次世代EVシリーズ 中国で発表
乗りものニュース
トヨタ「クラウン“オープン”」実車公開! 世界に一つだけの”エレガント”モデル! “完全復活”遂げた「爆レア」仕様とは
トヨタ「クラウン“オープン”」実車公開! 世界に一つだけの”エレガント”モデル! “完全復活”遂げた「爆レア」仕様とは
くるまのニュース
「スタイリッシュなオラオラ顔」で超絶人気のノア! 大ヒットの裏側にある2つの「要素」にナットク!!
「スタイリッシュなオラオラ顔」で超絶人気のノア! 大ヒットの裏側にある2つの「要素」にナットク!!
ベストカーWeb
フェラーリ「275P」がたった182万円!? 12台のみ手作りされたヴェスパのエンジンを搭載したジュニアカーでした
フェラーリ「275P」がたった182万円!? 12台のみ手作りされたヴェスパのエンジンを搭載したジュニアカーでした
Auto Messe Web
スズキ スイフト【1分で読める国産車解説/2024年最新版】
スズキ スイフト【1分で読める国産車解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン
進化したホンダN-VANがデビュー!──GQ新着カー
進化したホンダN-VANがデビュー!──GQ新着カー
GQ JAPAN
【ひねもすのたりワゴン生活】滋賀から城崎、そして神戸 5日間1500kmのクルマ旅 その6
【ひねもすのたりワゴン生活】滋賀から城崎、そして神戸 5日間1500kmのクルマ旅 その6
AutoBild Japan
5年ぶりの中国GP、F1グラウンドエフェクトカーが上海初走行へ。バンプ除去で準備も「未知の要素が多く大きな挑戦に」
5年ぶりの中国GP、F1グラウンドエフェクトカーが上海初走行へ。バンプ除去で準備も「未知の要素が多く大きな挑戦に」
AUTOSPORT web

みんなのコメント

49件
  • オートマが大半を占める日本の車社会、山道などの長い下り坂の走行でエンジンブレーキを使わないドライバーが多くいる。頻繁にブレーキランプが点いてる車がそれだ。エンジンブレーキの有効性を知らない、若しくはエンジンブレーキ自体を知らない者もいる。そのクセ一丁前にスピードは出すから恐ろしい。
    車を運転する上でエンジンブレーキはとても重要。坂道だけでなく普段の走行でエンジンブレーキを使うことを取り入れることにより車間距離を広くとろうとする意識が芽生え、前方の交通状況が見やすくなることにより無駄な加速や無駄なブレーキを使わなくなる。結果として安全であり無駄のない運転ができるようになっていく。頭の悪い人間は効率の良い運転が出来ないし、そんなこと考える頭もないし、人の話も聞かない。
  • プリウスでBに入れる爺さん少なそうだな
    一度も入れないまま下取りに出されるのとか多そう
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

275.0460.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

4.5628.0万円

中古車を検索
プリウスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

275.0460.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

4.5628.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村