現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【ヒットの法則103】2代目ザフィーラはドイツ車らしい堅実な足回りの7人乗りミニバン

ここから本文です

【ヒットの法則103】2代目ザフィーラはドイツ車らしい堅実な足回りの7人乗りミニバン

掲載 更新 7
【ヒットの法則103】2代目ザフィーラはドイツ車らしい堅実な足回りの7人乗りミニバン

2005年のフランクフルトモーターショーでは2代目ザフィーラも注目を集めた。ジュネーブオートサロンですでに発表されていたが、実際に試乗することができたのはフランクフルトモーターショーの開催時でもあった。Motor Magazine誌ではスウェーデンで試乗、2代目でどう進化したのか、詳細をレポートしている。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2005年11月号より)

フットワークのよさにさらに磨きがかかった
日本ほどではないにしても、欧州でも居住/積載空間が自由に割り振れるモノスペースカーが勢力を拡大しつつある。過去5年間の欧州におけるコンパクトバンのシェアは2.4%から7%へと増加、さらに今後5年間で10%を超えると予想されている。

2019年もっとも読まれた記事ランキング発表、2位は運転免許証の謎、さて1位は?

オペルが1999年に発表した初代ザフィーラは、そうした市場動向の牽引役となったモデルである。日本にも導入され、国産勢と同様の巧みな折りたたみ機構を備えた「フレックス7」と呼ばれるシートシステムや、欧州車らしい堅実なフットワークで支持を集めたが、その後、同じGMアライアンスの一員であるスバルからOEMモデルのトラヴィックが導入されたことで状況が変わってしまった。

スバル トラヴィックはタイで生産されたザフィーラの同型車だった。しかもエンジンが強化された上に価格設定を国産車の水準に合わせていたため、本家のザフィーラは結果的に日本市場撤退を余儀なくされたのである。

しかしそれは日本の特殊な事情であって、欧州におけるザフィーラの人気は変わらず堅調に推移し、今年2005年春のジュネーブオートサロンで2世代目の新型を発表。このニューモデルを2005年秋に日本でも発表することが決定している。

そのザフィーラにスウェーデンで試乗するチャンスを得た。2代目となった新型は全長+150mm、全幅+59mmとボディを大幅に拡大。4467mm×1801mm×1635mmのスリーサイズを得て、日本でいうLクラスミニバンと同等のサイズ感を得た。これに伴って室内空間も広がり、とくに頭上や肩まわりの余裕が増して居住性は確実に向上した。

シートシステムは好評のフレックス7を継続採用。これは、左右2分割の3列目シートが床下にフラットに収納され、その上をセカンドシートがスライドしてスペースを柔軟に割り振れるという機構だ。新型は2列目のスライド機構などの操作性がさらに向上するなど相応の進化も遂げている。

ただし、3列目席は多少広くなってはいるものの、足下空間は余裕タップリというレベルではないし、着座位置も低めで閉塞感が強い。つまり基本的には「普段4~5人、時々7人」として使うクルマだ。

欧州のコンパクトバンはこうした考え方が一般的で、3列目をオプションの取り外し式とすることが多い。ただしこの場合、外したシートの置き場所問題が発生する。フレックス7はそれを解決する妙案であり、3列目を畳むだけで絶大な荷物収納能力が得られる。

また2列目のチップアップ、1列目助手席の前倒し(オプションのため日本導入は未定)なども併せて活用すれば、ユーティリティはかなり高く、こうしたアイディアが出尽くしている国産勢と較べても使い勝手に遜色はない。

日本仕様は150psの2.2L ガソリン直噴4気筒に4速ATの組み合わせとなる。スペック的には控えめなものの、このエンジンは実用域のトルクがなかなかに強力だ。高速走行が主体の今回の欧州試乗でも、十分な巡航能力が確認できたし、スタートのダッシュも軽快なので日本の道路事情で使っても不足はないはずだ。

しかも、先代でも感心させられた堅実なフットワークにはさらに磨きがかかっている。ドイツの高速環境で鍛えられた高いスタビリティはそのままに、乗り心地/ロードノイズといった快適性も向上しているのだ。また、ベクトラなどで定評のあるIDSプラス(可変減衰力サスを中心としたオペル独自のシャシ制御技術)も組み合わされており、コーナリングではロールが少ないフラットな姿勢と高い接地性を味わえた。

この新型ザフィーラ、日本での発表は2005年10月中旬で、来年2006年からの発売予定という。今回は200万円台中盤からと価格面のバリューも高めているし、天井に4枚のガラスをはめ込んだパノラマルーフ(電動シェード付き)といった快適装備もあるので、国産ミニバン勢と伍して戦う実力は十分にあるはずだ。(文:石川芳雄/Motor Magazine 2005年11月号より)



オペル ザフィーラ2.2CD(2005年)主要諸元
●全長×全幅×全高:4467×1801×1635mm
●ホイールベース:2703mm
●車両重量:1570kg
●エンジン:直4DOHC
●排気量:2198cc
●最高出力:150ps/5600rpm
●最大トルク:215Nm/4000rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:FF
※欧州仕様

[ アルバム : オペル ザフィーラ(2005年) はオリジナルサイトでご覧ください ]

こんな記事も読まれています

ついにマイナス金利が解除! このままだと銀行のマイカーローンが上がるかも……実は知らない銀行金利の秘密
ついにマイナス金利が解除! このままだと銀行のマイカーローンが上がるかも……実は知らない銀行金利の秘密
ベストカーWeb
アップル信者御用達! 実は盗難対策も出来ちゃいます……防犯アイテム「エアタグ」がスゴイ!
アップル信者御用達! 実は盗難対策も出来ちゃいます……防犯アイテム「エアタグ」がスゴイ!
ベストカーWeb
復活のスポーツトラック「三菱・トライトン」正式発売!
復活のスポーツトラック「三菱・トライトン」正式発売!
グーネット
対向車のライトやミラーの反射を軽減!夜間運転用「ナイトイエローレンズ」発売
対向車のライトやミラーの反射を軽減!夜間運転用「ナイトイエローレンズ」発売
グーネット
フィアット「500X ブレッザ」150台限定で発売 電動開閉式ソフトトップ採用
フィアット「500X ブレッザ」150台限定で発売 電動開閉式ソフトトップ採用
グーネット
週末を遊びつくせ!2024年のスーパー耐久24時間レースは”オールナイトFUJI“
週末を遊びつくせ!2024年のスーパー耐久24時間レースは”オールナイトFUJI“
グーネット
マットブラック仕様がクール!ハイエースのカスタムモデル 年間20台上限で販売スタート
マットブラック仕様がクール!ハイエースのカスタムモデル 年間20台上限で販売スタート
グーネット
キモはタイヤメンテナンスにあり?! 走行距離が少ないクルマは危険だぞ……クルマの点検費用を安く抑えるコツ3選
キモはタイヤメンテナンスにあり?! 走行距離が少ないクルマは危険だぞ……クルマの点検費用を安く抑えるコツ3選
ベストカーWeb
中古車の見えない部分をピピッと診断!「グー故障診断」をまるっと解説!
中古車の見えない部分をピピッと診断!「グー故障診断」をまるっと解説!
グーネット
ポルシェ「カレラT」に乗ってスッピン性能を楽しむ! MTで操りたいマニア殺到の「911」とは【東京~大阪試乗】
ポルシェ「カレラT」に乗ってスッピン性能を楽しむ! MTで操りたいマニア殺到の「911」とは【東京~大阪試乗】
Auto Messe Web
メルセデス・ベンツ「GLA180」新型パワートレイン搭載 高性能モデルも追加
メルセデス・ベンツ「GLA180」新型パワートレイン搭載 高性能モデルも追加
グーネット
日産「エルグランド」仕様変更 2つの装備加わり安全性能アップ
日産「エルグランド」仕様変更 2つの装備加わり安全性能アップ
グーネット
「印象ダウン」なATと快適性 新名称で再出発の韓国ブランド KGMトーレスへ試乗
「印象ダウン」なATと快適性 新名称で再出発の韓国ブランド KGMトーレスへ試乗
AUTOCAR JAPAN
黄金のスワンボートからスーパーカーまで!「日本ボート・オブ・ザ・イヤー2023」のバラエティに富んだ会場を紹介します【吉田由美のCCL】
黄金のスワンボートからスーパーカーまで!「日本ボート・オブ・ザ・イヤー2023」のバラエティに富んだ会場を紹介します【吉田由美のCCL】
Auto Messe Web
ポルシェFE、ネオンサイン”煌めく”ピンク色の東京E-Prix特別カラーリング公開。ウェーレイン&ダ・コスタ「東京の街にピッタリ!」と大絶賛
ポルシェFE、ネオンサイン”煌めく”ピンク色の東京E-Prix特別カラーリング公開。ウェーレイン&ダ・コスタ「東京の街にピッタリ!」と大絶賛
motorsport.com 日本版
常に独創的なプジョー9X8のカラーリング。『ライオンの群れ』模した最新リバリーはアパレル展開も
常に独創的なプジョー9X8のカラーリング。『ライオンの群れ』模した最新リバリーはアパレル展開も
AUTOSPORT web
見れば納得! めちゃくちゃ注目される「教習車」なぜ誕生? 「学べる」ワケは?
見れば納得! めちゃくちゃ注目される「教習車」なぜ誕生? 「学べる」ワケは?
くるまのニュース
新型Eで4WDでディーゼル希望なら一択! メルセデス・ベンツE 220 d 4マティック・オールテレイン
新型Eで4WDでディーゼル希望なら一択! メルセデス・ベンツE 220 d 4マティック・オールテレイン
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

7件
  • 15年前の話だけど それがどうしたのかな? 
  • トラヴィックだけに特化した中古車屋が前住んでたとこの地区にあったのを思い出した。
    1回だけ見に行った事がある。
    明らかにスバルの整備士よりも知り尽くしてて、
    部品の出る、出ないの事からこれはシボレーの何とかと共用だから…とか、ここまではザフィーラと一緒だけどこれはスバル独自とか……
    自分も自称、かなりのオールジャンルヲタクだと思い込んでいたが
    とにかくマニアック過ぎて1車種だけにかける情熱のスゴい人には全く歯がたたなかった。
    スバルの駄作、黒歴史、ボロ車とパッケージングが良い割に批判だらけなのは今も語りぐさだけど
    そういう専門店があれは維持にも困らなく快適に乗り続けられるだろうと思います。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

269.0334.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

40.053.0万円

中古車を検索
ザフィーラの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

269.0334.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

40.053.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村