GLAに始まるメルセデスのSUVシリーズで、GLSに続いて2番めに大きなモデルがGLE。それを近年流行のクーペスタイルに仕立てたモデルがGLEクーペだ。
初代となる先代GLEクーペが登場したのは2016年のこと。それからわずか3年で2代目へフルモデルチェンジした。先代はGLEをベースにエクステリアデザインを変更したモデルだったが、新型はベースのGLEに比べてホイールベースを60mmも短縮している。これはダイナミクス性能の向上を重視してのものだ。BMW X6をはじめレンジローバースポーツやポルシェカイエンクーペなど、競合ひしめくプレミアムSUVのカテゴリーで生き残るためには、デザインの変更だけでなく、それに伴う動的質感の向上が求められるというわけだ。
2桁ナンバー物語 Vol.3 練馬34の日産 ステージア(後編)
19C0561_020メルセデス・ベンツ GLEクーペ|MERCEDES-BENZ GLE COUPE
GLEクーペとしては2代目となる新型モデル。欧州参考値のボディサイズは4939×2010×1730mm。全長は先代より延びている。
ボディサイズは、先代の「350d」クーペが全長4905mm×全幅2015mm×全高1730mmなのに対して、新型の「400d」は4939×2010×1730mm(欧州仕様参考値)と、全長は34mmほどのびているが全幅と全高はほぼ同じ。荷室は先代比+40リットルを実現している。ざっくりいえば5m×2mの巨漢SUVだ。
国際試乗会は、北にドイツ、南にイタリアに挟まれた山岳地帯にあるオーストリア西部の都市インスブルックの空港を起点に、標高約2000mに位置するスキーリゾート地ホッホグルグルを目指すルートで行われた。
19C0561_027メルセデス・ベンツ GLEクーペ|MERCEDES-BENZ GLE COUPE
日本での導入時期や価格は未定。6気筒ディーゼルの350dやAMGモデル、プラグラインハイブリッドモデルと本国での選択肢は豊富に用意されている。
新しく用意されたEQブーストという武器最初に試乗したのはAMGモデル、「GLE 53 4マティック+ クーペ」だ。先代のGLEクーペのAMGモデルは「43」と「63」の2本立てだったが、新型では初めて「53」シリーズが投入された。ポイントは「EQブースト」と呼ばれる電動化モデルであること。
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デザインは先に発売されているGLEをベースにアレンジ。ほぼ同寸法となる全幅は2m越え。日本市場はそれをどう評価するのか。
フロントマスクには特徴的なAMG専用のパナメリカーナグリルが備わる。試乗車は、21インチサイズのウインタータイヤ、ピレリ・スコーピオンを装着していた。インテリアは、最新のメルセデスのデザイン手法に則ったもので、ドライバー正面のメーター部分とダッシュボード中央の、2つの12.3インチの高精細ワイドディスプレイを一体モノとしたデジタル感あふれるもの。AMG専用ステアリングは、フラットボトムタイプで、左右のスポーク下にダンパーの減衰と排気音を個別に切り替えるスイッチと、ドライブモード調整用のダイヤルが備わっていた。
53シリーズのパワートレインは3リッター直列6気筒エンジンにスターターとオルタネーターを兼ねたモーター「ISG」(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)と、48V電気システムを組み合わせたものだ。エンジン単体での出力は最高出力435ps、最大トルク 520Nmを発揮。これに22ps/250Nmのモーター出力が加わる。
19C0561_034メルセデス・ベンツ GLEクーペ|MERCEDES-BENZ GLE COUPE発進時はモーターが、低速域を電動スーパーチャージャーが、さらにその先をターボチャージャーがカバーする機構となっており、アイドリングの回転域からその巨体を忘れてしまうほどスムーズに動き出し、あっという間に速度が高まる。
足回りはAMG専用にチューニングされたエアサスペンションに、前後のスタビライザーに電子制御式のアクチュエーターを統合した「AMG アクティブライドコントロール」を組み合わせたもの。このシステムによって車体のロールが低減、さらに片側が圧雪路で、片側が舗装路のような路面状況でも瞬時にスタビライザーが反応することで乗り心地がよくなる効果もあった。AMGといっても過激なわけではなく、スポーツ性と快適性とをうまく両立している。
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インテリアデザインはGLEのものを踏襲。「ハイ!メルセデス」で起動するインフォテインメントシステムなど、最新装備の数々も備えている。
日本でも目玉になるであろうディーゼル仕様もう1台「GLE400d 4マティッククーペ」にも乗った。3リッターの直列6気筒ディーゼルターボエンジンは、最高出力330ps、最大トルクは700Nmを発揮。このエンジンはSクラスやベースのGLEも搭載しており、現行ディーゼルユニットとしては最高峰の1つといえるものだ。
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先代GLEクーペよりホイールベースを20mm延長したことで車内はさらに広く快適に。
試乗車にはオプションの「E-ACTIVE ボディコントロールサスペンション」というエアサスをベースに、4輪それぞれに電制油圧式オイルポンプを配置して、エアサスのレートやダンパーの減衰力を可変制御するものが装着されていたが、この効果がてきめんだった。「カーブ」モードという設定では、コーナリング中に外側のボディをもちあげ水平を保つのだが、後席に座っていてもコーナリング時に明らかに頭の揺れが減少するのがわかる。クルマ酔いを抑制する効果もあるはずだ。さらにディストロニック用のカメラを用いて前方の路面状況をモニターし、予想される入力にダンパーが備えるロードサーフェイススキャンという機能まで備えていた。総じてGLEクーペはそのクーペスタイルにふさわしい性能を手に入れていた。
このサスペンションはGLEから設定がはじまった競合他社にはないメルセデスだけの機能というが、現地でも日本円換算で100万円前後にもなるオプションゆえ、いまのところ国内導入は見送られているという。GLEクーペにはぜひ設定をと、広報担当者にはお願いしてみたがさてどうなることやら。日本導入予定は2020年中とのことだ。
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デザインだけでなく乗り味もGLEとは差別化。サスペンションセッティングも含め、クーペらしい軽快さが持ち味だ。
文・藤野太一 写真・メルセデス・ベンツ日本 編集・iconic
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