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【盤石の強さの勝因と隙】トヨタ なぜ販売ベスト5独占?? 一強打破の真打ちは

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【盤石の強さの勝因と隙】トヨタ なぜ販売ベスト5独占?? 一強打破の真打ちは

 トヨタが2ヵ月連続で登録車販売ベスト5を独占!! なぜここまで強い? 一強打破のポテンシャル秘めるライバル車の動向は?

 2019年10月の登録車販売ランキングは、1位:カローラシリーズ、2位:シエンタ、3位:ルーミー、4位:プリウス、5位:タンクと続き、上位5車をトヨタが占めた。他メーカーは6位になって日産 ノートが入っている。

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 続く11月も同様で、登録車の上位5車はカローラシリーズ、シエンタ、プリウス、ライズ、ルーミーとなり、他メーカーでトップになったのは6位の日産 ノートであった。

 以前からトヨタは登録車市場のシェアが高かったが、最近は特にこの傾向が強い。2019年10月は、日本で販売された登録車の53%がトヨタ車だ(レクサスを含む)。11月も同様に52%に達した。

 なぜトヨタがここまで強いのか? その背景に迫るとともに、「トヨタ一強」を打ち破る可能性を持つ注目の新車について解説する。

◆2019年11月 登録車販売ベスト10
1位:トヨタ カローラ/1万705台
2位:トヨタ シエンタ/1万331台
3位:トヨタ プリウス/8375台
4位:トヨタ ライズ/7484台
5位:トヨタ ルーミー/7132台
6位:日産 ノート/6712台
7位:ホンダ フリード/6444台
8位:トヨタ タンク/6114台
9位:トヨタ アクア/6021台
10位:トヨタ アルファード/5748台

文:渡辺陽一郎
写真:編集部、TOYOTA、NISSAN

【画像ギャラリー】最新の登録車ベスト5とその販売台数は?

トヨタがベスト5を独占! 背景にある2つの理由とは?

2019年9月にセダン/ワゴンが同時に登場した新型カローラ。なかでも稼ぎ頭はワゴンの「ツーリング」で、シリーズ全体の7割弱を占める

 このトヨタのシェアを見る時には、注意が必要とされる。2019年10月に台風19号が上陸して、尊い命が奪われる甚大な被害を及ぼしたからだ。

 クルマの販売どころではなく、登録車と軽自動車を合わせた販売台数は、前年の10月に比べて25%減った。11月にも影響が残り、13%減少している。10月は国内の新車流通が通常とは違う状況に置かれたので、差し引いて考えねばならない。

 ただし、それでも登録車におけるトヨタのシェアは高い。2019年度上半期(2019年4~9月)のシェアも48%に達した。

 トヨタが登録車で高いシェアを獲得した背景には、主に2つの理由がある。

 まずは、日本のユーザーに合った好調に売れる登録車を投入していることだ。

 例えば10月と11月に登録車で最も多く売られたカローラシリーズは、3ナンバーサイズに拡大されたものの、セダン&ワゴンの中では今でもコンパクトな部類に入る。プラットフォームを刷新して、走行安定性と乗り心地を大幅に向上させながら、取りまわし性の悪化を最小限度に抑えた。

 以前から使われる低コストの1.8Lエンジンを搭載して、価格も割安だ。つまり3ナンバー車になっても、日本向けであることに変わりはない。

全長3995×全幅1695×全高1620mmと、5ナンバーサイズに収めた小型SUVのトヨタ ライズ。2019年11月に発売され、瞬く間にベスト5入りのヒット車となった

 11月に4位に入ったライズは、ダイハツ製のOEM車だが、5ナンバーサイズに収まる貴重なコンパクトSUVだ。しかもRAV4を小さくしたような悪路指向が感じられ、日本のユーザーが求めるSUVのイメージに合う。

 このほかシエンタは5ナンバーサイズのコンパクトミニバン、ルーミーは空間効率の優れた背の高いコンパクトカーだから、カローラセダン&ツーリングを含めて、好調に売れるトヨタ車の多くは国内市場を見据えて開発された。

 プリウスは海外でも売られるが、それでも国内比率は高く約50%に達する。全幅も1800mm以内に抑えた。Lサイズセダンになると、国内比率が10%以下の車種も多いが、プリウスは国内指向が強い。

 そうなると好調に売れる登録車のトップ5車は、3ナンバー車のカローラシリーズやプリウスも含めて、国内市場を意識して開発されている。日本のユーザーを見据えて開発されたトヨタ車が、日本国内で好調に売れるのは当然の結果だ。

 逆にいえば、ほかのメーカーでは、日本のユーザーを見据えて開発された登録車が減っている。そこで挙げられるのが2つ目の理由で、軽自動車の販売比率が増えたことだ。

ホンダや日産の「軽偏重」も登録車のトヨタ天下を後押し

目下、登録車を含む新車総合販売No.1を争うダイハツの新型タントとホンダ N-BOX。特にホンダや日産は、近年では軽自動車の販売比率が拡大している

 先に述べた通り、2019年度上半期にトヨタの登録車市場におけるシェアは48%に達したが、軽自動車を含めた総市場で見ると、トヨタのシェアは31%に減ってしまう。10月と11月は登録車のシェアは50%を超えたが、総市場では両月ともに33%にとどまる。

 今では国内で売られる新車の37~39%が軽自動車で、ダイハツとスズキ以外のメーカーも販売比率を高めた。

 ホンダは国内で売られるクルマの30%以上がN-BOXで占められ、N-WGNなども含めた軽自動車全体となれば50%を超える。日産も直近の販売データを見ると、軽自動車比率が40%を上まわった。

 従って登録車と軽自動車を合計した「国内総合販売ランキング」になると、上位の顔ぶれは大幅に変わってしまう。

 2019年10月の1位は軽自動車のN-BOX(スラッシュを含む)、2位はスペーシア、3位には登録車のカローラシリーズが入ったが、4位は再び軽自動車のタント、5位はデイズ/デイズルークスであった。

 2019年11月は、1位がタント、2位はN-BOX、以下スペーシア、デイズ/デイズルークスと続き、5位にカローラシリーズが入った。デイズとデイズルークスは別の車種だから、合計して算出するのは無理があるが、それでもN-BOX、タント、スペーシアの3車種は、国内総合販売ランキングの定番トップ車種だ。

 そして国内におけるメーカー別販売ランキングは、1位がトヨタ、2位はホンダ、以下スズキ、ダイハツ、日産と続く。2~4位の主要メーカーが軽自動車で売れ行きを伸ばすようになり、登録車はトヨタの天下になって、シェアも50%を上まわった。

打倒トヨタの切り札候補! 日産&ホンダの新型車に注目

2020年に発売予定の日産 キックス。現在は海外専売モデルで、全長4295×全幅1760×全高1590mmとなっている

 さて今後の登録車販売ベスト5はどうなるのか。上位に喰い込めそうな他メーカーの車種を挙げてみたい。

 注目度が高いのは日産 キックスだろう。ジュークの後継車種に位置付けられ、全長は4400mm以下で全幅も1800mm以内に収まるから、ボディの大きさはC-HRやヴェゼルに近い。

 エンジンは1.5Lノーマルタイプに加えて、1.2Lをベースにしたe-POWERも設定される。価格をライズと同等か少し高い程度、つまり1.5Lエンジンを搭載したベーシックな買い得グレードを190~200万円で設定すれば、ユーザーに注目されそうだ。

東京モーターショー 2019で世界初公開された新型フィット。クロスオーバー仕様の「クロスター」も設定される

 直近で最も現実的なのは2020年2月に発売される新型フィットだろう。

 フロントマスクのデザインが個性を強めてグレード構成も少し繁雑だが、後席の居住性はミドルサイズセダン並みに広くて快適だ。燃料タンクを前席の下に搭載したから、全高は立体駐車場を使いやすい高さに抑えながら荷室容量は大きい。

 さらに新型ではボディ剛性の向上などによって走行安定性と乗り心地が良くなり、ハイブリッドシステムも2つのモーターを搭載するタイプに進化して高性能化する。その一方で競争の激しい分野だから価格はあまり高まらず、買い得感は抜群に強まる。

 フィットとほぼ同時期に新型ヤリスも発売されるので、どちらがトップ5に入るのか、両方入ればどちらが上になるかも注目されそうだ。

新型ノート(予想CG)。スライドドア&7人乗り仕様がラインナップされるとの情報もあるが、発売されればベスト5入り必至の人気車となりそうだ

 このほか次期型ノートも期待される。現行型の発売は2012年だから、e-POWERの追加によって堅調に売れているものの、今では走行安定性や乗り心地などの基本性能に古さを感じる。2020年にはプラットフォームを刷新して登場しそうだ。フィットのように空間効率を向上させ、3列目シートを備えた車種が設定される可能性もある。

 キックス、フィット、ノートは海外でも売られるが、日本の市場に適した商品だ。販売に力を入れれば、登録車のトップ5に入ることは可能だろう。さらに軽自動車を含めた国内総合販売ランキングの上位も狙って欲しい。

【画像ギャラリー】最新の登録車ベスト5とその販売台数は?

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