軽量化なしのボディに600psオーバーのターボ仕様エンジンを搭載
ナンバー付きのストリート仕様で目指すチューンド86の究極形!
「名匠“RSヤマモト”が手がけたBNR34ストリートスペック」心臓部は計算し尽くされた高耐久の2.8L化+GT2530ツインターボ仕様!
「残念! クリアさえ取れれば、9秒台は狙えた…」と、アタックを終えた蒲生尚弥選手が悔しがったのは、スクリーンが長い時間をかけて戦闘力を高めてきたトヨタ86改。12月12日に開催されたRH9走行会のなかで行われたタイムアタックでの話である。
この日、スクリーン86のベストタイムとして記録されたのは2分11秒911であったが、このタイムでも驚異的と言えるもの。高速サーキットの鈴鹿フルコースで、1000psクラスの日産GT-R勢に肩を並べるタイムを叩き出しているのである。ナンバー付きのストリート仕様としては、間違いなく最速だろう。
チューニング内容をチェックしていく。まず何と言っても注目なのはパワー系だ。FA20エンジンはHKS製ローコンプピストン、I断面コンロッド、ロングストローククランクを組み込んだ2.1L仕様で、ポートなど各部はスクリーンオリジナル加工が施されている。過給機はターボチャージャー仕様で、選択しているのはHKSのGTII8267という大風量タイプである。
ハイパワーに合わせて燃料系もポートインジェクターをHKSの555cc大容量タイプに、燃料ポンプも強化品に変更。ECUTEKによりメインコンピュータのプログラムを書き換えて、きめ細やかに制御しているのもポイントだ。最大ブースト1.5キロの設定で、最高出力602ps、最大トルク63kgmを叩き出している。
そしてエンジンルームでひときわ目を引くのが、ブルーに輝く謎のタンク。これはアメリカ製のアキュサンプというパーツで、油圧が設定以下になるとタンク内に蓄えられているエンジンオイルが圧縮エアの圧力で強制的にエンジン内へ供給される装置なのである。「ボクサーエンジンのFA20は、コーナリング時に一定以上のGを受けるとオイルの片寄りが発生してしまいます。メインとなる菅生サーキット、とくに最終コーナーでは非常に高い横Gがかかるので、エンジン保護のために装着しました」とスクリーンの千葉代表は説明してくれた。
ドライブトレインはミッションをホリンジャーの6速シーケンシャルタイプに変更。クラッチはORCのツインタイプ、LSDはクスコRSという組み合わせだ。室内はシートをホールド性の高いレカロRMSに変更する他、トラストのブースト、水温、油温、油圧計を装着。ストリート仕様のコンセプト通り、ドアパネルやフロアカーペット類は全て装備され、軽量化なしのほぼノーマル状態のため、車重は1300kgとなっている。
足回りは車高調がD2のスーパーレーシング3WAYで、装着スプリングのレートはフロントが16kg/mm、リヤが18kg/mm。その他、レボリューションの調整式スタビリンクやマルシェの補強パーツなどを投入する。
ブレーキもD2製でフロントには鍛造モノブロックの8ポット、リヤには4ポットキャリパーを装着して、コントローラブルかつ強力なストッピングパワーを獲得している。ホイール&タイヤは、ボルクレーシングTE37SL(9.5J×18+45)とアドバンA052(FR265/35R18)というセットだ。
ちなみに、アタッカーを務めた蒲生選手はこのマシンに乗るのは今回が初めてとのことだったが、それを全く感じさせない攻めた走りは、さすが現役のスーパーGTドライバーだ。
「600psもあるタイムアタックに絞り込んだマシンですが、しっかり下から使えるパワー特性ですごく扱いやすかったのが印象的でした。空力的パーツはかなり控えめなんですけど、そのぶん最高速が伸びます。足やボディのセッティングもあって不安感は全くありませんね。ベストタイムとなった2本目のアタックは、あえてタイヤウォーマーを使わなかったのが功を奏しました。コースが長い鈴鹿では、温めたタイヤだと途中でタレちゃうんです」と、アタックの状況を振り返ってくれた。
●取材協力:スクリーン TEL:022-348-3761
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