現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【これで解決!? 余計に混乱!???】紛らわしすぎる!! 同じ機能なのに名称が違う安全装備

ここから本文です

【これで解決!? 余計に混乱!???】紛らわしすぎる!! 同じ機能なのに名称が違う安全装備

掲載 更新 8
【これで解決!? 余計に混乱!???】紛らわしすぎる!! 同じ機能なのに名称が違う安全装備

 ひと昔前と現在ではクルマ選びも大きく変わってきています。その典型が安全装備で、今や安全装備はあって当たり前になってきている反面、どんな効果があるものなのか名前だけではわかりづらくなっている。

 充実しているからこそのぜいたくな悩みとも言えるが、一般ユーザーにとって非常に厄介なのが、同じ機能なのにメーカーによって名称が異なることが点だろう。

【東京オートサロンで世界初公開】新型ヤリス GR-4 緊急試乗!! 期待の新星は庶民派スポーツの救世主に!?

 規格を作って同じ名前に統一しようとする動きはあるがいっこうに進んでいない、というのが現状だ。

 アルファベットの略称は安全装備だけでなく今の世の中氾濫しているが、これを機に覚えよう!!

文:ベストカーWeb編集部/写真:TOYOTA、NISSAN、HONDA、MAZDA、SUBARU

【画像ギャラリー】注目安全装備を日本で初めて搭載したクルマ列伝

横滑り防止装置

横滑り防止装置が登場して雪道をはじめとする低μ路での走行安定性は格段に向上し、安全面で大きく貢献している

 横滑り防止装置は1995年にデビューした2代目トヨタクラウンマジェスタに日本車として初搭載された。

 滑りやすい路面やオーバースピードでコーナーに侵入した時など、車両の挙動が乱れた時にABS機能とトラクションコントロール機能を統合して車両を安定させる機能を持っているアクティブセーフティ技術のひとつだ。

 では問題です。以下に挙げるのはすべて横滑り防止装置の名称だが、どのメーカーが使っているでしょうか?

■VSA(Vehicle Stability Assist)
■ASC(Activ Stability Control )
■DSC(Dynamic Stability Control)
■VSC(Vehicle Stability Control)
■VDC(Vehicle Dynamics Control)
■ESP(Electronic Stability Program)

横滑り防止装置が装着されていると、コーナーにオーバースピードで侵入してしまった時でも車体の安定性を保ってくれる。ただし過信は禁物

 正解は国産メーカーに限定すると、VSAはホンダ、ASCは三菱、DSCはマツダ、VSCはトヨタ&ダイハツ、VDCは日産&スバル、ESPはスズキとなる。ダイハツはかつてDVCという独自の名称を使用していたが、現在はトヨタと同じVSCを使用している。

 同じ横滑り防止装置でもメーカーによって名称がバラバラで、すべて正解した人はかなりのクルマ通か業界人と思われる。

 輸入車もそれぞれが独自の名称を使っているので混乱に拍車をかけている。

 実はこの名称の乱立がユーザーを混乱させるといいうことを危惧して、ESC(Electronic Stability Control)の名称で統一しようという動きはあるが、遅々として進まず、今後も統一されることはないと思われる。

2018年2月より前にデビューしたモデルについては、横滑り防止装置が義務付けられていなかったため、中古車を購入する際は装着されているか要チェック

 横滑り防止装置は国交省が2010年12月に順次搭載を義務付けると発表し、2012年10月以降の新型車に義務付けられたのを皮切りに、2018年2月以降に生産された軽自動車が義務付けになって(トラック、バスなどは2017年2月以降)、2019年12月現在、発売されている乗用車はすべて装着されている。

 そういう点を考慮すると、2012年以前に生産されたクルマの場合は、購入時に装着されているかどうか要チェックだ。いろいろ似た略称があるなか、大変だが覚えておこう。

定速走行・車間距離制御装置

ACCは衝突被害軽減ブレーキとともに安全技術の花形選手だ。高速道路をクルージングする時などに使えるので一般の認知度もかなり高い

 衝突被害軽減ブレーキと並んで花形技術として急速に認知された安全装備が定速走行・車間距離制御装置だが、今やACC(アダプティブクルーズコントロール)という名称のほうがピンとくる人も多いはず。

 ACCは一定速度で走行が可能なクルーズコントロール機能に車間距離を一定に保つという機能が付加されたものだ。

 実はこのACCもメーカーによって以下のとおり異なる名称でカタログなどに表記されているから注意が必要だ。国産8メーカーのみピックアップ

■トヨタ&レクサス:レーダークルーズコントロール
■日産:プロパイロット
■ホンダ:ACC(アダプティブクルーズコントロール)
■マツダ:MRCC(マツダレーダークルーズコントロール)
■スバル:アイサイト
■三菱:e-Assist(イーアシスト)
■スズキ:アクティブクルーズコントロールシステム
■ダイハツ:ACC(アダプティブクルーズコントロール)

ACCは高速道路を走行中の疲労軽減に大きく貢献。疲労が少ないことはすなわち安全運転にもつながる。安全技術では最も身近な存在となっている(写真はアイサイト)

 汎用の名称であるACCを使っているのは国産メーカーではホンダとダイハツのみで、それぞれが独自の名称を使用している。

 カバーする速度域については、全車速域というのが主流になってきているが、購入時にチェックしておきたい。クルーズコントロールと付かない、プロパイロット、e-Assistを覚えておけばOK。ちなみにCCはクルーズコントロールと覚えておけば安心だ。

車線逸脱防止システム

車線をカメラで認識し、車線を逸脱しそうになると警告音で知らせるだけのタイプと、ステアリングをアシストしてくれるもがある

 車線逸脱防止システムも一般に認知されてきてて、ACCと併用することで高速道路を走行中の疲労軽減に大きく貢献している。

 この安全技術を世界で初めて商品化したのは日産で、2001年にデビューした4代目シーマだった。シーマに搭載されたものはレーンキープサポートシステムという名称で、CCDカメラで車線を認識し、ステアリングアクチュエータで操舵支援するというものだった。

 現在の車線逸脱防止システムも基本的には原理は同じだが、シーマが搭載した当時に比べると使える範囲が広くなり、精度も格段に進化している。

 今や軽自動車にまで装着されているのは当たり前だし、サポカーの項目にもなっているほど重要視されている。

 これまた国産メーカーがそれぞれ違う名称で自らの技術をアピールしている。

ACCと車線逸脱防止システムを併用することで安心・安全に高速道路を走行することができる。

■トヨタ&レクサス:LTA(レーントレーシングアシスト)
■日産:インテリジェントLI+LDI(車線逸脱警報)
■ホンダ:LKAS(車線維持支援システム)
■マツダ:LAS(レーンキープアシストシステム)
■スバル:特に名称なし(ステアリング制御:白線認識/先行者認識)
■三菱:LKA(レーンキープアシスト)
■スズキ:特に名称なし(車線逸脱防止機能)
■ダイハツ:LKC(レーンキープコントロール)

 特に名称がないのがスバル、スズキで、そのほかはこれまた独自の名称が使われている。

 ただ、略称の組み合わせなどがバラバラの横滑り防止装置と違って独自の名称のすべて頭にレーンを示すLが使われているのがポイント。そのあたりをヒントに覚えておこう。

まとめ

 横滑り防止装置をはじめ、安全装備は規格ありきで開発されたのではなく、それぞれのメーカーが独自に開発を進め、それぞれが商標登録したから名称がバラバラなのだ。

 どこのメーカーが開発してもターボ、4WDといった統一された名称がないのはそんな理由がある。

 今後もさらにいろいろな安全装備が登場、進化していくが、これまでどおり自動車メーカーがそれぞれ独自に名称を付けてアピールする、というスタンスは変わらないだろう。

 アルファベットの略語というだけで面倒と思わず、これもクルマの進化として覚えていくしかない。

【画像ギャラリー】注目安全装備を日本で初めて搭載したクルマ列伝

こんな記事も読まれています

300psオーバー「超進化型ハチロク」出るか?? GRヤリスエンジン+「チューニング対応」の新開発MT炸裂だ
300psオーバー「超進化型ハチロク」出るか?? GRヤリスエンジン+「チューニング対応」の新開発MT炸裂だ
ベストカーWeb
ツートンカラーのボディがかわいい! 車内もオシャレなトヨタ タウンエースがベースのキャンパー
ツートンカラーのボディがかわいい! 車内もオシャレなトヨタ タウンエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
ええ、セダンなのに6人乗り?!  しかも超絶未来っぽいやん内装!!  アメリカからやってきたプロナードがイカす
ええ、セダンなのに6人乗り?!  しかも超絶未来っぽいやん内装!!  アメリカからやってきたプロナードがイカす
ベストカーWeb
モビリティリゾートもてぎに働くクルマが大集合!白バイやパトカーのパレードランも開催!
モビリティリゾートもてぎに働くクルマが大集合!白バイやパトカーのパレードランも開催!
グーネット
アルトの元祖は商用車?! 軽にインタークーラー付ターボ・チャージャーはイカツイて! 茨の道をパワーで突き抜けた「漢」初代アルトワークス
アルトの元祖は商用車?! 軽にインタークーラー付ターボ・チャージャーはイカツイて! 茨の道をパワーで突き抜けた「漢」初代アルトワークス
ベストカーWeb
シビックを着る!歴代12モデルをデザイン、ホンダ公認Tシャツ新登場 キャムショップ
シビックを着る!歴代12モデルをデザイン、ホンダ公認Tシャツ新登場 キャムショップ
グーネット
車の電動化はどこまで加速する? 専門家に聞く、自動車業界のイマとミライ【前編】
車の電動化はどこまで加速する? 専門家に聞く、自動車業界のイマとミライ【前編】
グーネット
MeiMei 新キャンピングカーブランド「ノマドラックス」などデザイン車両6台を一挙展示
MeiMei 新キャンピングカーブランド「ノマドラックス」などデザイン車両6台を一挙展示
グーネット
スズキ 軽トラック「キャリイ」シリーズ 一部仕様変更 安全性能強化など
スズキ 軽トラック「キャリイ」シリーズ 一部仕様変更 安全性能強化など
グーネット
スマホ連携でアプリが使える!ディスプレイオーディオ登場!ワンセグ搭載モデルも【動画あり】
スマホ連携でアプリが使える!ディスプレイオーディオ登場!ワンセグ搭載モデルも【動画あり】
グーネット
自動車整備士不足に新たな一手。独マイスター制度採用の育成プログラムに注目。
自動車整備士不足に新たな一手。独マイスター制度採用の育成プログラムに注目。
グーネット
井戸田潤が初代NSXに出会った!和製スーパーカーに一同ホレボレ!
井戸田潤が初代NSXに出会った!和製スーパーカーに一同ホレボレ!
グーネット
続報 マジで歴史的英断か!? 東海道新幹線に個室座席新設で1323席のルールが破られるのか?
続報 マジで歴史的英断か!? 東海道新幹線に個室座席新設で1323席のルールが破られるのか?
ベストカーWeb
もしや未来のレジェンドか!?!? 次世代電気自動車「Honda0(ゼロ)シリーズ」が衝撃 しかもほぼそのまま市販モデルになるってマジか
もしや未来のレジェンドか!?!? 次世代電気自動車「Honda0(ゼロ)シリーズ」が衝撃 しかもほぼそのまま市販モデルになるってマジか
ベストカーWeb
ガルウイングにした本当の理由は? AMG初の独自開発「SLS AMG」はメルセデス・ベンツ「300SL」の再来でした
ガルウイングにした本当の理由は? AMG初の独自開発「SLS AMG」はメルセデス・ベンツ「300SL」の再来でした
Auto Messe Web
RB、アイウェアブランド『HUGO Eyewear』とのパートナーシップ締結を発表
RB、アイウェアブランド『HUGO Eyewear』とのパートナーシップ締結を発表
AUTOSPORT web
「見た目」にビビなら買い! 日産ジューク・ハイブリッドへ試乗 内装とデジタル技術をアップデート
「見た目」にビビなら買い! 日産ジューク・ハイブリッドへ試乗 内装とデジタル技術をアップデート
AUTOCAR JAPAN
フォーミュラEが面白い! 日産とシェルの関係や過去のシーズンを知って、今期後半をもっと楽しもう
フォーミュラEが面白い! 日産とシェルの関係や過去のシーズンを知って、今期後半をもっと楽しもう
Auto Messe Web

みんなのコメント

8件
  • 4WDは統一された名称?
    AWDはベツモノですか…
  • ごめん、車と全然違う話なんだけど・・・・・

    もう30年以上前、初めて大阪に出張で行ったとき、新幹線で新大阪について、御堂筋線に乗り換えて『大阪』を目指した。
    看板には『大阪方面』って書いてあるし、間違いないと思って乗って行ったら、車掌は「次は『梅田』」と言うんで焦った、
    「えっ、『新大阪』から3つ目って言われて乗ったけど、これ『大阪』に行かないの?電車間違えた?」。
    近くの乗客に「大阪に行きたいんですが?」と聞くと「ここですわ」と言われて降りたからよかったけど、気づかず『大阪』というアナウンスだけを頼りに乗っていたら、『なかもず』まで行ってしまったかもしれない!?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

642.6715.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

32.0461.6万円

中古車を検索
クラウンマジェスタの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

642.6715.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

32.0461.6万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村