新型BMW1シリーズの日本発売と前後して、アウディA1の新型も日本で発売開始された。アウディブランドとしては最小の乗用車で、A1スポーツバックとしては2代目のモデルになる。表現を変えると、フォルクスワーゲンの6代目ポロと基本同じプラットフォームを使ったアウディ版、ともいえる。
日本仕様のA1スポーツバック、ボディサイズは全長4040×全幅1740 ×全高1435mm、ホイールベース2560mmで、先代A1と比べて全長は55mm長く、全幅は不変、ホイールベースは95mm伸びている。一方、現行の6代目ポロと比べると全長が20mm、全幅が10mm小さく、全高は15mm低いというもので、なぜかホイールベースはポロより10mm長い。いわゆるBセグメントの平均的な大きさ、というところか。
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アウディ A1 スポーツバック 35 TFSI アドバンス|Audi A1 Sportback 35 TFSI advanced
2010年に初代モデルが登場し、今回2世代目へと進化したA1。初代は丸みを帯びたデザインだったが、2代目になりデザインはシャープに。他のラインナップに近づいた。
車種構成の違いは基本パワーユニットの違いによるもので、ベーシックな25が1ℓ3気筒ターボ、30がその1ℓ3気筒ターボの高性能版、最上級の35が1.5ℓ4気筒ターボを搭載する。今回、日本に導入されたのは35のみで、ベーシックな25は2020年に導入されるという。
アウディ A1 スポーツバック 35 TFSI アドバンス|Audi A1 Sportback 35 TFSI advanced
MQB A0と言われるプラットフォームを採用するA1。Cピラーのデザインは名車スポーツクワトロをオマージュしているという。ボディサイズは全幅以外は拡大されているが、最小回転半径はプラス0.1mとほぼ変わりなし。
35 TFSIシリーズには、標準的モデルのadvancedと、全体にスポーティ方向に振ったS lineの2モデルがあり、プライスは前者が365万円、後者が391万円。日本導入記念の1st editionは250台限定で、443万円のプライスタグがつく。
今回、箱根ターンパイクを中心に試乗したのは、35 TFSI advancedで、前記のように車両本体価格は365万円だが、ナビゲーションパッケージ、アシスタンスパッケージ、コンビニエンスパッケージ、B&O 3Dサウンドシステムなど多彩なオプションを装着した試乗車のプライスは、476万円に達していた。
アウディ A1 スポーツバック 35 TFSI アドバンス|Audi A1 Sportback 35 TFSI advanced
今回の大きな変更点のひとつがインフォテインメントシステム。バーチャルコクピットを採用し、一気に近代的に。各部の仕上げもエントリーモデルながら非常にクオリティが高い。
アウディらしいシャープなデザインが魅力それはともかくとして、ニューA1スポーツバックの魅力のひとつはそのスタイリングにあると、僕は思った。近年のアウディのグリルとその左右のエアスクープ風デザインを組み合わせ、かつてのスポーツクワトロのイメージも採り入れたというフロントは、ちょっとやり過ぎの感があるかもしれない。
アウディ A1 スポーツバック 35 TFSI アドバンス|Audi A1 Sportback 35 TFSI advanced インテリアの他の部分と同様に、ドライバーズシートもスポーティなデザインが施されている。けれども、FWD=前輪駆動ながら、フロントオーバーハングの長さを感じさせず、適度なウェッジシェイプを見せるシャープなフェンダーラインと、美しいカーブを描くルーフラインの組み合わせによるバランスの採れたサイドビューは、新しいA1スポーツバックをすこぶる魅力的に感じさせる。
シトロエンC3が採り入れて以来か、Bセグメントカーの多くに見られるようになった2トーンカラーのルーフも、このサイドビューによくマッチしている。テールランプがやや主張過多に思えるが、リアビューも今どきのアウディらしい。
アウディ A1 スポーツバック 35 TFSI アドバンス|Audi A1 Sportback 35 TFSI advanced
スペースが拡大した後席。コンパクトハッチバックということを考えれば、レッグスペース、ヘッドクリアランスなども十分に実用的だろう。
インテリアもエクステリアにマッチしたシャープなデザインが施され、液晶ディスプレイを持つメーターパネルの外周カバーや、ダッシュボード、ドア内張り、ドアハンドル、シート等々、大半が直線的でスクエアなデザインで統一されている。
アウディ A1 スポーツバック 35 TFSI アドバンス|Audi A1 Sportback 35 TFSI advanced
先代よりも65ℓも拡大して実用性が高まった荷室。後席は60:40の可倒式でシートアレンジを使いこなせば日常生活に支障がでることはないだろう。
居住空間は当然、先代より広くなっている。リアシートも特に広いという印象はないものの、身長170cmの当方のドライビングポジションの後ろに座っても、膝とフロントシートのあいだには不足のない空間が確保される。先代より65ℓ広くなったというラゲッジスペースも、スクエアで使い易そうだ。
ワインディングよりも街中で輝くクルマ走り出すと、硬すぎず柔らかすぎずの、中庸を得た乗り味のクルマという印象をうける。乗心地しかり、ハンドリングの印象しかりで、不快なところもない代わりに、スタイリングのイメージから想像するようなシャープな感覚も特に感じられない、というのが正直なところだった。
アウディ A1 スポーツバック 35 TFSI アドバンス|Audi A1 Sportback 35 TFSI advanced 7段DCTのセレクトレバー。したがって、もっとシャープなドライビング感覚を望むのであれば、advancedではなく、よりハードなサスペンションを装備したS lineを選ぶ手があると思う。今回A1のそれに乗るチャンスはなかったが、アウディの他のモデルの経験ではS lineは乗り心地が明らかに硬くなる傾向があったことを、つけ加えておこう。
前記のように、35モデルのエンジンは1.5ℓ 4気筒ターボで、150psのパワーと25.5kgmのトルクを発生する。日本仕様の車重は試乗の時点では未公表だったが、7段DCTを介しての動力性能は充分なもので、ターンパイクの急坂もいいペースで駆け上がっていく。
アウディ A1 スポーツバック 35 TFSI アドバンス|Audi A1 Sportback 35 TFSI advanced
他の車種ではお馴染みになったバーチャルコクピット。メーター、ナビ画面、各種情報など、任意で好みの表示に切り替えることができる。
ただしこのエンジンも回転感は比較的マイルドな印象で、レスポンスの鋭さとか高回転域での盛り上がりとかを、鮮烈に印象づけることはなかった。実力は充分にあるが、あまり自己主張をしない、堅実な動力発生装置という印象なのだ。と同時に7段DCTは、スムーズに変速をこなしてくれる。
つまりニューA1スポーツバック、TVCMで謳っているように、人生の楽しさをすべて味わい尽くしたい若年層のための、コンパクトでスタイリッシュな足にはぴったりのクルマだろうと思った。ただその一方で、ドライビング自体を愉しもうとすると、今回試乗したモデルでは少し物足りないというのが正直なところだ。
したがって、A1スポーツバックのドライビングの愉しさを極めるためには、S lineのような別のバリエーションや、異なる排気量、異なる仕様のエンジンを搭載したモデルを、すべて経験してみる必要があるだろうと思った。
アウディ A1 スポーツバック 35 TFSI アドバンス|Audi A1 Sportback 35 TFSI advanced
まず日本で発売されるのは4気筒1497ccの35。150ps、25.5kgmというスペックはアドバンス、Sラインという2つのグレードとも共通。
文・吉田 匠 写真・柳田由人 編集・iconic
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とにかく高過ぎる