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新型カローラ「W×B」のシートに採用される「レザテック」ってどんなもの?

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新型カローラ「W×B」のシートに採用される「レザテック」ってどんなもの?

クルマにまつわる名称で、突然見聞きしてもイメージできないものがある。クルマに限った話ではないけれど……。

2019年9月にフルモデルチェンジを実施したカローラ。サイズも中身も大きく進化しての登場が話題となった。この新型カローラの上級グレード「W×B」にはスポーティシートが装備されているのだが、シート表皮の素材が標準のファブリックシートに対して”合成皮革+レザテック”を採用。より上質感のある仕立てとなっているのだが。

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はて、”レザテック”とはどういったものなのだろうか? 製品カタログには次のような説明がある。

「ファブリックの快適性と革の質感を併せ持つレザテックと合成皮革のコンビネーション。上質でスポーティな雰囲気を醸し出します」

レザー調の何かという感じか? なら、合成皮革でもよいのではないか? 合成皮革+合成皮革となってしまうが……。

革に似せてつくられた人造皮革には、合成皮革と人工皮革がある。合成皮革は布地をベースに合成樹脂を塗布したもの。人工皮革は不織布に合成樹脂をしみ込ませてそのまま使用したもの、あるいは表面にさらに合成樹脂を塗布したものがある。おもに合成皮革は本革のつるっとした見た目を再現したものに用いられ、人工皮革は表面を起毛させた、いわゆるスウェード調素材として用いられることが多いようだ。どちらにしても素材の裏側を見ればすぐにこの違いはわかりそうだが、実際にシート表皮を取り外すのはなかなか難しい。

ちなみにレザテックは「REZATEC」というセーレンの登録商標である。レザー調だから”Leather”を想起させるかと思いきやそうでもない。なんとも新素材感たっぷりの名称である。

見ても触れてもわからない「レザテック」について、トヨタ広報部に聞くと、

「織物に合皮の質感を付与したものです。ファブリックと革の質感を融合させたシート表皮で、スポーティなイメージを訴求するため使用しています。」

との回答。基本はファブリック(織物)で、その上に合成樹脂を塗布したものであることが確認できた。「レザテック」をよ~く見てみると、確かに織物状な部位が見て取れる。加えて、合成皮革らしい質感の部分が盛り上がっている。実際に座ってみると、柔らかな座り心地でズレにくく、張りのある革系のシートとは違ったもので、ファブリックシートに近い。でも見た目は革っぽい風合いである。何とも表現がしにくいが、トヨタの説明のとおりの織物と合成皮革の融合素材なのである。

じつは先代でも採用していた!

トヨタからの回答には、もうひと言加えられていた。

「レザテック自体は従来のW×Bのマイナーチェンジから使っていますが、今回はベースの織物から新開発しました。」

先代モデルですでに採用されていたのだ。ということで、先代モデルのカタログを引っ張り出して見てみると、W×Bのブラックシートに「ファブリック×合皮」とある。こちらの場合は、背もたれと座面にファブリックを使用し、サイドサポートなどに合皮素材を使用している。そしてファブリックの腰部と座面の縞々部分が件のレザテック素材だったのだ(レザテックという文字は見当たらなかったが……)。合成皮革というよりも、どちらかというとファブリック寄りの表現にも取れる。

新型カローラでは、さらにそれを進化させた新開発品を投入。今回のW×Bに採用されたシート表皮は大部分が合成皮革で、背面と座面、そしてサイドサポートの一部にレザテックが採用されている。どちらも合成皮革(的)ではあるが、素材の違いを明確にするために”レザテック”をあえて強調したということか。

シート全体で見るとほぼほぼ合成皮革素材ではあるが、一部にファブリック素材が露出しているので、多量の水などをこぼすとしみ込んでしまいそうではある。だから、シートの扱いや清掃などは、「合成皮革とファブリックのコンビシート」と同様の扱いのほうがよさそうだ。

<文=編集部>

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