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2桁ナンバー物語 Vol.2 品川35のアルピナB8 4.6 リムジン(前編)

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2桁ナンバー物語 Vol.2 品川35のアルピナB8 4.6 リムジン(前編)

「これほど自分の理想にピタッとはまったクルマはないかもしれません。だから20年以上所有し続けているのかもしれません」と、話すのは“品川35”のアルピナ「B8 4.6 リムジン」(1998年式)を新車から所有し続ける張建中さん。

しかも、B8 4.6 リムジンは2台目という。「1996年に1台目のB8 4.6リムジンを購入したものの、もらい事故に遭ってしまい全損してしまいました」とのこと。

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アルピナ「B8 4.6 リムジン」は、3代目のBMW 3シリーズ(E36)に、本来3シリーズには設定のない4.6リッターV型8気筒エンジンを搭載したモデル。にもかかわらず、B8 4.6 リムジンを再購入したのは「ボディサイズ、搭載するエンジン、走行性能……あらゆる面が気に入っていたからです。かつてはさまざまな新車をとっかえ・ひっかえ乗っていましたが、B8 4.6リムジンに出会ってから“新車病”もおさまりました(笑)」

B8 4.6リムジンは、3代目のBMW「3シリーズ(E36)」に、最高出力340psを発揮する4.6リッターV型8気筒エンジンを搭載したハイパフォーマンス・セダン。駆動方式は当然、後輪駆動のみ。ちなみに、量産車の歴代3シリーズにV型8気筒エンジンを搭載した初のモデルだ。

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搭載する4.6リッターV型8気筒エンジンは、最高出力340ps/5700rpm、最大トルク480Nm/3900rpmを発揮する。張さんのB8 4.6リムジンには、ほかのクルマと異なる部分がいくつかある。ひとつはボディ・カラー。カタログには設定のない「M3(E36)」用のダカール・イエローなのだ。

「B8 4.6リムジンのまえはE36のM3に乗っていたのですが、そのM3のボディ・カラーがダカール・イエローでした。ほとんどのB8 4.6リムジンがアルピナ・ブルーだったので、『人とは違うボディ・カラーがいいな…』と、思い、お願いしたんです」

1993年に登場した2代目M3。前期は3.0リッター、後期は3.2リッターの直列6気筒DOHCエンジンを搭載。UWE@FISCHER購入先ディーラーのニコル・オートモビルズの担当者、須田さんからは「くれぐれもキャンセルしないでください!」と、念を押されたという。さらに、ドアミラーもM3(E36)用に換装されている。

「こっちのほうがかっこいいでしょ? 当時はアルピナもBMWも寛容で、リクエストに色々と応じてくれました。今は難しいようですが」

ドアミラーは、M3(E36)のものに換装。自分流にカスタマイズ「とりあえず、乗ってみませんか?」と張さんがおっしゃるので、助手席のドアをあけた。

インテリアは、20年以上前のクルマとは思えないほど美しい。当時オプションだったレカロ社製電動シートもヤレがない。E36ではネックになるという、エアコンも問題なく機能している。

【2桁ナンバー物語 Vol.1 春日部33のブガッティ EB110 前編/後編】

オーディオとセンターコンソールのウッドパネル以外は、新車時のままである。フロント・シートは当時オプションだったレカロ社製(電動調整式)。ただし、オーディオは純正ではなくBluetooth対応の最新機器に換装されている。

「普段乗るとき、スマートフォンのナビゲーション・アプリを使うシーンもあるので、換装しました。純正にこだわりはありませんし、こちらのほうが便利ですから」

ほかにも、インパネ下部のウッドパネルは、ウッドのひび割れを防ぐべく、特注のウッド調パネルに換装されている。

「ウッドパネルにヒビが入ると、交換に多額の費用を要するので換装しています。やはり長く乗るためには維持費も考えなくてはいけませんし、なによりストレスを増やしたくないですので」

リアシートはほとんど使われた形跡がない。張さんはほかにもいくつかクルマを所有されている。B8 4.6リムジン以外に、鮮やかなオレンジのボディカラー(特注色:ファイアーオレンジ)の「B4 S ビ・ターボ クーペ」やBMW「Z1」、フィアット「500」などが主なところ。

「多くのクルマを所有していますから、維持費は重要です。やはりさまざまなクルマを楽しむためには、維持費をいかに抑えるか? 考えなくてはなりません。もっとも自分でも趣味も兼ねて整備をするので、おのずと維持費は抑えられるのですが(笑)」

張さんの普段の足はアルピナの限定モデル「B4 S ビ・ターボ クーペ」。BMW「Z1」も長年所有している1台。灯火類の交換はもちろんのこと、なんとボディ・コーティングも自らおこなうという。「時間は要しますが、愛車ですから苦になりませんよ」と、張さんは笑顔で話す。ちなみに、日々の洗車も自らの手でおこなうという。

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使い倒してこそのアルピナエンジンを掛けると、フロントに搭載するV8エンジンが瞬時に目覚める。張さんは「機関は好調です」と、話す。さぞや普段から徹底的に整備しているのかと思いきや、「1年ごとに点検を受けているぐらいですよ。あとは、走行距離にかかわらず年に1~2回、オイルを交換しています」とのこと。

ちなみに普段の整備は、購入したニコル・オートモビルズではなく、新潟県湯沢町にある「上原自動車工業」に依頼しているという。

「B8 4.6リムジンほど自分の理想にぴったりな1台はないですね」と、話す張さん。「普段住んでいる都内のマンションは、駐車場の台数が限られるため、別宅のある湯沢に(B8 4.6リムジンは)置いています。上原自動車工業は別宅近くにあるのですが、アルピナを含むあらゆるクルマの整備をおこなってくれます」

整備に要する費用を訊くと「それほど高価ではないですよ」とのこと。

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「悪路走破性と実用性を考えるとデリカ スペースギアが最高ですね」と、話す張さんは、デリカ スペースギアを2台乗り継いでいるという。張さんの趣味はクルマ以外にはスキーもあるという。冬季は湯沢町の別宅をベースにスキーを楽しむ。その際の足として保有するのが三菱自動車の「デリカ」だ。しかも、現行ではなく1994年から2007年まで販売された「デリカ スペースギア」。2台乗り継いだという。

「悪路走破性は今なお相当優れていますからね。スキーやスキューバ・ダイビングなどのレジャーに重宝しています。ちなみに、1台目は約30万km走破したものの錆によるダメージが大きくなり買い換えました。いま所有しているのは2台目で、走行距離は約18万km。雪国向けの特別な防錆処理(約10万円)を施しています。現行のD:5は気になりますかって? あまり興味はないですね……もし、D:5にプラグ・イン・ハイブリッド(PHV)モデルが設定されれば購入するかもしれません。電動モデルには興味がありますので」

ラゲッジスペースはもとになる3シリーズとほぼ変わらない。実用性の高さもB8 4.6リムジンの魅力である。B8 4.6リムジンとデリカ スペースギアの組み合わせはなんとも不思議だ。が、張さんは「クルマは乗らないと意味がないですから」と、話す。張さんは、どんなクルマも“実用品”と考えているのだ。ゆえに、B8 4.6リムジンもデリカ スペースギアも使い倒している。もちろん、用途は異なるが。

「B8 4.6リムジンは、走りを楽しむために普段から乗っています。年に1回は、ドライブ旅行で長距離を走りますよ」

取材時の走行距離は9万313kmだった。メーターパネルの走行距離計は約9万kmだった。したがって、年間の走行距離は平均4000~5000km。複数台クルマを所有するユーザーとしてはそれなりに距離を走っているほうである。

張さんにとってB8 4.6リムジンは、決してコレクターズ・アイテムではなく、あくまで走りを楽しむための“足”であることが、走行距離からもよくわかるのであった(後編に続く)。

文・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.)

【2桁ナンバー物語 Vol.1 春日部33のブガッティ EB110 前編/後編】

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