1980年代のクルマといえば、ハイソカー、街道レーサー、そしてボーイズレーサーが人気を博していた。この連載では、ボーイズレーサーと呼ばれた高性能でコンパクトなハッチバックやクーペたちを紹介していこう。今回は「サニー RZ-1 ツインカムNISMO(EB12)」だ。
日産 サニー RZ-1 ツインカムNISMO(EB12型・1986年8月発売)
1979年(昭和54年)12月にセドリック/グロリアで国産初のターボチャージャー装着車を世に送り出して以来、日産は続々とターボ車をカタログにラインアップして、フルラインターボを狙っていた。
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だが、1980年代も後半に入ると、この連載で紹介しているような「ボーイズレーサー」たちの属する1.6Lクラスでは、トヨタの4A-G型やホンダのZC型など、DOHC(ツインカム)エンジンがターボに代わって台頭するようになってくる。日産としても、この流れに対応せざるを得なくなり、ようやく1986年(昭和61年)にCA16DE型エンジンを投入した。
CA16DEは、日産のFF車用エンジンとしては初めてのDOHCだった。気筒あたり4バルブのヘッドやNICS(可変吸気システム)、NDIS(電子ダイレクト点火システム)、新ECCS(電子式エンジン集中制御システム)などの最新技術が投入され、EGI(電子制御燃料噴射)と10.0の高圧縮比により、従来の1.5Lターボより20ps強力な、最高出力120ps/6400rpmと最大トルク14.0kgm/5200rpmを発生している。
さらに、急なスロットル操作に対する加速増量プログラムや、ロングストローク(ボア78.0×ストローク83.6mm)による低速域トルク特性に自信を持つ日産は「低速から高速までの全域でハイパワーを発揮する」と、速さと乗りやすさを訴求した。
ここで紹介しているサニー RZ-1は1986年2月、B12型「トラッドサニー」のクーペモデルとして追加設定された。基本コンポーネンツはセダンやハッチバックと共通だが、スラントしたフロントマスクやサイドまで回り込んだ大きなガラスハッチなど、独特のスタイルが特徴的な3ドアクーペだ。デビュー当初のトップグレードは1.5Lターボだったが、同年8月にCA16DE型を搭載したツインカムシリーズが追加される。
しかし130~135psの最高出力を発生するライバル勢のDOHCエンジンに対して、後発なのに120psしか発生していないのでは説得力に欠ける。サスペンションもタイプBにアジャスタブルショックアブソーバーを装備したり、ハードに締め上げたNISMOを設定するものの、基本はベース車のセダンやハッチバックと共用だから、最初からスポーツを狙ったAE86レビンやワンダーシビック Siよりグンとマイルドな走りに終始した。
Cd値=0.30の空力特性に優れたクーペボディや4輪ディスクブレーキ、185/60R14サイズのBSポテンザタイヤなど魅力的な仕様を持つが、性格はスポーツというよりはスペシャリティに近いものだった。
日産 サニーRZ-1 ツインカムNISMO(1986年)主要諸元
●全長×全幅×全高:4230×1665×1335mm
●ホイールベース:2430mm
●重量:1050kg
●エンジン型式・種類:CA16DE型・直4 DOHC
●排気量:1598cc
●最高出力:120ps/6400rpm
●最大トルク:14.0kgm/5200rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:185/60R14
●価格:173万円
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