長距離ドライブの疲れを大幅軽減する工夫
最新の安全装備や運転支援のメカニズムだけじゃなく、運転するドライバーの環境にも配慮しているのがISUZUの大型トラック『GIGA』だ。東京モーターショー2019に参考出品し、大きな反響を呼んだ先進モデルの全貌を紹介しよう。
大型トラックも自動運転化へ! 三菱ふそう『スーパーグレート』レベル2の運転支援技術を搭載
日本の物流を支える大型トラック。東京モーターショー2019では、各メーカーから技術の粋を詰め込んだニューモデル、またはコンセプトモデルが出展された。ISUZUが送り込んだのはフラッグシップの『GIGA』。最先端の安全メカニズムを搭載するのは当然ながら、ドライバーの快適な環境にもこだわった人に優しいモデルとなっていた。
まず、安全装備で面白いのは『可変配光型LEDヘッドライト』。ステアリング操作に合わせて車両の向きが変わるのを予測し、ヘッドライトの照射角度を自動で変更するだけじゃなく、ハイビーム時は前方を走る車両が眩しいと感じる光源を自動的に消灯。周囲のクルマに配慮しつつ夜間の視認性をスポイルしない、画期的なヘッドライトのメカニズムといえるだろう。
また『ブラインドスポットモニター』は4つのミリ波レーダーで他車の動きを感知し、自車の存在をアピールし車線変更の支援や巻き込み事故を防ぐ装置。感知能力は大きく向上し、自転車のサイズでも認識できるようになった。さらに、室内においてはピラーに装着したカメラがドライバーの顔を認識し、目を閉じたり長時間にわたって横を向いていると注意喚起し、居眠りやよそ見に起因する事故を防いでくれるなど、さらに安全性も高まった。
続いて快適装備をチェックしてみたい。まずはロールーフに比べ724mmも高くなった新設計のルーフにより、余裕ある頭上スペースは圧迫感がなく収納スペースも向上。車内で仮眠する機会が多い大型トラックの居住性を高めることは、ドライバーの疲労やストレス軽減とそれに伴う事故の予防に直結する。ハイルーフ化したにもかかわらず、地上からの高さは3.8mに抑えているのもポイントだ。
もうひとつは日本よりも長距離を走ることを想定した、海外のトラックで採用されることが多い『イスリー』のシート。トラックシート界のレカロとも言われ、高品質なクッションやポジションを細かく調整できるほか、内部にファンを埋め込み送風/温風を切り替えることができ、かつ風量もコントロール可能と至れり尽くせり。このシートは次期型のターボエンジンを搭載したモデルから、標準装備にする方向で検討中というから期待したい。
最後に『GIGA』以外の出展車両をいくつか紹介する。サメをモチーフにした近未来的なデザインを採用し、快適な操作性と居住性を両立したコンセプトモデル『FLIR(フューチャー・ロジスティクス・インテリジェント・リレー)』。
また、日野と共同開発した国産では初めてとなるハイブリッド連接バス『ERGA・DUO』。
配送や集荷の効率化を高めた小型トラック『エルフEV ウォークスルーバン』など、いずれも魅力的なモデルが勢ぞろいし注目を浴びた。
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