■クルマを置いて避難するときに鍵を付けて避難するべき理由とは
日本は世界でも有数の地震大国です。2017年は2025回、2018年は2179回もの地震があり、そのうち震度5を超える大きな地震はそれぞれ8回、11回を数えます。また、東日本大震災をはじめとした巨大地震も記憶に新しいところです。
日本で暮らす以上、地震と無縁でいることはできず、それは運転中においても例外ではありません。それではいったい、走行中に大地震が発生したらどうすればいいのでしょうか。
運転中に大地震が起きた際の行動指針について、警察庁は「交通の方法に関する教則(国家公安委員会告示)」をウェブサイトで公開し、次のように説明しています。
「急ハンドル、急ブレーキを避けるなど、できるだけ安全な方法により道路の左側に停止させること。停止後は、カーラジオ等により地震情報や交通情報を聞き、その情報や周囲の状況に応じて行動すること」
急ハンドルや急ブレーキは、予想外の事故を引き起こすことにつながりかねません。二次災害を防ぐためにも、慌てず冷静に停車することが重要とされています。
ちなみに、消防庁の防災マニュアルではより詳細に、ハンドルをしっかり握り前後のクルマに注意しながら、徐々にスピードを落とすように記されています。
実際に東日本大震災の発生時にクルマを運転していたドライバーに話を聞いたところ、「クルマはもちろん道路沿いの看板や電柱が大きく揺れ、恐怖を感じ慌てて左に寄せて停めました。それでも普通に走っているクルマも多く、とても危険な状況でした」といいます。
地震のあと、引き続き運転をする場合には道路の損壊、信号機の作動停止、道路上の障害物などに気をつけるよう、警察庁は注意喚起をしています。
※ ※ ※
地震が発生した後に、クルマを置いて避難することが必要となった場合には、エンジンを止めキーをつけたまま、ドアロックはせずに窓を閉めることが重要です。クルマを置く場所は「できるだけ道路外」が望ましく、やむを得ず道路上に置いて避難するときは、道路の左側に駐車します。
ちなみに、ドアをロックせずにキーをつけたままにするのは、消防や警察などが置かれたクルマを移動できるようにするためで、窓を閉めるのは車内への引火予防と盗難への対策です。
消防庁の防災マニュアルでは、連絡先を見えるところに書き、車検証などの貴重品は持ち歩くよう付記されています。
なお、避難にクルマを使うことは原則として禁止されています。「交通の方法に関する教則」では、かつてはあらゆるケースで「避難のために車を使用しないこと」とされていましたが、東日本大震災での実状を受けて2012年に「津波から避難するためやむを得ない場合を除き、避難のためにクルマを使用しないこと」へと改正されました。
そして、津波から避難するためやむを得ずクルマを使用するときは、地震後に引き続き運転する場合と同様に、「道路の損壊、信号機の作動、停止、道路上の障害物などに十分注意しながら運転すること」と呼びかけています。
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走行中のクルマは少なからず振動があり、小さい地震では揺れを感じられないことがほとんどです。逆にいえば、運転中に体感できる規模の揺れは、大地震の可能性があります。
少しでも普段と違う揺れを感じたら、大丈夫と過信をせず、まずクルマを安全な場所に停めるように心がけましょう。
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