2か月ほど前、2000年代に日産を支えた名ブランド キューブが生産終了というショッキングなニュースが流れた。
代わりとなる新型車の登場のウワサも聞こえて来ず、また、筆者が個人的に期待していた新型ジュークの国内向け発表などもない。
【ついに日産ジューク 年内生産終了決定!!】後継SUV 来年に日本上陸!!!
この状況を、内部にいる日産社員はどう感じているのだろうか。元日産社員である筆者が、東京モーターショーの会場で出会ったとある担当者に話を伺った。
文:吉川賢一、写真:日産、ベストカー編集部
【画像ギャラリー】2019年を日産新型車と海外仕様車で振り返る!
日産社員もブランド消滅について悲しんでいる
担当「やっぱり、うちの会社って車出してないなって印象強いですか? 」
筆者「その通りです。特に日本市場ですね。なぜ日本に新型ジュークを出さないの? 何でキューブも止めちゃうの? って疑問だらけです。」
生産終了した日産キューブ
担当「そうですよね。次はこれが来た! あれが来る! という展開ではないのですよね。」
筆者「消えていくクルマが多く、モデルチェンジするクルマが少なくて、寂しく感じます。」
担当「バックグランドを取り除いて事実だけを並べていくと、国内には新車が出てない、日本を市場大事にしていないって見えてもしょうがないですね。
ただ、タイミングが悪いということもあるのです。バイオリズムの様に、今後は徐々に日本向けの車が増えていきます。計画はあるので、しばらく待っていてほしいと言うしかありません。」
筆者「もともと私も日産にいた人間ですから、何もしていないわけじゃないというのも分かりますし、日本で出していなくても海外ではしっかりと良いクルマを出しているという事情も分かっています。
また、いいクルマを作りたい! って気持ちは皆が持っているけれど、でもなぜか、プロジェクトが動かないというのも、筆者は過去に経験して分かっています。
ただ、残念ながらそうした真実は、外に伝わらないですからね。」
日産のコンパクトカーのミライとは?
筆者「私は、キューブをEVにすればいいんじゃないの?とずっと思っていました。」
Z11型キューブをベースにした電気自動車実験車両
担当「いいアイディアですね!私もそう思います。EV開発初期の頃、メディア向けに公開したテストカーは、Z11型キューブがベースでした。あのコンセプト、とてもマッチしていると思っていました。」
筆者「そうした良い素材のクルマが減ってしまうのは大変残念です。マーチにも危機が迫っていると聞きました。海外で売られている現行マイクラには右ハンドル仕様もありますよね?
つまり設計図はあるのですから、追浜工場を活用して、マーチを続けてほしいと思うのですが…。」
マイクラ( 海外市場向けのマーチ)
担当「その売るためのプロセスもタダではないので、その投資をよしとするかは経営判断ですからね。「出したい」という気持ちだけではビジネスは成り立ちませんから。」
筆者「ですが、小さなクルマをしっかり売っていかないと難しいと思います。いつまでもノートe-POWER・セレナe-POWER特需が続くはずはないですし、新型フィットや新型ヤリスなど、ライバルは次々と新型に移っていきます。」
2019年マイナーチェンジしたセレナe-POWER
担当「確かにその通りですね。」
筆者「デイズや、ノートe-POWERが好きではない方にむけたクルマがほしいです。
コンパクトをもう一台ラインナップに加えていただきたいです。まあ、日産さんにもいろいろ戦略があるのでしょうが…。」
担当「ただ、数年前と比べて、日産の日本市場は元気になってきました。数年前はもっと悪かったですから(なのでもう少し待ってください)。」
社員も日本導入して欲しいと思う海外向け車とは?
シルフィ
筆者「海外に目を向けると、シルフィもかっこいいですよね。」
担当「シルフィは確かにカッコ良いですね。サイズ感もちょうどいいし、海外市場向けのマーチ(マイクラ)と同じく、デザインが良いクルマです。個人的には日本に出したいです。」
筆者「社員の皆さん自身がそのように思われていれば、一つの原動力になりますね。」
担当「我々開発は、昔と相変わらずバタバタとしています。どのプロジェクトが動いているかはお伝え出来ませんが、開発は着々と進めています。」
筆者「昨年末から日産は、スキャンダルなどいろいろありましたが、ただ、そんなのは気にしないで今まで通りやっていってほしいです。
今はたまたまクルマが出ていない時期というだけで、来年以降は日本でもきっと出てくると信じて待っています。私は、そんな悲観的には見てはいないです。」
担当「回復できると思って待っていていただければ、それを活力に我々は頑張ります。」
まとめ
「国内で新車を出さない理由」は、色々あるだろう。ただ、日産内部の人間は、誰も国内向け開発をあきらめてはいない。
今回インタビューさせていただいた方もそうだが、クルマが好きで日産へ入ってきたからには、「いいクルマを出したいという想い」を持ち続けている。
あと少し日産を待っていてほしい、必ず日産の国内市場にもバイオリズムの波が押し寄せますとのこと。
筆者は、その日を心待ちにし、それまでは、日産に対して、叱咤激励を送り続けていこうと思う。
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