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もはや排気量は関係なし【メルセデス・ベンツ E300試乗記】

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もはや排気量は関係なし【メルセデス・ベンツ E300試乗記】

排気量はもはやパワーの目安にならない。

メルセデス・ベンツ「E300 AVANTGARDE Sports(アバンギャルドスポーツ)」に試乗し、あらためてそう思った。すばらしくスムーズかつ、パワフルなクルマだった。

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現在、燃焼技術の進歩によって、エンジンの高出力化が著しい。いまや、ドライブしても排気量を言い当てるのが困難だ。とくに今回試乗したE300が、2.0リッター直列4気筒ガソリンターボ・エンジン搭載車と分かるひとは、ほとんどいないのではないだろうか?

【主要諸元】全長×全幅×全高:4950mm×1850mm×1455mm、ホイールベース:2940mm、車両重量:1760kg、乗車定員:5名、エンジン:1991cc直列4気筒DOHCターボ(258ps/5800~6100rpm、370Nm/1800~4000rpm)、トランスミッション:9AT、駆動方式:RWD、タイヤサイズ:フロント245/40R19、リア275/35R19、価格:871万円(OP含まず)。搭載するエンジンは1991cc直列4気筒DOHCターボ(258ps/5800~6100rpm、370Nm/1800~4000rpm)。可変バルブタイミング機構、ツインスクロールターボチャージャーの採用で、従来モデルよりパワーアップした。E300 アバンギャルドスポーツ(以下、E300)は、2019年3月に日本で追加販売されたモデルだ。新しく搭載された2.0リッター直列4気筒ガソリンターボ・エンジンは、ツインスクロール・ターボチャージャーと、「CAMTRONIC」と名づけられた可変バルブリフトシステムを採用しているのが特徴だ。

新エンジンは、最高出力258ps、最大トルク370Nmを発揮する。「低回転域から高回転域まで伸びやかな加速を可能にした」と、輸入元であるメルセデス・ベンツ日本が用意した資料は述べる。

WLTCモード燃費は12.0km/L。H.Mochizukiトランスミッションは9AT。19インチアルミホイールはメルセデスAMGデザイン。E300は、従来あった「E 250」に代わるモデル。新エンジン搭載によって、最高出力は47ps向上し、最大トルクは20Nm増大した。爽快な加速を味わえる、よく出来たエンジンであると感心した。

エンジンの魅力を引き出すのに一役買っているのが、トランスミッションだ。9段オートマチック・トランスミッションは、ドライバーの意思を読んでいるかのように、最適な回転域を選ぶ。

1800rpmから最大トルクを発生するエンジンは、市街地では実用的で扱いやすい。いっぽう、加速のときは、速度がぐんぐん上がっていくときの気持よさが味わえる。

サスペンションは「AGILITY CONTROLサスペンション」が標準。メルセデス・ベンツの公式ウェブサイトには「路面をしっかり捉えるサスペンションに、ボディの揺れを効果的に吸収するダンパーを採用。様々な道で発揮される絶大な安定性がもたらす大きな安心感とともに、思いのままのハンドリングと、長距離走行でも疲労の少ない快適性を実現します。」とある。H.Mochizukiステアリング・ホイールはパドルシフト付き。パノラミックスライディングルーフは22万円のオプション。BMWの新型「3シリーズ」や「Z4」に搭載されている直列4気筒エンジンもすぐれいているので、メルセデス・ベンツとBMWのドイツ車2大巨頭は、どちらもエンジン開発の手をゆるめていないことがわかる。。

E300は、高速ばかりでなく、市街地での、いわゆるタウンスピードの領域でも扱いやすい。低回転でも効くツインスクロール・ターボの恩恵で、低速域でもゆたかなトルクがあり、出足のよさもふくめて、ドライバビリティが高い。

控えめだけどイイ!もうひとつ試乗車で感心したのは、ドライブトレインのフリクション(摩擦)がきわめて低い点だ。

アクセルペダルから足を離しても、ボディは大きな抵抗を感じさせず、なめらかにスーっと前へ進んでいく。各部品の工作精度と組み付け精度が高いんだろうなぁと感心した。

最小回転半径は5.4m。H.Mochizukiカーナビゲーションなどは標準。試乗車のインテリアカラーは「サドルブラウン」と「ブラック」のコンビタイプ。シート表皮はレザーが標準。フロントシートは電動調整式(メモリー機能付き)。オプション「エクスクルーシブパッケージ」装着車のオーディオ・システムは、「ブルメスターサラウンドサウンドシステム」。E300のサスペンションはよく動く。路面からの振動をていねいに吸収する。

サブネームに「スポーツ」とあるように、これでも標準(日本には入っていない)に較べると、足まわりの設定は硬めかもしれない。でも、スポーツモデルのようにやたらハードというのではなく、しなやかである。

リアシートは専用エアコン吹き出し口付き。オプション「エクスクルーシブパッケージ」装着車の場合、ヒーター機構も付く。トランクリッドは電動開閉式。リアシートのバックレストは40:20:40の分割可倒式。コーナリングも印象的だ。ややゆっくり、ジワっと姿勢変化していく。このメルセデス・ベンツ車特有の動きは、慣れるとたいへん扱いやすい。

E300 アバンギャルドスポーツの価格は、871万円である。とはいえ、価格に対し内外装は控えめだ。でも、自分の選択に自信を持てる人なら、このクルマ、ぜひ注目してほしい。いいセダンとは、E300のようなクルマである。

文・小川フミオ 写真・望月浩彦

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