少子高齢化で縮小する日本市場の変化に対応している
世界的な環境対応だけではなく、トヨタが販売網の再編を進めるなど、日本の自動車業界は大きな変革期となっている。とくに2019年は、ビッグネームのモデルが続々とディスコンとなり、その名前をいったん終了することが目立っている。トヨタでいえば、マークXやエスティマが2019年内に幕を閉じる。また、日産ではコンパクトワゴンとして一時代を築いた日産キューブの年内での生産終了も各所で報じられている。
メーカーはなぜ残さなかった? モデルチェンジしなかったのが不思議なクルマ4選
マークXについてはFRセダンという市場自体がシュリンクしているのでディスコンも止むなしといったところで、エスティマはデビュー当時としては国産大型ミニバンの雄だったが、アルファード/ヴェルファイアの登場により、そのサイズ感が中途半端に見えてきたのが原因のひとつだろう。コンパクトワゴンにおいてスライドドアを求める声に対応できないことが、キューブがモデルライフを終了する理由と考えられる。
いずれにしても、後継モデルの話が聞こえてこない。つまり、国産向けのラインアップとして縮小するということだ。これは国内の市場規模が小さくなっているなかで、多品種を用意するのがさまざまなコスト的に難しいという面がある。生産だけでなく、販売や整備という点からもモデル数が少ないほうが対応はしやすく、部品などの在庫コストも軽減できる。
また少子高齢化が進む日本の将来を考えれば、自動車販売網そのものを小さくする必要がある。とくにトヨタは販売店によって取り扱い車種を変えていたが、今後はそうしたことはせずに、どこの販売店でもトヨタの全ラインアップが購入できるような体制に変えている。つまり、同じカテゴリーに複数のモデルをラインアップする必要はなくなるのだ。将来的にはアルファード/ヴェルファイアのような兄弟モデルにおいても、どちらかが残れば済むという話になりつつある。
新たな燃費モードの審査が義務化される時に車種整理は加速する
エスティマやキューブといった、多くのユーザーに親しまれてきた車名が消えてしまうのは残念だが、効率を考えたラインアップの整理整頓は当たり前のように進められていくだろう。ブランディングへの影響もあるので売れているモデルだけに絞るというのは難しい面もあるが、実際の販売比率をみるとそうとも言っていられないだろう。
たとえば日産の国内販売は2019年9月の合計が6万1691台だった。そのうち、デイズ(軽自動車)が1万7841台、ノート(コンパクト)が1万3183台、セレナ(ミニバン)が9224台となっていた。この3モデルで国内販売の65%を占めるのだ。
ちなみに、2019年9月の登録車販売においてトップ50に顔を出したほかの日産車は、エクストレイル(3699台)、リーフ(2259台)、スカイライン(1066台)くらいのもので、これら6モデルの販売台数を合計すると日産の国内販売の75%以上。さらにいうと商用車の販売台数が7079台もある。つまり、上記以外の乗用車は合計しても販売台数の12%に満たないということで、どのモデルが整理されてもおかしくない状況だ。
さらに2020年には、そうした動きが加速する可能性がある。すでにカタログの燃費データにおいてJC08モードからWLTCモードに切り替わっているのは、ご存じのことだろう。WLTCモードによる審査は、2018年10月以降の新型車に義務付けられているが、2020年9月以降は継続生産車もWLTCモードでの審査が義務付けられる。
排ガス性能の面ではWLTCモードをクリアできるモデルであっても、全グレードでWLTCモードによる審査を受けるのは、それなりにコストがかかる。そうしたコストと販売のバランスによっては、WLTCモードへ対応しないという選択もありうる。つまり、WLTCモードの義務化が始まるタイミングで、生産終了となるモデルが出てくる可能性は高い。
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