■伝説の名を持つスーパースープラ「GRスープラ 3000GT コンセプト」
アメリカ・ラスベガスで毎年開催される「SEMAショー」はアメリカ最大級のアフターパーツのショーで、日本の「東京オートサロン」や、ドイツの「エッセンモーターショー」と並び、世界3大カスタムカーショーのひとつと呼ばれています。
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広大なスペースに数多くの出展者が参加することで有名ですが、やはり2019年の注目は5代目となるトヨタ新型「スープラ」です。
主要チューニングブランドでは早速カスタマイズされた新型スープラが展示されていますが、そんななか本家となるトヨタが発表した特別なモデルが「GRスープラ 3000GT コンセプト」(以下、GRスープラ 3000GT)です。いったい、どんなスペシャルモデルなのでしょうか。
このモデルは、TRDブランドを展開してきたトヨタテクノクラフトとジェータックス、トヨタモデリスタインターナショナルの3社が統合して2018年に発足した新会社、TCD(トヨタカスタマイジング&デベロップメント)が企画・開発をおこなったモデルになります。
3000GTと聞いてピンと来た人もいると思いますが、このモデルにはご先祖さまが存在します。それは1994年に4代目(A80系)スープラ用にTRDの開発によるワイドボディキットを装着したコンプリートモデル「TRD3000GT」です。
このモデルは全日本GT選手権(現スーパーGT)に参戦していたレーシングカーと同じエアロパーツを装着。ワイドトレッド化や空力・冷却性能の強化が施された、本物のレーシングパーツをロードカーにフィードバックさせたものでした。
ワイドボディキットの価格は92万5000円(消費税抜)と高価だったこともあり、コンプリートモデルは約80台、パーツ単体の販売は100台強の販売に留まりましたが、80スープラ乗りの間では「究極の80スープラ」と呼ぶ人もいるそうです。
TRDが北米でブランド展開を開始してから40周年という節目の2019年に、伝説の名を受けついで発表されたGRスープラ 3000GT。
いったいどのようなモデルなのか、関係者に話を聞くと次のように話します。
「想いは『TRD3000GTの復活』です。しかし、当時とはレーシングカーと市販車の関係が変化しているため、GRスープラ 3000GTはストリートからモータースポーツへと、逆のアプローチを取っています。
空力特性などを含め、D1やS耐をはじめとする市販車ベースのカテゴリーに対応できる機能を盛り込んでいます」
GRスープラ 3000GTの最大の特徴は、ノーマルから大きく変更されたボディキットになります。じつは製作は、かつてTRD3000GTの開発を担当していた職人が手掛けたといいます。
フロントバンパーには純正用品よりも大型化された専用のフロントスポイラーを装着、エアロボンネットはTRD3000GTのイメージを引き継いだ冷却用の4箇所のスリットがプラスされています。
フロント/リアフェンダーはブリスターフェンダーではなく大径タイヤを収めるためにオーバーフェンダーをプラス。筆者(山本シンヤ)は、この部分はTRD3000GTよりも、1994年のGT選手権を戦ったレーシングカー(サード・スープラ)のイメージに近いと感じました。
ちなみにサイドスカートやリアアンダースカートは現在発売中のパフォーマンスラインのアイテムですが、ワイドボディ化に合わせて取り付け部の変更がおこなわれています。
リアは、ノーマルでは控えめな形状のウイングに対して、エアロボンネットと同様にTRD3000GTのイメージを受けついたデザインの大型ウイングを装着。インパクトをプラスしながらも新型スープラの曲面を活かしたボディに上手く溶け込んでいます。
ボディカラーはアルミにヘアライン加工を施したようなブラッシュドシルバーとブラッシュドゴールドのワンポイント。このシルバーもTRD3000GTをオマージュしたものになっています。
ちなみにこのボディキットは単なるドレスアップのためのものではなく、空気の力を味方にして操縦安定性を引き上げる、という機能が盛り込まれています。この辺りは、TCDのTRD部門がこれまでモータースポーツ活動で培ってきた開発・解析の知見が活かされているそうです。
■「GRスープラ 3000GT」はまだ進化できる!? 日本国内での展開は
このモデルはボディキットに加えて、さまざまなサードパーティの協力による機能性パーツもプラスされています。3リッター直列6気筒ターボのエンジンはノーマルですが、エキゾーストは専用スペックとなるHKSカスタムエキゾーストを装着。
足まわりでは、タイヤはTOYOプロクセスR888R(フロント:265/30R19、リア:285/35R19)、ホイールは鍛造品のTWS RS317、サスペンションは専用スペックのテイン・カスタムストリートアドバンスZ、そしてブレーキはフロントにブレンボ・モノブロックブレーキキット(6ピストンキャリパー&380mm2ピースローター)が奢られています。
一方、内装は外装に比べると控えめですが、運転席/助手席にブリッド・Xerro CS、パイオニア製のスピーカーシステムが装着されています。
会場には、新型スープラのチーフエンジニアの多田哲哉氏の姿もありました。
多田氏に話を聞くと、「GRスープラ 3000GTの開発はTCD独自におこなっていますが、ノーマルと同じように先人(=TRD3000GT)をリスペクトしながら開発することは非常に重要な事だと思っています。
ただ、欲をいうと機能面などにも新しい提案が欲しかったですね」といいます。
確かに、GRスープラ 3000GTの機能部分はライトチューンに留められ、SEMAショーに展示されていた他のカスタマイズメーカーのモデルのなかには、大幅な出力アップをおこなうチューニングが施されたモデルも展示されていることを考えると、物足りなさがないといえば嘘になります。
筆者はレースでの知見/ノウハウを数多く持つTCDのTRD部門のテクノロジーをフィードバックさせたエンジンやトランスミッションなども見てみたいと思いました。例えば、『もう2JZエンジンに頼る必要はありません』というような高出力化/耐久性を両立する3リッターターボエンジンなどです。
このモデルは“コンセプト”とはいうものの、フィッティングの良さやパーツの精度を含めていつでも市販化できそうな気がしています。
関係者に聞くと「アメリカでの発売を検討しています。日本での販売は現時点では未定ですが、反響が高ければ検討しなければいけません」と語っています。その際にはTRDパーツなのか、それともGRブランドが冠された「GRパーツ」として登場するのか、非常に気になるところです。
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