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業界ニュース 2019.11.7

【ヒットの法則48】シトロエンC4はライバルにはないオリジナリティで見事に対抗

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2004年のパリオートサロンで初公開されて話題を呼んだシトロエンC4は、2005年春、日本上陸を果たしている。強豪ひしめくCセグメントでは、基本性能の高さはもちろんのこと、他にはない独自の魅力も必要となる。ではシトロエンはどのようにして存在感を示していたのか、当時の試乗記で振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2005年7月号より。タイトル写真はC4 クーペ2.0VTS)

ライバルはゴルフVなどCセグメントモデル
「まるで般若みたいな顔付きだな」、「それを言うなら5シリーズだろ」、「インテリアもやられたって感じ」、「とにかく個性があっていいよね」、「これぞシトロエンって感じだな」。

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昨秋のパリ国際ショーでワールドプレミアを果たしたシトロエンC4を巡っては、デビュー当初からそのユニークなスタイリングとインテリアのデザインに注目が集まった。冒頭のような業界関係者による会話が、至るところで聞かれたものだった。

シトロエンはこのC4で以前の唯一無二な存在感を取り戻したように思う。今年春のジュネーブショーでは、さらに独創的なフラッグシップモデルC6を発表し、C4の時以上の注目を浴びたことは記憶に新しい。そう、これはまさにシトロエンらしさの復活だ。

思えば名車エグザンティアおよびXM以降のシトロエンは、どこかツウのクルマに「成り下がって」いた。いや、正確にはそれまでのシトロエンだってフランス人にはフツウのクルマだったろう。でも、世界中の人々がフランスという国に、人々に、文化に、良かれ悪しかれ何か特別なものを感じているのと同様に、フレンチプロダクトであるシトロエンもまた世界市場では独特の個性を放つ存在であったのだ。

どこか違う存在感は、クサラやC5には見あたらなかった。意気消沈していたファンも多かったに違いない。そして、彼らはC4そしてC6のデビューを見て、少なからず溜飲を下げたはずだ。そんなC4が、ついに日本上陸を果たした。モデル概要をまとめながら、まずは日本仕様の詳細を記す。

C4はクサラ後継であり、全長5.3m以下のコンパクトカーすなわち欧州Cセグメントモデル。そして、ボディは全く異なるシルエットのスタイリングが2種類用意されている。分類としては5ドアと3ドアの2種類のハッチバックということになるが、それをシトロエンはセダン、クーペと呼び分けている。両形状の共通点は例の般若風フロントマスクぐらいのもので、その他のパートに関しては、同じC4を名乗ること自体が不思議と思えるほどに違っている。

クーペは、シャープなラインの弾丸シルエットが特徴だ。テールに向かって空気を切り裂き、エンドでスパッと断ち切った。その部分はウインドウ処理が施されている。だからか、どことなくホンダのCR-Xやインサイトに似た雰囲気を持つ。

個人的にはセダンのシルエットに惹かれた。居住性、積載性、そして機動力を考えると、5ドアハッチバックのエクステリアデザインはどうしてもゴルフ風になってしまう。あのカタチが最も合理的なのだ。シルエットが似るとなると、ライトやグリルといった小手先で差別化を計るしかない。が、C4セダンはリアセクションをデザイン優先とすることで、ハッチバックデザインの呪縛から解き放たれたように見える。

いずれのボディタイプもシトロエンの伝統にならって、エアロダイナミズム的にみても優秀。Cd値はクーペが0.28、セダンは0.29だ。

反して、インテリアデザインは共通といっていい。ただし、その雰囲気は相当にユニークだ。シトロエンに興味のないクルマ好きをして「シトロエンってやっぱ変わっているね」と言わしめるほど。ダッシュ中央に小舟のようなカタチのクラスターが置かれ、車速に関係する情報を映し出す。クラスターにはめこまれたストリップは半透明タイプで、光を通す透過式だ。

ステアリングホイールには誰もが驚くことだろう。センターが固定式で、ワッカだけがグルグルと回る方式を採用した。かつてのセルフセンタリングに次ぐシトロエンの名物ハンドルになる可能性が高い。中央部分にはオーディオ関係などの操作系のほか、ドライバー専用の小さなディスプレイも置かれる。ここには、レブカウンターやATインジケーターが表示される仕組みだ。

ダッシュボードおよびその周辺の見栄え質感は、従来のフランス車にはないモダンで上質感のあるもの。継ぎ目のないダッシュボードデザインやシンプルに配された操作系も見た目の質感アップに貢献している。

インテリア関連でもうひとつ面白いのは、フレグランス・エアフレッシュナーだ。これはダッシュボードセンターのエアコン吹き出し口脇にあって、ボードと一体化するようにデザインされた専用カートリッジを差し込むことで、さまざまな香りを

楽しむことができるというもの。香水専門メーカーによって開発された9種類のフレグランスが用意されており、うち3種類(バニラ、ミント&ムスク、イランイランノキ&バンブー)が、新車時にセットで装備される。カートリッジの耐用期間は、1日3時間使用した場合、およそ3カ月という。

日本市場に導入されるのは2ボディタイプ、3エンジンバリエーション(1.6Lと2Lが2種で、いずれも直4DOHC16バルブ)となる。セダン、クーペそれぞれ1.6Lと2Lモデルを用意。クーペの2Lモデル、VTSにはハイパワーユニット+5速MTが積まれた。セダンにはより実用に振った2Lが積まれる。クーペVTS以外は4速AT仕様のみ。ハンドル位置はすべて右だ。

今回はセダンとクーペの2Lモデル2台に試乗した。まずは4速ATを組み合わせた143psエンジン搭載のセダンエクスクルーシブから報告しよう。

シルバー塗装されたドアレバーの質感の低さにちょっとがっかりしながらも、中に入るとそんな細かなことなど一瞬にして忘れてしまう。それほど、インテリアのアピール度は強い。試乗車の内装はベージュにブラックというコーディネート。ベージュの発色が鮮やかで、黒とのコントラストが効いているのがいい。明るさも手伝って、室内の開放感はすこぶるつきだ。頭上高も十分。ドライバーズシートからの眺めは、ずっと先にあるAピラーと三角窓などで、ちょっとミニバン風である。

アイドリング時の静かさに、まずは感心した。日本仕様はフロントだけでなくサイドのウインドウもフイルムを挟み込んだラミネーテッドタイプで、そのほかドアシールを二重にするなど音振対策はこれまで以上に入念に施されている。

ワッカだけ回せるステアリングホイールは、妙に大きさを感じる。パワーステアリングのフィールも重めで、その印象は走り出しても変わらない。非力な女性には辛いか。

ホッとする居心地の良さ、もう1速欲しいAT/MT
街中から高速、そしてワインディングへと至るいつものコースでテストする。走り出してしばらくすると、何とも理由のない「いいクルマ」感が押し寄せてくる。ただ、タウンスピードでだらだら走っているだけなのに、ホッとするような居心地の良さと、妙に頬が緩む楽しさが味わえる。ルノーメガーヌといいこのクルマといい、どうして最近のフランス車は「ワケなくいいクルマ」に思えるのか、不思議でしょうがない。

粗はある。まずオートマチック。2速から3速にかけての変速タイミングがぎこちない。変速しようかしまいか、ゆらゆら迷いながら動いているかのようで、少々不快だ。またウインカーレバーの遠さや、節度に欠けるセンターパッドのダイヤルは、指の短い筆者には辛かった。

高速安定性は十分だ。乗り心地もいい。「コンフォート」と呼ばれるタイプのシートのせいもあるだろう。たっぷりとした大きさで、クッションも程良く、身体によく馴染む。他のクルマでは味わえない、ゆったりとした心地のクルージングが楽しめた。ここでも残念だったのは4速しかないオートマチック。高速域になると、さすがにエンジンの存在がうるさく感じられる。

ワインディングは、オートマチックゆえそれなりだが、意外に回頭性に優れる。舵のよく効く船、のような乗り味である。

せっかくだからとワインディングで180ps+5速MTのクーペに乗り換えた。バカでかいドアの扱いにはボクは慣れている。こちらは「バイタリティ」と呼ばれスポーツタイプのインテリアで、サイドサポートがしっかり備わったレザーシート(オプション)が奢られていた。

クラッチペダルのミートポイントがかなり上方なのが気になる。重くはないが、発進には慣れが必要だ。もっとも、よくバネの効いたペダルが上めで繋がるということは、2速以降の変速がとてもスムーズにできるということでもある。実際、高い速度域でけっこう乱雑にシフトチェンジをしてもショックを感じることはほとんどなかった。

180psあるだけあって、パワーの出方、つきの良さ、力の持続する感じ、すべてにセダン2Lを上回る。エンジンの回りもひっかかりなどなく、滑らかだ。

乗り味は座面が硬めのスポーツシートを採用するせいか、セダンに比べてやや硬め。荷重移動もしやすく、ノーズの向きを変えるのも楽しい。あえてしゃかりきにならずとも、知らず知らずのうちに楽しく速く走ってしまう。そんなクルマだ。オプション扱いのレザーシートの張り出したサイドサポートがセンターのコンソールボックスにあたってギシギシいうのには閉口してしまうが……。

帰りの高速道路では、セダン同様、なかなかのツアラーぶりを見せてくれた。もう1速欲しいと思うのもセダンと同じなのは残念ではある。

個人的なオススメは、細かな粗はあるものの、2Lセダンだ。これなら実用性能と個性を両立できる。ライバルにはない魅力である。(文:西川淳/Motor Magazine 2005年7月号より)

ヒットの法則のバックナンバー

シトロエンC4 クーペ2.0VTS(2005年)主要諸元
●全長×全幅×全高:4275×1775×1480mm
●ホイールベース:2610mm
●車両重量:1330kg
●エンジン:直4DOHC
●排気量:1997cc
●最高出力:180ps/7000rpm
●最大トルク:202Nm/4750rpm
●トランスミッション:5速MT
●駆動方式:FF
●車両価格:319万円(2005年当時)

シトロエンC4 セダン2.0 エクスクルーシブ(2005年)主要諸元
●全長×全幅×全高:4260×1775×1480mm
●ホイールベース:2610mm
●車両重量:1350kg
●エンジン:直4DOHC
●排気量:1997cc
●最高出力:143ps/6000rpm
●最大トルク:200Nm/4000rpm
●トランスミッション:4速AT
●駆動方式:FF
●車両価格:299万円(2005年当時)

[ アルバム : シトロエンC4 はオリジナルサイトでご覧ください ]

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(Webモーターマガジン Motor Magazine編集部)

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みんなのコメント

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  • uve*****|2019/11/07 23:12

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    親が新車で購入し、未だに乗っています。
    私もたまにハンドルを握らせて貰いますが、本当にスルメみたいないい車だと思います。
    新世代のC4がどうなるか分かりませんが、“らしさ”を失って欲しくないと、切に願います。

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