現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 流行のオールシーズンタイヤと定番のスタッドレス、この冬に履くべきタイヤはどっち?

ここから本文です

流行のオールシーズンタイヤと定番のスタッドレス、この冬に履くべきタイヤはどっち?

掲載
流行のオールシーズンタイヤと定番のスタッドレス、この冬に履くべきタイヤはどっち?

■冬に履くタイヤはスタッドレスだけじゃない、増えてきたオールシーズンの存在

 毎年、この季節になると、冬に向けてタイヤの交換の時期がやってきます。冬用のタイヤといえば、やはりスタッドレスタイヤが主流ですが、そもそもスタッドレスタイヤを履く必要があるのでしょうか。

「オールシーズンタイヤ」なぜ増えた? 国産タイヤメーカーが続々と日本市場に投入する理由

 スタッドレスタイヤは、冬用タイヤのひとつです。

 規制が入る前の1991年以前は、冬用タイヤでは日本でもスパイクタイヤが主流でした。そのスパイクタイヤに打ち込まれている金属の鋲(スタッド)がなくても、冬の道を走ることができるように開発されたタイヤが、すなわち「スタッドレスタイヤ」です。

 このタイヤはおもに、凍結した路面や、雪道での走行を想定しているため、降雪の多い地域では冬のマストアイテムとなっています。

 一方、首都圏などのニュースで高速道路に雪が積もり「冬用タイヤ規制」がおこなわれている光景を見る機会があります。

 この場合、夏用タイヤであればチェーンを装着する必要がありますが、スタッドレスタイヤなどの許可されたタイヤであれば通行することが可能です。

 また一般道でも、積雪や道路の凍結がありそうな場合、夏用タイヤでの走行は事故の原因になるため、クルマでの外出を諦めてしまうドライバーも多いのではないでしょうか。

 しかし、こうした場合を除けば、首都圏をはじめとした非降雪地域で積雪に見舞われるのは年に数回、そのためだけにスタッドレスタイヤに履き替えるのは時間も手間もかかります。とくにマンションなどに住んでいる人であればタイヤの保管場所にも困ります。

 最近、「オールシーズンタイヤ」という言葉を目にする機会が増えてきました。別名は「4シーズンタイヤ」で、その名のとおり「春夏秋冬」一年を通し、どのシーズンにおいても走行できるタイヤです。

 このオールシーズンタイヤ、従来はグッドイヤーやミシュランなど、海外のブランドが日本市場で販売していましたが、2019年シーズンは、ダンロップやトーヨータイヤ、横浜ゴムという国産タイヤブランドも続々と日本で展開しはじめました。

■スタッドレスタイヤとオールシーズンタイヤ、なにが違う?

 そこで、スタッドレスタイヤとオールシーズンタイヤのどちらも力を入れている日本グッドイヤーに、それぞれの違いや使い分けについて聞いてみました。

──オールシーズンタイヤは、どのような特徴がありますか。

 名前が示すとおり、四季を通じて一年中履けるタイヤです。ウェット路であっても、ドライ路面であっても、雪道であっても走ることが可能です。ただしアイスバーンでは、スタッドレスタイヤに比べると性能は劣ります。

 また、夏用タイヤと比べると、ドライの路面状況でどのくらいもつのかを気にする方が多いと思います。オールシーズンタイヤは、ほぼ夏用タイヤと同じくらいと考えていただいて間違いありません。

──オールシーズンタイヤは、どのような人におすすめですか。

 とくに、東京や大阪など大都市圏に住んでいる方、そして非降雪地域にお住いの方です。年に数回の雪が降るような地域で、わざわざそのためにスタッドレスタイヤに履き代えることや、チェーンを巻くことが面倒であるとか、あるいは、運転することを諦めてしまうような方に向けて、オールシーズンタイヤを推奨しています。

※ ※ ※

 グッドイヤーとともに、大手タイヤメーカーである「ミシュラン」も2018年の春からオールシーズンタイヤを国内市場に導入しましたが、ここではグッドイヤーと同様に、オールシーズン及びスタッドレスタイヤに対する考え方を日本ミシュランタイヤの担当者に聞いてみました。

──非降雪地域でスタッドレスタイヤを選択した場合に気をつける点はありますか。

 お客様それぞれの運転環境や使用方法、各メーカーの特徴もあるので一概には言えませんが、一般的にスタッドレスタイヤは、氷上や雪上において最大のパフォーマンスを発揮するよう、コンパウンドやサイプなどが設計されているため、剛性面やドライ/ウェット路面での性能では夏タイヤに及ばない場合もあります。

 そのため、とくに氷上・雪上以外での走行が多いと予想される非降雪地域においては、そのようなタイヤの特徴の違いをよく認識していただき、安全マージンを多くとった運転を心がけて頂ければと思います。

──オールシーズンタイヤに対する注意点を教えて下さい。

 ミシュランのオールシーズンタイヤも、アイス性能までカバーするパーフェクトなタイヤではありませんが、従来のオールシーズンタイヤと比べて性能は進化しており、現代の気候や使用状況にあったユーザー様にはご満足いただけるよう性能を向上させた製品となっています。

 まずはお客様ご自身の使用状況をよく整理したうえで、安全性を第一に考え、必要であればスタッドレスタイヤも選択肢に入れつつ、最適なタイヤ選択をしていただくうえでこのオールシーズンタイヤも選択肢のひとつとして考慮頂ければと考えています。

※ ※ ※

 四季を通して走行することが可能なオールシーズンタイヤですが、凍結した道路でのブレーキング性能では、やはりスタッドレスタイヤに軍配が上がります。札幌や旭川など、降雪地域での交差点のアイスバーンできちんと止まれるようにスタッドレスタイヤは進化し続けてきた歴史があるので、こうした場所ではオールシーズンタイヤではなく、スタッドレスタイヤがかかせません。

 また都内など非降雪地域でも、一度雪が降ってしまうと、除雪がされない裏道では何日もアイスバーンになるところが多くあります。そうした場所では、オールシーズンタイヤでは想像したよりも止まらないということを頭に入れておいたほうが賢明です。

関連タグ

こんな記事も読まれています

斬新“レッド内装”採用! ホンダ新型「“スポーティ”セダン」世界初公開! 異形ハンドル&特殊モニターに「カッコイイ」の声も!「GT」登場
斬新“レッド内装”採用! ホンダ新型「“スポーティ”セダン」世界初公開! 異形ハンドル&特殊モニターに「カッコイイ」の声も!「GT」登場
くるまのニュース
もてぎに「働くクルマ」が大集合、ゴールデンウィークにイベント開催へ
もてぎに「働くクルマ」が大集合、ゴールデンウィークにイベント開催へ
レスポンス
白熱する来季F1ドライバー市場、“主役”はレッドブル離脱噂のフェルスタッペン&新規参戦アウディ?
白熱する来季F1ドライバー市場、“主役”はレッドブル離脱噂のフェルスタッペン&新規参戦アウディ?
motorsport.com 日本版
もはや「スーパーカー」!? めちゃ“黒い”トヨタ「ハイエース」登場!“クセ強”1BOXバンが「カッコ良すぎ」と反響集まる
もはや「スーパーカー」!? めちゃ“黒い”トヨタ「ハイエース」登場!“クセ強”1BOXバンが「カッコ良すぎ」と反響集まる
くるまのニュース
『ホールデン・コモドア』国際交流戦に現れ、快走したオーストラリアンV8【忘れがたき銘車たち】
『ホールデン・コモドア』国際交流戦に現れ、快走したオーストラリアンV8【忘れがたき銘車たち】
AUTOSPORT web
メルセデス・ベンツ Gクラスの電気自動車がまもなくやってくる?──GQ新着カー
メルセデス・ベンツ Gクラスの電気自動車がまもなくやってくる?──GQ新着カー
GQ JAPAN
入賞枠拡大の新F1ポイントシステム案、ドライバーからは賛否両論「大きな切り傷に絆創膏貼るみたいなもん」との声も
入賞枠拡大の新F1ポイントシステム案、ドライバーからは賛否両論「大きな切り傷に絆創膏貼るみたいなもん」との声も
motorsport.com 日本版
スバル レガシィが生産終了へ──GQ新着カー
スバル レガシィが生産終了へ──GQ新着カー
GQ JAPAN
[音響機材・チョイスの勘どころ]サブウーファー「小型・薄型モデル」の選択のキモは、“サイズ”と“音”と“価格”!
[音響機材・チョイスの勘どころ]サブウーファー「小型・薄型モデル」の選択のキモは、“サイズ”と“音”と“価格”!
レスポンス
WECスパ、テストで負傷のハプスブルクが復帰へ。LMGT3クラスのエントリーリストには宮田莉朋の名前も
WECスパ、テストで負傷のハプスブルクが復帰へ。LMGT3クラスのエントリーリストには宮田莉朋の名前も
motorsport.com 日本版
ブリッツのストラットタワーバーにGR86 / BRZ(ZN8/ZD8)のフロント&リア用、『アクア』フロント用が追加
ブリッツのストラットタワーバーにGR86 / BRZ(ZN8/ZD8)のフロント&リア用、『アクア』フロント用が追加
レスポンス
日産新「4人乗り高級ミニバン」4月発売! “VIP”向けの豪華仕様は何がスゴい? 最上級837万円、特徴は?
日産新「4人乗り高級ミニバン」4月発売! “VIP”向けの豪華仕様は何がスゴい? 最上級837万円、特徴は?
くるまのニュース
【MotoGP】「今のMotoGPはTV越しに簡単に見られすぎている」オリベイラ、伝え方に工夫の余地ありと感じる
【MotoGP】「今のMotoGPはTV越しに簡単に見られすぎている」オリベイラ、伝え方に工夫の余地ありと感じる
motorsport.com 日本版
「F-CON V Pro+」の開発をHKSがスタート! 第1弾は先代トヨタ「86」とスバル「BRZ」から。直噴インジェクター制御にも対応
「F-CON V Pro+」の開発をHKSがスタート! 第1弾は先代トヨタ「86」とスバル「BRZ」から。直噴インジェクター制御にも対応
Auto Messe Web
マツダ ルーチェ・ロータリークーペ(昭和44/1969年10月発売・RX87型)【昭和の名車・完全版ダイジェスト055】
マツダ ルーチェ・ロータリークーペ(昭和44/1969年10月発売・RX87型)【昭和の名車・完全版ダイジェスト055】
Webモーターマガジン
哀川翔のラリーチームが5年ぶりにアジアクロスカントリーラリー参戦へ。ドライバーは川畑真人
哀川翔のラリーチームが5年ぶりにアジアクロスカントリーラリー参戦へ。ドライバーは川畑真人
AUTOSPORT web
綿貫舞空、EWCル・マンで3位表彰台。中古タイヤの経験を活かし「レースは勝負になると思っていた」
綿貫舞空、EWCル・マンで3位表彰台。中古タイヤの経験を活かし「レースは勝負になると思っていた」
AUTOSPORT web
ボルボっていうよりも……なぜかホンダ感漂うハッチバック「ボルボ480」ってナニモノ?
ボルボっていうよりも……なぜかホンダ感漂うハッチバック「ボルボ480」ってナニモノ?
WEB CARTOP

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村