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業界ニュース 2019.11.3

【ヒットの法則44】3代目グランドチェロキーは欧州プレミアムSUVをターゲットに激進化

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2005年に登場した3代目ジープ・グランドチェロキーは驚くべき進化を遂げていた。ラダーフレームをやめ、フロントサスペンションを独立懸架とし、ESPやアンチロールシステムを採用。それまでのジープのイメージを覆し、本格的な高級SUVへと舵を切ったモデルでもあった。ここでは2005年に開催された国際試乗会の模様を振り返るが、それはアメリカではなく、イタリアで行われたという点も興味深い。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2005年7月号より)

フルモデルチェンジのテーマはさらなる高級化と国際化
グランドチェロキーのポジションは、日本ではまだ不鮮明かもしれない。ただアメリカ国内のマーケットでは、年間20万台を販売した時期もあり、しっかりと市民権を得ている。映画「ブレイクダウン」(1997年)ではストーリーの導入シーンに使用されるなど、ひとつの時代の象徴ともなった。

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その性格付けは早くから確立されており、高級SUVとしての道を歩んでいる。乗用車ベースのモノコックボディを特徴として人気を得たレクサスRX300(日本名ハリアー)登場以前から、このクルマはラグジュアリーSUVを謳っていた。

そんなグラチェロが今回フルモデルチェンジを受けた。1993年に初代がデビューしてから3代目。今回のテーマはさらなる高級化、そして国際化である。

試乗会が行われたのは、アメリカのテキサスやアリゾナといった「ジープ」をイメージさせる場所ではなく、イタリアのトスカーナ州。古都フィレンツェからクルマで一時間ほど走ったリゾート地だった。

ここで国際試乗会が行われた理由は、欧州での販売戦略に関係する。ディーゼルエンジンを前面に出して強調するなど、メルセデスとの技術提携を含め欧州市場のニーズに応えているのだ。DVD式カーナビゲーションシステムも、英語の他、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、オランダ語で音声ガイダンスを行う。また欧州向けモデルの生産は、従来から引き続きオーストリアのマグナ・シュタイア社が担当する。言うなれば、開発から生産まで欧州を意識したカタチとなった。

オンロード志向のメカニズムも投入してジープのイメージを一新
国際化の背景と高級化路線をさらに打ち出すため、グラチェロはボディ構造から再設計されている。モノコックにラダーフレームを組み込んだユニフレームは、従来比で60%ねじれ剛性を高め、堅牢なボディがひとクラス上の走りを生み出す。

ちなみに、完全にモノコック化しない理由は北米市場のニーズにある。バスボートやモーターハウスをトーイング(牽引)する使い方も多いグラチェロには、やはりラダー式のフレームが必要となるからだ。

新型ではフロントサスペンションが初めて独立懸架式になり、ステアリング形式もラック&ピニオン式となった。コイルリジッドやリサーキュレーティングボール式ステアリングといったトラック的な形式は見当たらない。

こうした大幅な形式変更は、すべてオンロードでの乗り心地の向上を狙ったため。それは同時に、欧州はもちろん北米でも人気の高いヨーロピアンSUVとのプロファイルの違いをなくし、それらライバルと同じ土俵で勝負するためとも考えられる。こうした技術を採り入れることで、そのパフォーマンスだけでなくイメージ的にも肩を並べられるからだ。

また電子デバイスでは、ジープブランドとして初めてESPが採用されたり、アンチロールシステムが装備されたりする。後者はロール等の横転につながる強い横Gを検知するとエンジントルを制御するもの。オンロード走行を見据え、装備を充実させることはジープとして新しい。この辺にもアメリカンドメスティックからインターナショナルブランドへの脱皮を強く感じる。

エンジンは先に記したように、ヨーロッパ向け3Lディーゼルターボがアピールされる。これはダイムラークライスラーの新世代ユニット。ボッシュ製高圧インジェクションを持ち、ユーロ4排出ガス基準をクリアする。

ただ、予想通りディーゼルユニットの日本導入はないようだ。そこで日本仕様と目される4.7L V8と5.7L V8 HEMIエンジンについて少し説明しよう。

まず4.7L V8だが、これは従来とまったく変わらない。細部では補機類の改善が行われているようだが、今回は乗る機会がなかった。

それに対し5.7L V8 HEMIは新規採用。326psを発揮するジープ史上最強のエンジンとなる。HEMIエンジンとは、300Cで復活したクライスラーの伝統あるユニットで、それがジープに載るというのも考えてみれば大事件である。ジープとクライスラーは今でこそ同じグループだが、HEMIエンジンが登場した1950年代当時はまったく関係がなかったからだ。

このユニットのプロファイルは300Cと同じで、パワーを必要としないときには4気筒を休止させる可変シリンダーシステムが装着される。省燃費に役立つ機構だ。しかもシリンダーを休止させることのデメリットは皆無で、その作動すら認知できない。アクセルを踏み直せば、瞬時にV8エンジンが唸り出す。

ではインテリアはどう進化したのだろうか。まず、コクピットに腰を下ろすとダッシュボードの厚さを感じる。ここは明らかに専用設計で、スイッチ類などもチェロキーとはしっかりと差別化される。存在感のあるセンターコンソールは高級車を意識した結果だろう。そして少々不満のあったリアシートもライバルと勝負できるレベルに辿り着いた。短かった座面の前後長は一般的な長さとなり、足もとのスペースも広がった。ボディが長くなったことの恩恵である。

走り出すとインテリアに準じた高級感のある乗り心地を提供する。ボディがギシギシいうこともなく、舗装路を滑らかに走る。ステアリングフィールも乗用車的なので、コーナーでの微妙なタッチに反応する。さらにHEMIエンジンは踏めば踏むだけ加速するといった感じ。もはやジープの領域ではない。ではオフロードは……と思ったら、スペースがなくなってしまった。オフ走破性は、一言で表すと「まさにジープ」。これについては日本に上陸した際にレポートしよう。(文:九島辰也/Motor Magazine 2005年7月号より)

ヒットの法則のバックナンバー

ジープ グランドチェロキー5.7L HEMIリミテッド(2005年)主要諸元
●全長×全幅×全高:4750×1870×1740mm
●ホイールベース:2780mm
●車両重量:2209kg
●エンジン:V8OHV
●排気量:5654cc
●最高出力:326ps/5200rpm
●最大トルク:500Nm/4000rpm
●トランスミッション:5速AT
●駆動方式:4WD
※北米仕様

[ アルバム : ジープ グランドチェロキー5.7L HEMIリミテッド(2005年) はオリジナルサイトでご覧ください ]

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(Webモーターマガジン Motor Magazine編集部)

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