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業界ニュース 2019.11.2

いつの間にか消えていた!? 最近見なくなった自動車技術5選

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■かつて注目された技術もいまはあまり見られない

 自動車技術は日進月歩で、とくに近年は先進安全装備の進化は目覚ましいものがあります。

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 現在は環境性能や交通事故減少を目的とした安全運転支援技術などが注目を集めていて、ほかにもクルマは日々進化し続けています。

 そこで、これまでに誕生して注目された自動車技術のなかから、いまとなってはほとんど見なくなってしまったものを、5つピックアップして紹介します。

●4輪操舵

 クルマが進む方向を変えるには、前輪を左右に切っておこないますが、これを後輪でもおこなうのが4輪操舵です。

 4輪操舵には2種類あり、前輪と同じ方向に後輪が切れる「同位相」と、前輪とは逆方向に切れる「逆位相」です。

 国産車では1985年に登場したマツダ「サバンナRX-7」に、コーナーリング時の横Gによってブッシュが潰れることで、ステアリング切りはじめは逆位相となりコーナーアプローチ時の鋭い切れ込みを見せ、横Gが高まると同位相になりコーナーリング時の車体を安定させるサスペンションを採用。

 1988年には7代目スカイラインに、後輪を同位相に切ることを電子制御でおこなうことで、コーナーリング時の安定度向上を図る「HICAS(ハイキャス)」を採用し、1989年に登場した8代目スカイラインでは「スーパーHICAS」に進化し、逆位相・同位相に対応しました。

 なかでもユニークな機構だったのが、1987年に発売された3代目ホンダ「プレリュード」に搭載された4輪操舵で、前輪の切れ角に応じて後輪の向きが変わり、前輪の切れ角が小さいと同位相、切れ角が大きくなると逆位相になるというものでした。

 プレリュードの機構は電子制御ではなく、4輪操舵をすべて機械的におこなっており、フロントからリアまで4輪操舵用のシャフトが伸びていました。

 その後、車両重量の増加や高い製造コストなどから、4輪操舵は消滅したかのように見えましたが、低速での小回りと高速コーナーリング時の安定性を両立させるための機能として、ここ数年で「リア・アクティブ・ステア」や「リア・アクティブ・トーコントロール」と呼ばれ、復活しつつあります。

●可変ステアリングレシオ

 ハンドルを左右に切ると、それに連動して前輪が左右に動きますが、ハンドルの切れ角と前輪の切れ角は一定の角度で連動しているのが普通です。

 一方で、ハンドルの切れ角が小さいと前輪はスローに切れていき、切り足していくとクイックに切れ込んでいく「可変ステアリングギアレシオ」という機構があります。

 そして、ホンダが2000年に「S2000」に採用した世界初のステアリング機構「VGS(バリアブル・ギアレシオ・ステアリング)」は一歩進んでいて、車速によってステアリングギアレシオを変えることができました。

 低中速域では小さい舵角で大きく前輪が切れるようクイックにし、高速域ではスローに前輪を操舵させることで、安定した走りに寄与する機構です。

 VGSは、モーターを用いてラックアンドピニオン部を制御することで、ステアリングギアレシオを変えることを可能にする画期的な技術でしたが、ホンダはS2000以外には採用しませんでした。

 現在ではトヨタが「VGRS」、BMWが「アクティブステアリング」という名称で、VGSと同様な制御をおこなっているほか、日産はスカイラインで、前輪の操舵を電子制御する「ステアリング・バイ・ワイヤ」を採用していますが、普及が進んでいるとはいえない状況です。

●トロイダルCVT

 現在、国産乗用車のトランスミッションの多くはATを採用していますが、ATは4速から8速などの有段変速機を持つものと、ギアなどの機構を使わずに変速するCVTに大別されます。

 CVTはベルトとプーリーを用いて変速比を連続的に変え、エンジンが効率良く出力を発生させられる回転数を保ちながら運転でき、省燃費化はもちろん変速ショックがないスムースな運転が可能となりました。

 さらに、CVTは部品点数が少なく小型化できたことから、登場初期は小型車や軽自動車を中心に採用が相次ぎました。

 しかし、CVTはベルトとプーリーの摩擦によって動力を伝達する機構のため、大トルク・大排気量のクルマではスリップが生じて伝達効率が極端に下がるという問題がありました。

 そこで、日産はベルトとプーリーを使わないCVTである「トロイダルCVT」を開発。仕組みは、入力ディスクと出力ディスクのふたつのディスクに挟まれたローラーの傾き角度を変えることで変速をおこなうというものです。

 トロイダルCVTは大トルク・大排気量のクルマに対応でき、1999年に発売された10代目日産「セドリック/グロリア」に「エクスロイドCVT」の名で世界初採用し、2002年には11代目「スカイライン」にも採用されました。

 しかし、その後ベルト式CVTの改良により大トルク・大排気量のクルマに対応でき、3.5リッタークラスのエンジンまでベルト式CVTが採用されるようになります。

 その結果、トロイダルCVTを採用するクルマは無くなってしまい、日産も後継車種には採用しませんでした。

 トロイダルCVTの開発はサプライヤーによって続けられ、小型化に成功していますが、現在、クルマに採用している事例はありません。

■ハイパワー車の証だったパーツが消滅!?

●ヘッドライトワイパー

 雨天時にガラスに付いた雨滴を払うワイパーはクルマにとって重要な機能で、日本ではきちんと機能しないと車検に通りません。

 このワイパーが、ヘッドライトにも装着されていたクルマが以前は存在しました。代表的な車種ではボルボやメルセデス・ベンツの多くのモデルに標準装備され、日本でも日産「サファリ」などに装備されていました。

 日本では濃霧のなかや降雪時の夜間に、長時間の走行をおこなうドライバーは少数派ですが、ヨーロッパ、とくに北欧では日常のこととなり、ヘッドライトに付着した汚れた雨滴や雪で照度が低下するのは命取りにもなりかねません。

 かつては、ヘッドライトの取り付け角度がクルマの進行方向に対して垂直に近かったため、雪が付くことが多かったですが、現在のデザインでは雪が付着しにくくなっています。

 また、キセノンランプやLEDヘッドライトを採用するクルマが増え、ヘッドライトの表面温度があまり高くならないこともあり、ヘッドライトウォッシャーを装備するようになりました。

 なお、現在、日本国内においてヘッドライトウォッシャーは、2000ルーメン以上の明るさのヘッドライト、および配光可変型前照灯(カーブ通過時などにハンドル操作に合わせて自動的に進行方向へ光を照射するヘッドライト)について、設置が義務付けられています。

 国土交通省自動車局によると、その理由は「ヘッドライトの汚れによる乱反射の防止」とのことです。ヘッドライトの種類や形状の変化を経て、ヘッドライトウォッシャーの目的も雪を除去するより光量の低下防止に変化しているようです。

 ちなみに、1980年に発売された日産「レパード」には、フェンダーミラーのワイパーが採用されていました。

●マルチスロットルバルブ

 エンジンは燃料を含んだ混合気を燃焼室に吸い込み、ピストンの上昇とともに圧縮して、燃焼することでピストンを押し下げ回転力を得ます。

 この混合気の吸気量をコントロールする部品が「スロットルバルブ」で、アクセルと連動して、開いたり閉じたりします。

 高出力を得るためには適正な空燃比(空気と燃料の配合比率)の混合気を各気筒に送り込む必要がありますが、多くのクルマの場合はスロットルバルブがひとつで、そこからインテークマニホールドを経て、各燃焼室に分配されます。

 スロットルバルブがひとつの場合は、各気筒に分配されるまでの距離に差があるため、アクセルを開けてからエンジンの回転数が上がるまでにタイムラグが生じることがあり、一般道ではあまり影響ありませんが、レースなどでは無視できません。

 そこで、各気筒にひとつずつスロットルバルブを配置する、マルチスロットルバルブが考え出されました。

 マルチスロットルバルブを採用した例は、1989年に発売された日産「スカイラインGT-R」があります。搭載された2.6リッター直列6気筒ツインターボのRB26DETTは、ふたつのバルブを持つスロットルボディを3つ搭載し、シリンダーヘッドの近くに配置することで、レスポンスを高めています。

 ほかにもマルチスロットルバルブを採用した例は、ホンダ「ビート」、BMW「M3」、トヨタ「AE101型 カローラレビン」などがあります。

 技術的に進歩した現在では、各気筒にスロットルバルブを備えるよりも燃焼室内に高圧で燃料を直接噴射する「筒内噴射」方式が増えたことで、マルチスロットルの採用は減ってしまいました。

※ ※ ※

 今回紹介したもの以外にも、さまざまな技術が誕生しては衰退してしまいました。

 もしかすると数十年後には、画期的な動力源が誕生していて、エンジンやモーターは過去のものになっているかもしれません。

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(くるまのニュース くるまのニュース編集部)

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