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業界ニュース 2019.10.30

未来の街乗りEVをイッキ乗り! 東京モーターショーで「超小型モビリティ」に乗ってみた【写真55枚】

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 「おおぉ何これ、ドリフトしてるみたいで楽しいぞぉぉ」「4人乗れてエアコン付きもあるのですね。普通に使えそうじゃないですかぁぁぁ」──。

 2019年11月4日まで第46回東京モーターショー2019が東京ビッグサイトを中心に東京・有明/りんかいエリアで開催されています。

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 今回の東京モーターショーでは、クルマ好きに向けたコンセプトカーや新型車の展示やコンパニオンのお姉さんにとどまらず、家族や未来のクルマ好きになる子ども層に向けて「未来のクルマ・交通社会や生活シーン」を示し、理解し、分かりやすく体験できる展示がとても増えました。まるでテーマパークのようです。

 その中でも「かなり楽しい穴場(?)」なのが、有明エリアと晴海エリアをつなぐ「OPEN ROAD」の一角、シンボルプロムナード公園の「OPEN ROAD 超小型モビリティ試乗体験ゾーン」です。「近未来の小型モビリティ(超小型EV)」を実際に運転できます。今回はこの小型モビリティを一気乗り体験してみました(東京モーターショー2019への入場券があれば無料で試乗できます)。

●超小型モビリティとは

 超小型モビリティとは、軽自動車よりも小さい、1~2人乗り程度の小型車両を指します。現状はほぼ全てがEV(電気自動車)で、公道を走れます。車体が小さいので一般車よりも小回りが利き、スペースも取らず、手軽に運転でき、EVなのでランニングコストメリットやエコ性能も高い特長によって、今後、高齢化が進む日本では特に、街の手軽な交通手段の1つになるとして注目されています。

 2019年10月現在、超小型モビリティは1人乗りのミニカー登録(青ナンバー)か、軽自動車登録(黄色ナンバー)で2人乗車もできる車両の2パターンがあります。軽と同じ黄色ナンバーではありますが、公道は国土交通省の超小型モビリティの認証制度を使用して自治体の許可を得ることで走れる流れになっています。高速道路は走れません。その壁はかなり高く、かなりあやふやですが、近いうちに法整備がきちんと進むことに期待しましょう。

 今回の「OPEN ROAD 超小型モビリティ試乗体験」では、日本で発売済みモデルや、実証実験で使われている車両から、海外で販売中の車両も含めて、計5種類の超小型モビリティを試せました。

●「ドリフトしている感覚!」 乗って楽しいトヨタの超小型モビリティ「i-ROAD」

 i-ROADは、トヨタ自動車が開発した1人、もしくは2人乗りの超小型モビリティ。2013年にジュネーブ国際モーターショーで発表され、超小型EVの中では「ベテラン」。日本でもタイムズと連携したカーシェアサービスの実証実験車にも用いられたので、知っている人は多いでしょう。

 2019年10月現在、市販はしていませんが、日本では「トヨタ OPEN ROADプロジェクト」として定期的に実証実験を行ったり、各地のイベントに登場したりしています。サイズは2350(全長)×850(幅)×1445(高さ)ミリ、最高速度は時速45キロ。航続距離は50キロです。2人乗車はバイクのように前後に座る仕様です。

 i-ROADの一番の特長は独特のステアリング構造。操舵は後輪。前輪は左右ではなく、上下に動きます。これで車体が傾きます。ハンドルを切ると車体がイン側にスッと傾き、後輪から回り込むように曲がります。

 クルマにそれほど詳しくない人からすると「自動車よりも自転車やバイクなどの2輪車に近いというか、独特な感覚で運転できる」と感じます。運転時の目線も乗用車並みに低いので、カーブを曲がるときは他の超小型モビリティにはない疾走感がありました。

 昔ちょっと遊んだクルマ好きからすると「お、何、このオーバーステア感。速度は超ゆっくりなのに、ケツが出たようにリアが巻き込んでグイッと曲がる感覚。これ面白えかもぉぉぉ!」などとも感じます。

●シザードアの近未来デザインな4輪小型EV「日産・ニューモビリティコンセプト」

 日産自動車の「ニューモビリティコンセプト」は小型4輪スタイルの2人乗り超小型モビリティです。

 ニューモビリティコンセプトは国土交通省の超小型モビリティ基準緩和認定制度として、2人乗車対応モデルは軽の黄色ナンバーが付いていました。各地で観光用レンタカー/カーシェア車両として何台かが活躍しています。例えば、日産レンタカーが展開するカーシェアサービス「チョイモビ ヨコハマ」で借りられます。

 車体サイズは2340(全長)×1230(幅)×1450(高さ)ミリ。最高速度は時速80キロ、航続距離は約100キロ。性能は今回の中ではやや高めです。

 近未来感を感じられるスタイルとともに、ドアもワクワク。よくある横開きのヒンジドアではなく、上に開くシザードアを採用しています。まるでスーパーカーです。もっともこのドアはスーパーカーを意識したというよりは、狭い場所でも乗り降りしやすくするためです。黄色ナンバーの付いた2人乗車対応車は、i-ROADと同様に前後に座るスタイルで2人乗れます。

 車内はトヨタのi-ROADと比べ、足元の広さはほとんど同じながら、肩周りにゆとりがありました。運転はアクセル/ブレーキ操作もハンドル操作も、普通のオートマ車と変わらない感覚です。今回のごく低速域ではハンドルがやや重めだったくらいです。

●市販済みの完成度高い小型EV「トヨタ車体・コムス」

 今回紹介する超小型モビリティで唯一市販しており、個人でも購入できる車両がトヨタ車体「コムス」です。

 コムスは、普通自動車免許で運転できる定格0.59kWのモーターを備えた1人乗りの小型EV。原付ミニカー登録する車両で、最高速度は時速60キロ、航続距離は57キロ。セブン-イレブンの宅配用車両や、自治体によるカーシェアリング車両などとしても導入されています。価格は79万9537円(税込み)からです。

 コムス P・COMは2395(全長)×1095(幅)×1500(高さ)ミリ、重量は約420キロ。試乗車にはオプションのキャンバスドア(5万6200円)が装着されていました。乗車感覚は一般的なオートマ車と運転感覚は変わりません。軽量なためか、日産のニューモビリティコンセプトより気持ち軽快でした。ドアがないので死角も少なく、この季節ならば風を心地よく感じられます。しかし安全面、特に横からのもらい事故のときの不安は正直残りました。

●軽自動車に近い4人乗りの超小型EV「FOMM ONE」

 FOMMが製造する「FOMM ONE」は、「4人乗り」に対応する小型EVです。今回試乗する車両で他にはない機能や工夫を幾つか搭載しています。

 まずボディーは、仮に水害に遭遇しても水に浮かぶ構造となっているそうです。そして「4人乗車対応」(前2人、後ろ2人)。さらにエアコンも普通に搭載します。後席は確かに狭いのですが、子ども用、あるいは駅までの数分くらいならばガマンできる範囲です。それより普段使いにおいては、買い物荷物の置き場として重宝することでしょう。これがあるのとないのとでは恐らく利便性がかなり違います。

 幅は軽自動車よりも185ミリ狭いですが、一般的体形の大人2人が乗っても、肩が触れるほど狭くはありません。意外と大丈夫です。

 アクセル操作は少し特殊です。アクセルは指操作。ハンドルの左右にあるパドルシフトのようなレバーを引くと機能します。レバーの機能は左右どちらも同じです。ブレーキは一般車と同じ足操作。フロアにはブレーキペダルのみがあります。アクセルレバーを離すと回生ブレーキも効きます。

 説明員によると、足元スペースを広く使うことに加えて、「誤操作を防ぐため」が目的です。アクセルとブレーキを踏み間違えるパニック事故は、同じ「踏む」動作が並んでいるがゆえに起こりやすくなるものの、今さら仕様を大きく変えられない、自動車が抱える課題の1つ。新しい乗りものということで、操作対系を完全に分ける思い切りのよい設計ができました。

 使い勝手、乗り心地ともに、今回試乗した超小型モビリティの中では、もっとも普通の自動車に近いと感じました。

 2019年10月現在、FOMM ONEはタイで販売。車体サイズは2585(全長)×1295(幅)×1565(高さ)ミリ。最高速度は時速80キロ、航続距離は160キロ。タイでの参考販売価格は66万4000バーツ(約230万円)です。日本販売は未定ですが、今後の反響や法制度策定の状況に応じて決めたいとしています。今後に期待です。

●まるで馬車かトロッコ列車か ローランド・ベルガー「バトラーカー」

 今回の試乗した中で、特にデザインで異彩を放っていたのが、ローランド・ベルガーによる2.5人乗りのEV小型モビリティ「バトラーカー」です。

 バトラーカーのバトラーは、日本語で「執事」。自家用やシェアサービス向けではなく、ホテルや式場、神社仏閣などで客を乗せ、案内するためのおもてなし車両を想定して開発したそうです。車体サイズは2400(全長)×1100(幅)×1800(高さ)ミリ。最高速度は時速10キロで、航続距離は50キロです。

 ベースはトヨタ車体のコムスだそうですが、なるほど、かなりワクワクするメルヘンな外観に仕上がっています。木の床やソファのようなシートを採用したインテリアは、「移動する部屋」の不思議な感覚をもたらしてくれます。また、車両は遠隔操縦にも対応。運転手なしに移動や配車管理が行えるよう運行管理システムも含めた提供を想定しています。

 バトラーカーは、「客気分」で後席に乗車。ゆっくり速度で、ソファのような座席と明るい空間のおかげで、トロッコ列車や馬車に乗ったような心地よさがあります。スピードを出してほしくないと思わせる魅力を持っていました。

●現状の壁は法整備、早期の整備と普及に期待

 超小型モビリティは当初、カタチがちょっと違うだけで機能性や走行性能はどれも大体同じの小さいEVというか遊具のゴーカートのようなものと思っていました。しかし各車ともさまざまなテーマや利用シーンを想定し、かなり本気モードで開発しており、いずれも何かしらの強い個性や主張がありました。

 2人乗り以上の超小型モビリティ普及における現時点の壁は「法整備」です。2019年10月現在、一般道は国交省の車両認証制度に基づく自治体の許可を得てようやく走れます。高速道路は走れません。安全基準も定まっていないことから市販できず、イベントでの体験車両やシェアサービス用としてごく小規模に導入されるくらいに留まっています。

 しかし、小型で電動、気軽に運転でき、駐車スペースもコストも少なくて済む特長は、従来のクルマにはない短距離用の移動手段としてちょうど良いシーンが多くあり、「利用する/共有する」シェアサービスの一般化とともに需要が増えていくと筆者は考えます。

 どんな乗り心地か。自分だったらどう使うか──。実際に乗ると、どんなシーンで使えそうかを自身で具体的に想像できるようになって、ワクワクしてきます。東京モーターショーへ行くならば、ぜひ、この新世代の乗りものを体感してみましょう! 場所はシンボルプロムナード公園の「夢の大橋」付近です。

(松本健多朗)

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(ねとらぼ交通課 )

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