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ニック・キャシディが年間王者に輝く!【スーパーフォーミュラ選手権】最終戦Rd07 鈴鹿サーキット

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ニック・キャシディが年間王者に輝く!【スーパーフォーミュラ選手権】最終戦Rd07 鈴鹿サーキット

10/26-27に三重県鈴鹿サーキットで開催された全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦で、予選2番手からスタートした野尻智紀(TEAM MUGEN)が5年ぶりの勝利を飾った。2位に入賞したニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM'S)がシリーズチャンピオンを獲得した。

「脅速」パロウがポールポジション
土曜日に行われた予選でポールを獲得したのはランキング3位のアレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RCING)。ポールポジション1点を加算しリーダーの山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION)に3ポイント差まで迫った。その山本は5番グリッドからのスタート。そして山本を1点差で追うニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM'S)は予選6番手とやや苦しい位置。今回の決勝ではトップが7周終了した以降にタイヤ交換義務が消化可能となる。決勝レースは45周なので、ミディアムで7周、残りの38周はソフトで追い上げ、というのがミディアムスタートの作戦。ソフトでスタートした場合は、タイヤライフをセーブしながらピットインのマージンを築くまで逃げる。もし途中SC導入となればマージンが消え、後者の作戦は失敗となるリスクがある。

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ソフトとミディアム、8周目の分岐点
レースがスタートすると、パロウ、野尻に続く3番手に山本がポジションアップ。そして3周目にソフトタイヤを履くキャシディが猛チャージで山本をパス。同じくソフトの野尻を抜くことはできないがミディアムのパロウの前には出たい。だが野尻とキャシディはパロウを攻略できずに、やがて山本は7周目、パロウは8周目にピットインしソフトへと交換。前が開けた野尻はペースを上げるが、キャシディはタイヤマネージメントをしながら付かず離れずの2番手をキープする。一方タイヤ交換後のパロウのペースが上がらず、17周目には同じタイヤ戦略の福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION)に先を越され、やがて山本にも抜かれるなど徐々にポジションを下げてしまう。

見えないライバル
ソフトタイヤでスタートしトップを走行する野尻、タイヤ交換済みのグループで最上位の福住、レース折り返し地点での両車の差は約50秒。そしてレース後半に入りこの差は徐々に縮まり始める。そのマージンが減りきる前の34周目、トップの野尻がミディアムタイヤへ交換し福住の前でコースに戻ると、翌周にはキャシディもピットイン。福住の後方を走行する山本へも大きなマージンを保って2番手でコースへ復帰する。

野尻が5年ぶりの勝利、そして
ソフトタイヤでスタートし、パロウがピットへ向かった7周目の終わりからトップに立った野尻が、ミディアムタイヤへ交換後もそのまま逃げ切りトップチェッカーを受けた。野尻にとっては2014年以来のスーパーフォーミュラ2勝目となる。そして予選6番手と不利なポジションからソフトタイヤを上手く使いきったキャシディが2位となり、シリーズチャンピオンを獲得した。3位には福住、4位に関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が入り、チャンピオンを争った山本は5位入賞、パロウは19位完走で、それぞれシリーズ2位、3位となった。

スーパーフォーミュラ第7戦 決勝結果(ポイント獲得者)
1位 16 野尻智紀(TEAM MUGEN)
2位 37 ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM'S)
3位 5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION)
4位 19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
5位 1 山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION)
6位 38 石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)
7位 17 塚越広大(REAL RACING)
8位 20 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)

2019スーパーフォーミュラ選手権 ポントランキング(ドライバー上位10名)
1位 ニック・キャシディ 36pt
2位 山本尚貴 33pt
3位 アレックス・パロウ 26pt
4位 野尻智紀 24pt
5位 山下健太 21pt
6位 小林可夢偉 19pt
7位 福住仁嶺 18pt
8位 関口雄飛 16pt
9位 ルーカス・アウアー 14pt
10位 平川亮 12pt

去り行く影の功労者
レース後うなだれる山本尚貴をしっかり抱きしめるDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの村岡潔監督。ドライバーよりも個性的な監督が魅力のひとつとなっているスーパーフォーミュラ、村岡監督もそのひとり。ドライバーズチャンピオンシップは逃したが、山本と福住の活躍によりチームタイトルを獲得した。その村岡監督がチームからの勇退を表明したのはこの暫く後のこと。だがすでにその胸の内を知っていたのか、山本は人目もはばからず涙を流した。
(PHOTO:井上雅行)

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