■クルマの不正改造のなかには「車検証記載の数値」が関係しているものも
クルマを所有・維持していくうえで、車検は欠かすことができません。これは、日常の使用において「整備されていて安全に運行できる状態」を保つためのものとして義務付けられているものですが、その基準のなかには「違法な改造をしていないこと」も含まれます。
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クルマをカスタマイズするうえで、車検不可になりかねない改造とは、いったいどのような内容を指すのでしょうか。
今回は、東京都・足立区の自動車販売店「モトーレン足立」で、整備資格を保有する店長の小林氏に、車検に適合する改造範囲について話を聞きました。
クルマのカスタムとして人気の手法が、ホイールやタイヤの交換です。
大抵は「インチアップ」と呼ばれるホイールサイズをアップさせるケースが多いのですが、ここで重要なのは、純正タイヤ(ホイールにタイヤを組んだ状態)の直径(外径)がひとつの基準になることだといいます。
ホイールサイズを1インチ大きくしたら、タイヤの厚みを減らす(タイヤの扁平率を低くする)ことで外径内に収める必要があると、小林氏は説明します。
「ホイールとタイヤを交換して外径が変わると、スピードメーターの誤差が大きくなります。車検の検査項目である『スピードメーター検査』では『-22.5%から+6%以内』の誤差に収めなければなりません。
ホイールハウス(タイヤが収まっている部分)に入るからといって、純正サイズ以上の外径になるホイールとタイヤでは、車検は通らなくなります」
大きいホイールは格好いいのですが、メーター誤差を超えるサイズの外径を確認してから、サイズ内に収まるホイールとタイヤを選ぶ必要があるということです。
外径以外にも、横方向へのはみ出しをはじめ、タイヤに関してはさまざまな保安基準があります。
※ ※ ※
最近は純正で装着されている車種も増えた「ウインドウフィルム」(純正の場合はプライバシーガラス)。
夏場の直射日光による車内温度上昇を抑えるだけでなく、後方から車内が見え過ぎるのを抑える、プライバシー保護の観点で好む人も多くいます。
この装備の基準について、小林氏は次のようにいいます。
「車検では『車内から安全に車外を確認できる』視認性が求められています。具体的には『可視光線透過率』と呼ばれる視認性の基準が70%以上のものであることが必要です。
そして後部座席側面のガラスやリアウインドウに限っては、『可視光線透過率』が高いフィルムでも車検自体は通りますが、後方視界を確保することを考えると、あまり暗いフィルムはおすすめしていません」
可視光線透過率に関しては、そもそも何もフィルムを貼らないガラスであっても、可視光線透過率が100%であることはありえないことから、慎重にフィルムを選択することが必要です。
※ ※ ※
最近ではSUVやミニバンをカスタムする人も多いです。このとき、カスタムのつもりはなくても、使い勝手がいいように純正サードシートを取り外してしまった人は、次回の車検時に「構造変更」の申請が必要になってしまいます。
「ミニバンやSUVのサードシートは座面が小さめな場合もあるので、ラゲッジスペースを拡大させるために取り外してしまう人もいます。しかし、車検証に記載された『乗車定員数』分のシートがない場合は、『構造変更』を申請する必要があります」(小林氏)
ほかにも「HID化させたヘッドライト」などが原因で、調整不良などの理由で車検NGになることもあるといいます。
それでも、車検に適合するパーツを探して、自分好みに愛車を仕上げていくのも立派なカーライフの楽しみ方です。ルールを守ったうえで、カスタムを楽しむのも十分アリだといえるでしょう。
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