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「400キロ突破マシンが登場!」奥深き最高速チューンド【2009ボンネビルで見つけた超弩級マシンPart.4】

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「400キロ突破マシンが登場!」奥深き最高速チューンド【2009ボンネビルで見つけた超弩級マシンPart.4】

超絶旧車から現行モデルまでなんでもアリ!

STUDEBAKER COUPE

「全米で活躍中のトヨタ86(ZN6)タイムアタック仕様!」800馬力を活かしきる最先端チューニングに注目

MAX SPEED:406.084km/h

ベースは50年以上前のクルマだけどエンジンチューンは最新!

1960年代に消滅したアメリカの自動車メーカー、スチュードベーカー。そのクーペモデルをベースに6555cc(400ci)のシボレーV8を載せ、スーパーチャージャーを追加している。

ボンネビル仕様というとピークパワー重視でブースト圧をバンバンかけるのがフツーだけど、今どきっぽくハイコンプ&ローブーストとしてるのが面白いところ。その理由を聞くと、「吸気温をできるだけ低く抑えたいからね」と、なんとも優等生的な答えが返ってきた。なるほど。

最大ブースト圧は1.0キロと控えめだけど、それでも850psを発揮。Gフォース製4速MTと2.49ファイナルの組み合わせで250MPHを突破してみせたのだ。

スタッフのひとりダグさんは、マイアミでアルミ製のカムカバーやオイルパンをつくるダグリーエンジニアティパフォーマンスプロダクトを経営。ちなみに、ダンディFC3Sのロールケージ溶接作業を手伝ってくれたのがこのオジサンだ。

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PONTIAC FIREBIRD

MAX SPEED:363.959km/h

団塊ジュニア世代には懐かしい80年代のファイヤーバード

コルベットやカマロ、マスタングと並んで1970~80年代のアメリカンスポーツを代表する1台がコレ、ポンティアックファイヤーバード。

ポンティアックの5817cc(355ci)V8を搭載し、エクストリームベロシティ製タービンキットをエンジンの前方に装着。どうやらボルトオンキットものらしく、パイピングやそのレイアウトにムリがない。左方向に伸びるEXパイプがフロントフェンダーを貫通するマフラーだ。

オーナーに話を聞くことができなかったんだけど、これも800psだの1000psだの出てることは間違いないハズだ。

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DODGE CHARGER DAYTONA

MAX SPEED:344.793km/h

ロングノーズにハイマウントウイング…これで市販されてたのがスゴイ!!

1960年代のアメリカンスポーツ、ダッジチャージャーをFRP製ロングノーズとルーフの上まで突き出した大型リヤウイングで武装。NASCARのホモロゲモデルとして、空力特性の改善による最高速アップを狙ったのがチャージャーデイトナだ。

生産台数はわずかだったと思うけど、そんな希少車をボンネビル仕様に仕立て上げちゃうのが、なんとも自由でアメリカっぽい。感覚的には、トヨタ2000GTでナンバーなしの最高速専用マシンをつくるようなもん…といえば、どれだけフツーじゃないか、わかってもらえると思う。

と、アメリカでも珍しい1台を前に激しくコーフン! 全長が軽く5mを超えるフルサイズクーペで、しかもこんなエアロが付いてるんだから、その迫力というか存在感はハンパじゃない。

「クライスラーの8161cc(498ci)ヘミV8を載せてるよ。パワーは1000psくらいじゃないの?」とオーナーから聞き出したけど、終始圧倒されっぱなしでエンジンの写真を撮り忘れる…という大失態。

ダッシュボードこそノーマルだけど、全面的に作り直されたメーターパネル。シフトレバー脇には各種操作スイッチと消火器用のノブをセット。貴重なマシンなのに、好きなようにイジってるところがイイ!

ランエボもビックリのリヤウイング。高さは少なくとも50cm以上はありそうだ。これがノーマル状態なんだから、もはや開いたクチがふさがらない…。

「ぜひ撮っていってくれよ。クルマと一心同体だぜ!」と、おもむろにTシャツをまくり上げるオーナー。背中には、ノーズにペイントされたイラストと同じイレズミが! オーナーの気合もハンパじゃないのだ。

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VOLKSWAGEN SEDAN

MAX SPEED:247.205km/h

3Lのインジェクション仕様でNOSまで追加!

60年以上に渡って生産され、世界中で愛されたドイツの国民車、VWビートルもボンネビル仕様に大変身!

エンジンは、もともと搭載されてた1.5Lに代えて、VWバス(タイプII)用のクランクケースにワンオフシリンダーを組みあわせた2914cc仕様のフラット4に換装。吸排気系の取り回しが独特で、空冷(油冷)式のためシリンダーには冷却フィンが切られる。

また、高回転化に対応するため、潤滑をドライサンプ方式に変更。インジェクション化が図られ、とNOSはウェットショットで各インマニにノズルを持つダイレクトショット方式を採用する。

助手席の位置にセットされた制御系パーツ。メインCPはエーデルブロックのクイックデータで、点火系はMSDでコントロールされる。ピークパワーは400psだ。

NAチューンで、ボディ形状も空力的に不利だろうけど250km/hに迫る記録はリッパ。

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JAGUAR XJ6

MAX SPEED:282.640km/h

ビュイック製直8搭載車がココにも! 燃料を変えて2クラスに出場

真っ白な塩の上で、つや消しブラックでオールペンされたボディがスゴ味を効かせるジャガー。

ボンネットを開けてもらうと、強引にバルクヘッドに食い込ませるように搭載されたビュイックの5326cc(325ci)直8を確認。インジェクション+ターボ化が図られる。吸排気がターンフロー式のため、タービンはスロットルボディの下あたりに装着され、最大ブースト圧は1.0キロだ。

左がエンジンに組まれてるコールデンロッド製コンロッド&CP製ピストン。右は1950年代のNASCAR用ピストンだそうだ。

冷却系も独創的で、容量30ガロンの水タンクを搭載しながら一般的なラジエターも併用。背面をダクト付きのアルミカバーで覆って、対角線上にセットされた電動ファンで強制的に走行風を抜く。その上はインテークダクトだ。

「去年まではキャブ仕様で460psくらいだったけど、今の仕様で何馬力出てるかはわかんないね」とオーナー。

コクピットは「これがジャガー!?」と思っちゃうほどスパルタンな仕上がり。ラグジュアリーセダンでありながら、このミスマッチ感がたまらない!

2009年はエタノールなどを燃料とするBFALTクラスのレコードを更新しただけでなく、ガソリンを燃料とするBGALTクラスにもエントリーして178.034MPH(286.457km/h)を記録した。

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FIAT X1/9

MAX SPEED:334.831km/h

バイク用エンジン&MTを換装! ボルトオンターボで450ps!

タイヤを隠すように延ばされたフロントノーズとチョップドルーフで一瞬「このクルマ、なに?」って感じだけど、その正体はフィアットが生み出した軽量リヤミッドシップマシン、X1/9だ。

そんなスタイリングと並んで注目なのがパワートレインで、なんとリッターバイク、スズキ隼(はやぶさ)の1.3L直4+6速MTをまるごとスワップ。リヤバルクヘッドをブチ抜いて、ラゲッジスペースもエンジンルームとして使用する。吸気ダクトやインテークパイプなどはDIY感が満点だ。しかも、プレシジョン製タービンによるボルトオンターボ化まで図られ、最大ブースト圧1.9キロ時に450psを発揮するそうだ。

インテリアも手作り感たっぷり。オモシロイのはシフトレバーで、なんとモンキーレンチを流用してるのだ。なんか、すごくメカニカルな感じがしてカッコいい。

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AUDI S4

MAX SPEED:358.801km/h

フルタイム4WDのおかげで超高速域でも安定感は抜群!

エントリーマシンのほとんどがボンネビルスペシャルという状況の中で、ナンバーつきの合法仕様と異色だったのがこのアウディS4。

エンジンはもともと縦置き搭載される2.2L直5を強化して、ギャレット製GT40タービンを組み合わせたボルトオンターボ仕様。最大ブースト圧2.2キロで730psを発揮する。

ワンオフスペシャル的な雰囲気はまるでなく、いわゆるチューニングカーっぽい仕上がり。まわりに過激なマシンが多いだけに、こういうエンジンルームを見ると落ちつく。

オーナーいわく、「フルタイム4WDだから200MPHを超えても直進安定性はバッチリ。とくに路面μの低いボンネビルを走るには、それが大きなアドバンテージになるんだ」とのこと。

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ALFA ROMEO SPIDER

MAX SPEED:368.224km/h

2Lターボ+4速MTで370km/hに迫る最高速をマーク!

フロントウインドウレスで樹脂&スチール製のワンオフノーズを備えたアルファスパイダー。

エンジンはFFモデル155用の2L直4で、ドライサンプ方式に変更。そこにホルセット製タービンを装着する。インマニの手前に設けられてるのは水冷式インタークーラーだ。

スペースの関係からEXマニを前方に伸ばし、エンジンの左前方にセットされるホルセット製タービン。エンジン制御はデルファイMEFIが担当し、最大ブースト圧1.5キロ時、7100~8000rpmの領域で550psをマークするなど高回転型に仕上げられている。

また、駆動系はアメリカ・マンシー製4速MTにマスタング用2.73ファイナルという組み合わせ。2Lターボながら370km/hに迫る最高速を叩き出したのだ。


●PHOTO:小林克好(Katsuyoshi KOBAYASHI)/TEXT:廣嶋健太郎(Kentaro HIROSHIMA)

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