10月23日(一般公開は10月24日)からはじまる東京モーターショー2019には、自動車メーカー以外の企業も、意欲的なコンセプト・モデルを出展している。ひとつは電機メーカーのパナソニック。自動運転時代を見据えた「SPACe_L」をひとあしはやくお披露目した。
SPACe_Lは、完全自動運転車が普及するとされる2030年を意識したモデル(現状、走行不可)。開発は、パナソニック・グループのパナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社が主に手がけた。
SPACe_Lは、2018年、アメリカ・ラスベガスのCES(International Consumer Electronics Show)ではじめて披露された。日本では、2018年10月のパナソニックの100周年記念イベント(東京国際フォーラム)にも登場、今回の展示は、それ以来になる。
レザーとウッドを贅沢につかったインテリア。定員は4人。「“動くリビングルーム”をコンセプトに、快適な車内空間をつくりあげました。インテリアは、パナソニックが長年培ってきた住宅関連のノウハウを盛り込んでいます」と、述べるのはパナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社 オートモーティブ営業本部の磯田利昭氏(営業企画部販売促進課 課長)。
独立式シートの4人乗りで、ふたりずつ、向かい合ってすわる。大型シートはリクライニング機能および空調機能付き。表皮はレザーだ。
「シート表皮にレザーを使ったり、インテリア・パネルにリアル・ウッドを使ったりして、クオリティを高めました」と、磯田氏。
SPACe_Lはコンセプト・カーのため、乗降口のドアはない。ドアを設置した場合、虹彩認識システム(目の虹彩の違いによって、ユーザーを判断する)によって開錠/施錠、ドア開閉をおこなうという。
虹彩認識システム用のモニター。虹彩認識中の様子。本物のウッドとレザーにかこまれたインテリアは心地よい。空気環境を改善するパナソニック独自の技術「ナノイー」も搭載する。照明は市販のLEDライトを26個使っているそうだ。
ふたつの大型有機ELパネル車内にはふたつの大型モニターがある。ひとつは天井だ。大型の4K有機パネルを装着し、サーモグラフィーをはじめさまざまな画像・映像を表示する。
天井に設置される大型の4K有機パネル。サーモグラフィーも表示可能。もうひとつはサイドウインドウ。ふたつの大型2K有機パネルが並ぶ。このパネルはタッチ式で、指で文字を書いたり、絵を描いたり出来る。
サイドウインドウには、ふたつの大型2K有機パネルが並ぶ。1枚のパネルには出来なかったという。展示車両ではふたつの映像が楽しめた。ひとつは、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサート映像だ。パナソニックとベルリン・フィルハーモニー管弦楽団は共同で、コンサート映像配信サービスの研究・開発を進めているという。
大画面で見るコンサート映像は臨場感たっぷり。しかも、天井の4K有機パネルには、コンサート会場の天井が表示されている。音響にもこだわったとのこと。
「合計22個のスピーカーを搭載しました。サウンド・システムの構築には、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のメンバーにも手伝っていただきました」と、磯田氏は述べる。
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサート映像は、サイドウインドウと天井に表示される。音量調整は、ウッドパネルに内蔵された非接触タイプのスウィッチで操作する。もうひとつの映像は、大阪府にある水族館「海遊館」の水槽内の様子だ。まるで、水槽のなかにいるかのような映像がサイドウインドウと天井に映る。
あたかも水槽のなかにいるかのような体験も出来る。テレビ会議用の格納式モニターも搭載。この場合、ほかの乗員がテレビ会議時に映り込まないような工夫が施されている。
テレビ会議用のモニターは電動格納式。モニターの液晶パネルは、有機ELではなく一般的なタイプ。SPACe_Lを東京モーターショーに展示する理由を訊くと、「ひとつは、自動車メーカーへの提案です。大型有機ELパネルなどの最新技術を見てもらい、営業活動につなげたいです。もうひとつは、一般ユーザーの反応です。多くの人の目に触れる機会は今回がはじめてなので、来場者から忌憚のない意見を聞き、それらを今後の開発につなげたいです」と述べる。
これからのクルマのインテリアを、自動車メーカーではなくパナソニックが変えていくこともあるかもしれない。
文・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.)
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