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<MotoGP>中上貴晶 初日15番手発進も…~実は重傷を押しての日本GPでした

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<MotoGP>中上貴晶 初日15番手発進も…~実は重傷を押しての日本GPでした

日本人唯一のMotoGPライダである中上貴晶(LCRホンダDEMITSU)。MotoGPクラス2年目、成績も安定してきたし、もう2年目なんだから言い訳もできないし、って気合を入れて臨んだはずの日本グランプリですが、初日はFP1/FP2とも15番手と今ひとつ。ふふふ、そうか、タカ、徐々に上げていくつもりだな、と思ったら今ひとつ表情もさえません。
実はタカ、シーズン中盤、オランダGPでの転倒(といってもバレンティーノ・ロッシにぶつけられて転んだやつ)で右肩を負傷していたのです。
「痛いな、でも大丈夫だろう、なんて我慢してやってきたんですが、精密検査を受けたら結構重症だってことがわかって…。関節唇ってところをケガしてしまって、ジョイントのところが削れているような、複雑な状態なんです。どっかをポッキリ折った、とかのほうがよかったくらい」と中上。

MotoGP2年目の中上の成績は、まずまずの上昇カーブを描いていました。マシンは4人のホンダユーザーの中で唯一の型遅れ、つまり2018年モデルですが、実はそれ、神経質だといわれる19年型RC213Vではなく、マルク・マルケスがチャンピオンを獲得したモデルなのです。有利なんだか不利なんだか。
そのマシンで中上は、開幕戦でトップ10に入賞してみせると、イタリアGPでは今シーズンベストの5位入賞! アメリカズGPでは、ほかの3台のホンダユーザーが軒並みリタイヤする中、唯一の完走! 走りに確実性も出てきて、このままいくと表彰台もイケるかも、なんて気もしていました。

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「タカは頑張ってるよ。去年はあんまりイケてない17年型で走ってて苦労してたけど、今年は型遅れとは言えチャンピオンマシンで走ってるからな。でも、もう少し行くといいな。いつもそう言ってるんだ。表彰台だって行けると思ってるんだけどね」とは、チームメイトのカル・クラッチロウ。

けれど中上は、負傷をひた隠しにしていました。そのうち治るだろう、我慢すれば大丈夫、でも痛いな、痛みなかなかひかないな…というシーズン後半戦だったのです。

「日本GPも控えてるし、我慢すれば何とかなる状況だったんですけど……。そのうち、プーチさん(アルベルト・プーチ=レプソルホンダのチームマネージャー)に気づかれてしまって、ミサノくらいから『早く手術しろ、長引くぞ』って言われてた。でもあと2つでもてぎだし、って踏ん張って、アラゴン→タイは連続10位とまずまずは走れたんですが……」

しかし、そのガマンも限界。ミサノGP前後でLCRの監督、ルーチョ・チェッキネッロさんやHRCにも負傷を打ち明け、やはり早期手術を勧められたものの、自分の意志で、やはり日本GPに出たい、と。もちろん、自分の体調だけに、決してムチャしているわけではなかったけど…。

「もてぎはストップ&ゴーレイアウト。フル加速してフルブレーキ、ってレイアウトで、体にはキツいだろうな、とは思ってたんですが、想像以上でした。もう、FP1を走り始めてすぐに『これはヤバい』って思って。なんとかFP1を走り切って、FP2は痛み止めを飲んで走ったんですけど、あんまり効かなくて…。3周もしたらシビれてきちゃう。思い切って走るとか、マシンのセッティングとかそういうところまで行けてもいないんです」

その結果がFP1/FP2の15番手。これから巻き返せるじゃん、カルから0秒7しか遅れてないし、ホルヘより上なのに、と思っても、もうタカの体は悲鳴を上げっぱなし。こうなるともはや、早く休め、と言いたいし、もてぎだって無理すんなよ、と言いたいところですが、年に1度の日本GP。日本のファンもたくさんきてくれているし、張り切っちゃうのもわかるし…。が、がんばれよタカ、でも無理すんなよ、って、僕らメディアの人間もなんと声を掛けたらいいかわからない状況なんです。

結局、中上はこの日本GPを最後に今シーズンのレースを終了し、手術と療養、リハビリに入ります。全治3か月、今シーズン中の復帰はなく、シーズンオフのテストに復帰できるかどうか。

「あす土曜は雨っぽいので、体への負担は減ると思いますが、FP3で走ってみて、レースに出るかどうかをチームと相談しようと思います」

せっかくの会見なのに、最後まで元気のなかったタカ。右手はポケットに入れっぱなしで痛そうで、それでもファンのみんながサインして―、って来ると、サインに応じています。サインするのも辛そうなのに……。

がんばれよ、タカ。でも無理すんなよ。そんなどっちやねん、な声掛けしかできませんが、ひとまずタカの決勝進出は、発表を待ちましょう!

写真/Honda 中村浩史 文責/中村浩史

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