■「ヴィッツ」全面刷新と同時に車名も変更した狙いとは
トヨタは、同社のコンパクトカー「ヴィッツ」を10年ぶりにフルモデルチェンジしました。併せて、車名も世界統一名「ヤリス」とし、4代目となる新型「ヤリス」を2019年10月16日に世界初公開しました。世界最高レベルの燃費性能を実現したハイブリッド仕様もラインナップされます。
ヴィッツが大変身! 4代目新型「ヤリス」詳細を画像でチェック(57枚)
初代ヴィッツ(欧州名:ヤリス)が登場した20年前から大きく変わった小型車の市場の変化に合わせ、大きく進化させたという新型ヤリス。いったいどんなコンパクトカーになっているのでしょうか。
初代ヴィッツは、「スターレット」の後継にあたるクルマとして1999年1月に発売されました。発売直後から受注状況は好調で、発売から1か月の間に国内受注台数が約2万200台を記録するなど、多くのユーザーから評判となります。1999年の年間販売台数は、15万台以上を記録し、一躍コンパクトカー市場を代表するモデルとなります。
日本自動車販売協会連合会が発表した2019年度上半期(4月から9月まで)の新車販売台数ランキング(軽自動車・輸入車を除く)において、ヴィッツは全体の9位に位置し、モデル末期にも関わらず、安定した売れ行きを示しています。
そんななか、トヨタはヴィッツを骨格から変更するほどの全面刷新をおこない、20年間国内で続いた車名も捨て、欧州名のヤリスに統合するという決断を下しました。
※ ※ ※
車名の変更がおこなわれた背景には、どのような狙いがあるのでしょうか。
トヨタの豊田章男社長は「ヴィッツを始めとするひと昔前までのコンパクトカーは、主にセカンドカーとして使われていました。しかし、今回の新型ヤリスはコンパクトカーの概念を打ち破るために、ファーストカーとしても乗れるクルマにしたいという想いで車名を『ヤリス』に変えました」とコメント。
また、トヨタの吉田守孝副社長は、新車市場の動向について次のように話しています。
「初代ヴィッツが1999年に登場した当時、世界の自動車市場のシェアは、先進国が75.8%だったのに対して、新興国などでは24.2%でした。しかし、2019年では先進国が43.5%、新興国などでは56.5%と大幅に変化しています。
新興国でのニーズが急激に高まるなかで、先進国と新興国という、ニーズがそれぞれ大きく異なるお客さまの要望を両立させていかなくてはならないという状況に直面しています。
そのため、今後は新興国向けのコンパクトカーはダイハツと協力して開発をおこない、成熟した市場となる先進国はトヨタがコンパクトカーを作っていきます」
世界の新車市場の変化や、コンパクトカーのユーザーへこれまでにない高い性能を持つクルマを提供するという決意を新たにしたことから、車名の変更やプラットフォームの刷新を伴うフルモデルチェンジがおこなわれたということです。
■トヨタ初の機能を多数装備! 新型ヤリスの性能は?
全面刷新された新型「ヤリス」は、具体的にはどのようなコンパクトカーに仕上がっているのでしょうか。
車体の基礎となるボディ骨格には、TNGAプラットフォーム「GA-B」が初採用され、搭載されるエンジンは、1リッター直列3気筒ガソリンと、TNGA思想に基づいた1.5リッター直列3気筒ガソリン、そして1.5リッター直列3気筒ガソリンにモーターが組み合わされるハイブリッド仕様の3種類です。
ハイブリッド仕様は、世界最高レベルの低燃費と、加速力の向上を両立させているといいます。
トランスミッションは全車にCVT(ハイブリッドは電気式無段変速)が用意されるほか、1.5リッターエンジン仕様には「iMT」と呼ばれる6速MT仕様がラインナップされます。
駆動方式は2WDのほかに、4WDのグレードも設定され(1リッターエンジン仕様を除く)1.5リッターハイブリッドにはトヨタのコンパクトカーで初となるE-Four(電気式4WDシステム)が採用されました。
外装は「B-Dash!」をテーマに、大胆(BOLD)に、活発(BRISK)に、かつ美しく(BEAUTY)、鋭い加速で弾丸のようにダッシュするイメージが込められました。内装は、過度な加飾のない運転に集中できる空間となっています。
さらにシート位置の復帰に便利な「イージーリターンシート」(トヨタ初)や、フロントシートが回転・チルトして乗り降りを補助する「ターンチルトシート」(トヨタ自動車初設定)が用意されるなど、運転前の準備も楽におこなうことができます。
予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」は、トヨタ初となる右折時の対向直進車や右左折後の横断歩行者も検知する最新型が標準装備されました(一部グレード除く)。歩行者検知(昼夜間)や自転車検知(昼間)にも対応し、トヨタ最高レベルの安全性能を誇ります。
低速時の事故予防を補助する「低速時加速抑制機能」(トヨタ初)も新たに追加されました。「レーダークルーズコントロール」や「レーントレーシングアシスト(LTA)」をはじめとした各種運転支援機能も備わっています。
また、最新鋭の駐車支援システム「Advanced Park」をトヨタ初搭載。事前に駐車位置を登録することで白線のない駐車場でも使用できる世界初の機能を持つほか、ハンドル・アクセル・ブレーキをクルマが制御し、駐車に必要な操作を支援します。
コネクティッド機能も強化され、スマートフォンと連携するディスプレイオーディオおよびDCM(車載通信機)が全車に標準装備されました。
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新型ヤリスは、2020年2月中旬の発売前に、2019年10月25日より一般公開が始まる東京モーターショー2019の期間中、東京・お台場のヴィーナスフォートで先行展示されます。
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