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業界ニュース 2019.10.12

2駆SUVの決定打? 個性派シトロエンが送り出すC3エアクロスSUVをレビュー

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今やロールスロイスがSUVを世に出し、フェラーリもこのカテゴリーのモデルを開発中という時代、フランスの個性派シトロエンだって、世のSUVブームは見逃せない。そこで最近シトロエンが、2種類のSUVを日本に導入した。C3エアクロスSUVと、C5エアクロスSUVである。

そこでまずはC3エアクロスだが、その名のとおりこれはBセグメントのハッチバックで、日本におけるシトロエンのベストセラーでもあるC3をベースにしたSUVだ。スタイリングもノーズ周辺などはC3そのものに見えるほどだが、フロントドアから後方やキャビン周りのデザインは、明らかにハッチバックと異なる。

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パノラミックサンルーフや、17インチアロイホイールなどが付属するSHINEパッケージオプションなども用意されている。もちろん、スタンダード仕様でも十分に個性的。けれどもこれは、単にC3の背を高くしただけのSUVではない。そのボディはC3より全高が高いだけでなく、全幅も広く、全長も165mmほど長い。実はホイールベース自体をハッチバックの2565mmから2605mmへと、40mm伸ばしているのだ。

搭載するエンジンは、2グレードとも同じで1.2ℓ 直列3気筒ターボエンジン。最高出力は110psで、最大トルクは205Nmを発揮する。トランスミッションは6速オートマチックを組み合わせる。だがその一方で、中身のメカニズムはC3ハッチバックと事実上変わっていない。エンジンは1.2リッター3気筒ターボで、110㎰のパワーと205Nmのトルクも同じ、トランスミッションもアイシン製6段ATと変わらず、駆動方式も4WD仕様はなく、FWD=前輪駆動のままだ。

ラゲッジルームの荷室容量は通常410ℓ。後席を一番前にスライドすることで520ℓへ拡大、さらに後席を全て折りたためば最大1289ℓまで拡大する。2.4mほどの長尺物も積むことができる。それでもボディ拡大の結果、車重はC3の1160kgからC3エアクロスはシャインという中間モデルで1290kgと、130kg重くなっている。それに対応してサスペンションの設定は変わっているはずだが、最低地上高はハッチバックと同じ160mmのまま。つまりSUVとはいえ、オフロード走行を強く意識したクルマではない、ということが分かる。

インテリアのデザインは基本的にC3ハッチバックと同様だ。SHINEパッケージオプションでは後席でも前後のスライドとリクライニングが可能になり、より快適に寛げる。十分なパワーと敏捷性とはいえエアクロスは、ノーマル、スノー、マッド、サンド、オフの5種類のトラクションモードを選べるグリップコントロールを備え、急坂を安全に下るためのヒルディセントコントロールも標準装備して、路面の変化に対応している。

そこで室内に乗り込むと、ダッシュボードのデザインやシートそのものは細部を除いてC3ハッチバックと同じ形状だが、着座位置は明らかにC3より高く、SUV感が充分に味わえる。試しにリアシートに座ってみると、ホイールベースと全長が伸びたぶん、レッグルームはハッチバックより明らかに余裕があるのを実感できる。と同時に、ラゲッジスペースもハッチバックより確実に広くなっている。

走ってみると、ドライビング感覚はC3ハッチバックとあまり変わらない、というのが正直な印象だ。前記のように車重は130kgも重くなっているのに、低速から使えるトルクを捻り出す1.2リッター3気筒ターボエンジンの恩恵で、少なくとも試乗時の一人乗車では、踏めば常に充分な加速が手に入った。

と同時に、ボディも着座位置も高くなっているにもかかわらず、コーナリングに背が高いことによる不安感はなく、ステアリング操作に対して素早く反応して、けっこう身軽な感じでよく曲がる。これもエアクロスの意外なことのひとつだった。

乗れば感じる“シトロエンらしさ”ただし乗り心地に関しては、C3ハッチバックより粗さを感じた。サスペンションはソフトで、乗り心地は基本的にシトロエンらしいのだが、16インチのサマータイヤ、BSトランザを装着していた試乗車は、舗装の突起などを越える際にタイヤから伝わるショックが、同じ16インチを履くハッチバックより明らかに強く感じられた。

ところがこれに関しては、意外なことがあった。後に17インチの韓国ハンコック製オールウェザータイヤを履いたシャインのパッケージ仕様に乗ってみたら、インチアップしてバネ下重量が重くなっているはずなのに、不整路でのショックは16インチのサマータイヤより明らかに軽かったのだ。

その代わりオールウェザータイヤは、コーナリング時の切り始めのレスポンスがサマータイヤ装着車よりわずかに遅れる感じがあったが、それも敢えて比べればというレベルの違いだから、オールシーズンタイヤも悪くないと思った。ただしウェットな路面でのグリップに関しては、試していないので何ともいえないが。

背の高さと重量増の影響で、冷静に観察すればC3エアクロスは動力性能も燃費もコーナリングも乗り心地も、少しずつだがハッチバックより劣っているといえるわけだが、その違いは決して大きなものではない。しかも、他のブランドではなくシトロエンのSUVを走らせているのだという感触は、常に実感できる。

クルマに関してあまり流行に左右されない僕のような人間には、C3のハッチバックではなくエアクロスを選ぶ積極的な理由を見出すのは、正直なところ難しい。けれども、コンパクトで軽快な運転感覚の、オフロード志向の強くないSUVを求めている向きには、C3エアクロスはその有力候補に抜擢できるクルマだと思う。

ちなみにエアクロスのプライスは、C3ハッチバックよりもおよそ30万円前後高い、263万8000円~295万4000円という範囲にある。

文・吉田 匠 写真・柳田由人 編集・iconic

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(GQ JAPAN 吉田 匠)

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