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業界ニュース 2019.10.12

ユーザーは続々と所有からシェアへ! 日本の自動車メーカーに迫る存続の危機とは

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 じつはクルマを活用している人の数はいまも減っていない!

 若者のクルマ離れといわれて久しいが、クルマ離れするのは若者だけではない。年齢を問わず、クルマ離れの動きは否定できない。ただし、クルマ離れという言葉遣いが曖昧であり、正確にいえば、クルマ所有離れということだろう。

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 国内のクルマの保有台数は、バス/トラックなど商用車を含め現在520~530万台で推移している。その大半は乗用車だ。もっとも台数が多かったのは1990年代のバブル経済期で、700万台であった。それからすると、200万台弱のクルマが路上から姿を消したことになる。一方、商用車はそれほど変化がない。したがって、減ったのは乗用車であり、自動車メーカーが危機感を覚えるのは当然だ。

 一方、カーシェアリングの会員数は150万人に達している。つまり、所有はしないが利用する人が150万人いて、所有し利用している520~530万人と合計すると、670~680万人がクルマを活用していることになる。その数は、バブル期の保有台数の700万台に近い。

 つまり、クルマ離れはしていないことになる。そして、クルマ所有離れしていることが明らかだ。ここを見極めず、単純に若者のクルマ離れなどという認識でいるので、ドリフトしている映像を流せば人はクルマに関心を寄せるといったような勘違いが起こる。

 メーカーのクルマづくりと消費者のニーズが合っていないことも

 しかも、新車が登場するたび、野放図に車体を大型化し、ついには大衆車として誕生したカローラまで3ナンバー車となる始末だ。クルマ単体で見れば、性能が上がったり室内が広くなったりすることで商品性が上がったように錯覚するが、自宅の車庫はクルマとは違い広くはならない。また、大きくて立派で高性能なクルマが欲しければ、一クラスも二クラスも上の車格の新車を買えばいいだけだ。自分が担当した新車の商品性向上ばかりに目を向けているから、消費者が求めていない新車を開発し、所有離れを誘発しているのである。

 ドイツのスポーツカーメーカーであるポルシェは、いま世界にエクスペリエンスセンターを開設している。日本へも、数年後に千葉県の木更津に完成する予定だ。いまや、ポルシェといえどもスポーツカーだけでなくSUVも販売し、その売り上げがポルシェの屋台骨を支えている。しかし、SUVが本領を発揮する未舗装路での運転は、ほとんど体験できない状況にある。そこで、スポーツカーならではの高速性能だけでなく、未舗装路での走破性を体験できる場を建設しているのだ。

 それはいわば、乗馬クラブのような施設と考えるといい。本来の楽しみを、限られた敷地内ではあるけれど堪能できる場所だ。では、そこへの往復はどのようなクルマがいいだろうか。もちろんポルシェも候補の一つだろうが、安全性で世界にその名を誇るボルボなら安心だと思う消費者もあるだろう。この筋書きからいえば、ポルシェとボルボは名のあるクルマとして生き残ることができそうだ。では、それ以外のクルマはどうだろう。

 あえて、そのクルマを選ぶ理由を、所有ではなく利用の視点で満たす国産車が現われなければ、いずれ消えゆく運命にあるのではないか。20年前、世界一の米国ゼネラルモータースが潰れると思った人はいなかっただろう。だが、結局会社更生法を仰ぎ、出直しを図らざるを得なかった。なおかつ、世界に名をとどろかせた米国ビッグスリーは見る影もない。ならば、国産自動車メーカーが単に販売台数という規模ではなく、将来への展望を具体的に示せぬままでいたら、この先の存続は保証できないだろう。

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(WEB CARTOP 御堀直嗣)

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