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〈BMW S1000RR〉大胆進化の意欲作、BMW最強スーパーバイクを試乗インプレッション!(2019/10)

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〈BMW S1000RR〉大胆進化の意欲作、BMW最強スーパーバイクを試乗インプレッション!(2019/10)

BMWが誇る最強のスーパースポーツ、新型S1000RRがいよいよ日本上陸! シフトカム機構を採用し、200馬力オーバーを誇る新エンジンに、新形状のフレームを組み合わせた新型の走りはどんなものか? 上陸したての1台をじっくり試乗しました!

まずはサーキット試乗で「猛烈な速さ」を体感!
新型S1000RRは、外観だけでなく、フレーム、エンジン、足回り、電子制御系にいたるまで、全てを一新している。

次世代ハンターカブ「CT125」のディテール全部見せます!

エンジンはシフトカム機構を搭載しながらコンパクトで軽くなった。

パワーはなんと207馬力! でも、神経質ではなく、5500回転から1万4500回転までの幅広いゾーンで100Nm以上ものトルクを生み出し、まるで大型ツアラーのような扱いやすさだという。

このエンジンもスゴいが、フレームも大胆に変わった。

メインビームはスリムで、そのレイアウトまで変更。見るからに特定の場所でしなりを生む構成だ。

オプションで用意されているセミアクティブサス・DDCなどは、まるで最新の家電製品のように、世代が変わるごとにその制御が進化している。

もともと異次元のパワーとスポーツ性能を誇るこのクラスにあって、S1000RRは非常に扱いやすいモデルだ。さて、新型になって走りはどう変わったのだろうか?

今回はまず、富士スピードウェイでスタンダードモデルを数周走らせることができた。

新型は、ひと言で言えば「猛烈に速い」。

最終コーナーを余裕を残して立ち上がっても、ピットエンド付近でメーターは310km/h手前あたりを表示する。

メーターはあくまで目安だが、とにかく300km/hを越えるまでの素早さ、加速が旧型より圧倒的に速い。

BMWは最高速を305km/hと公表しているが、これはきっと控えめな数字。

実際はもっと速いはずだ。

RIDING POSITION
身長:176cm・体重:68kg

SSらしい戦闘的な強前傾姿勢。

ただ、下半身でのホールドが自然に決まるので高速巡航で上体を支えやすい。

ヒザまわりがこれまでよりスリムになった感覚があり、このクラスのSSにしては足着き性もいい。

BMW S1000RRの主なスペック
全長×全幅×全高 2070×740×1160mm
ホイールベース 1440mm
シート高 824mm
車両重量 200(196.5)kg
エンジン形式 水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量 999cc
ボア×ストローク 80.0×49.7mm
圧縮比 13.3
最高出力 207HP/13500rpm
最大トルク 11.5kg-m/11000rpm
燃料供給方式 FI
燃料タンク容量 16.5L
キャスター角/トレール量 66.9度/93.9mm
変速機形式 6速リターン
ブレーキ形式 前 φ320mmダブルディスク 後 φ220mmディスク
タイヤサイズ 前 120/70ZR17 後 190(200)/55ZR17

確実に速く、パワフルだが扱いやすさも大きく進歩!
驚いたのはそのパワーの扱いやすさだ。シャープなツキになる傾向の「レース」モードで走ったが、そのレスポンスタッチに過度なシャープさはなく、とても優しい。

特にパワフルな1万1000~1万4000回転あたりをキープするのでさえ、非常にたやすい。

加えて、切り返しでの動きが身軽になっていた。

このあたりは今回「狙って」手を加えられたパートだと思っていいだろう。

この後、セミアクティブサス・DDC付きの車両に乗り換え、今度はいつもテストをする西伊豆方面までツーリングした。

今度の試乗車は、サス、トラコン、エンブレ、ABSなどを一括可変できるシステムの付いたオプションパッケージ仕様。これがまたよくできている。

S1000RRは、これまで4000~5000回転から上でかなり硬質の振動がハンドルなどに出ていて、新型になるたび少しずつ弱まってはいたが、ツーリングモデルから乗り換えたライダーにはキツかった。

これが今回の新型にはほぼない。低中回転域から6速でも走れるし、峠で1速・1万4500回転まで使える扱いやすさまであった。

ライディングモードPROを「ロード」モードにして走るとサスは非常にソフトな動きで、ツーリングモデルなみに乗り心地がよくなる。

「ダイナミック」にすると少し強めの減衰でピッチングは減り、峠でちょっとスポーツしたいときにはハンドリングタッチもSSらしくカチッとしたものになる。

「レース」にするとコーナー進入時の一次旋回、スロットルを合わせてからの旋回性まで、ごく自然かつ強力になるが、かつてのS1000RRや新型のスタンダードほどバネの反発力は感じないから、サスコントロールの手強さを感じないですむ。

むやみにトラコンも作動しないし、気分よく回せる。

しかも、荒れた路面でもラインを変えることなく、しっかりしたスタビリティも発揮する。この制御の進化も新型の大きな魅力だ。

でも、新型S1000RR最大の魅力は、速くなった、力強くなった、軽快になった、快適になった、という個々の進化点より、それらをバランスよく「使える魅力」として上手にまとめたことなのだ。

DETAILS 各部をチェック!
先代モデルのスタイリングは初代モデルを継承したものだったが、新型はまったく新しいスタイリングを採用。

まるでムダをそぎ落とした、アスリートのようなフォルムだ。

最近のスーパースポーツではマストアイテムになりつつあるクイックシフターを標準装備。

素早いシフトチェンジを可能にする。

ブレーキランプは従来の別体式ではなく、左右のLEDウインカーに内蔵される、ハーレーのような方式に変更された。

単体重量で4キロもの軽量化を果たしたエンジンは、非常にコンパクト。

シフトカムや逆回転クランクなどの採用で、パワーと運動性能の向上を実現している。

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●PHOTO:南 孝幸 ●TEXT:宮崎敬一郎、本誌編集部

BMW S 1000 RR 公式サイト
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