■「東モ」を彩ったスポーツモデルのコンセプトカーたち
2019年10月23日から「第46回東京モーターショー2019」のプレスデーが始まり、10月25日からは一般公開されます。すでに各メーカーから続々と出展概要が発表され、さまざまなコンセプトカーが明らかになってきました。
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そこで、過去の東京モーターショーで出展されたコンセプトカーのなかから、とくに話題となったスポーツモデル5車種をピックアップして紹介します。
●日産「スカイラインGT-R」
1989年に16年ぶりとなる復活を遂げた日産「スカイラインGT-R」(R32型)は、その高性能さで大いに話題となります。
スカイラインは好調なセールスを記録していましたが、当時は4年毎にフルモデルチェンジが一般的だったので、1993年にはスカイラインが次期型のR33型にフルモデルチェンジします。しかし、GT-RはR32型が継続して販売され、新型には移行しませんでした。
そして1993年10月に開幕した第30回東京モーターショーの日産ブースに、次期型スカイランGT-Rが展示されると賛否両論の意見が沸き起こります。
次期型スカイランGT-RはR33型をベースとして正常進化を遂げているはずでしたが、とくにデザインについては否定的な意見が見受けられました。その多くは、スカイラインGT-Rとしてあまりにも鈍重なイメージで、精悍さが無いというものでした。
実際、ボディサイズは大型化していましたが、フロントフェイスは先代のキープコンセプトとしていたためか、かなりあっさりとした印象でした。
そこで、日産はデザインを大幅に変更し、モーターショーから1年以上も経った1995年に新型スカイラインGT-Rを発売します。
●ホンダ「SSM」
1995年に開催された第31回東京モーターショーで、ホンダブースに展示されたオープン2シーターのコンセプトカー「SSM」が大いに話題となりました。
SSMは「Sports Study Model(スポーツスタディモデル)」の略で、後の「S2000」のスタディモデルです。
エンジンは当時製造していた2リッター直列5気筒をベースにしたものを、フロントに縦置きに搭載し、リアを駆動するFRレイアウトを採用していました。
外観は、すでにS2000のイメージを色濃く持つ、ロングノーズショートデッキの古典的なスポーツカーのプロポーションを進化させたイメージで、来場者にはかなり好評でした。
ヘッドライトの位置やルーフの取り付けを想定していない外装は、あくまでもコンセプトカーとしてのデザインでしたが、ホンダのFR車復活に対する期待が、かなり高まりました。
そして4年後の1999年にS2000のデビューによって、期待が現実になります。
●マツダ「RX-EVOLV」
1999年の第33回東京モーターショーにマツダブランドのイメージリーダーカーとして「RX-EVOLV(エボルブ)」が出展されました。
RX-EVOLVは、新開発されたMSP(マルチサイドポート)ロータリーエンジン「RENESIS(レネシス)」をフロントに搭載するFR車で、自然吸気で最高出力280馬力を目標に設定。
ボディサイズは「RX-7」とほぼ同じながら、前後ドアが観音開きになる4ドアを採用し、大人4人が快適に過ごせる居住空間を確保しながらスポーツカーとして優れた運動性能を同時に実現していました。
RX-EVOLVの内外装のコンセプトはそのまま2003年に発売された「RX-8」として結実したのはいうまでもありません。
■市販が熱望されたモデルだが叶わず!?
●三菱「Concept-X」
「ランサーエボリューション」シリーズとして進化が限界に近づいていた2005年、三菱「ランサーエボリューションXI」が発売されました。この年の第39回東京モーターショーの三菱ブースに新世代のランサーエボリューションを予感させる「Concept-X」が展示されました。
外観はジェット戦闘機をモチーフとした大きなグリルが印象的で、新しい三菱車を象徴する端正かつ精悍なフォルムを実現。
Concept-Xのエンジンはオールアルミの2リッター直列4気筒MIVECターボを搭載。組み合わされるトランスミッションは、クラッチ操作が不要で、通常のMT以上の俊敏な変速とトランスミッション効率を高める6速AMTとなっていました。
ボディは剛性を高めつつアルミ素材を多用して軽量化を両立し、車両運動統合制御を実現した「S-AWC(Super All Wheel Control)」を搭載することで、究極の走りを目指したといいます。
そして、2年後の2007年にConcept-Xのコンセプトを継承した「ランサーエボリューションX」がデビューします。
●トヨタ「S-FR」
トヨタは2012年に「86」を発売し、数少ないFRライトウェイト・スポーツモデルを復活させました。そしてトヨタはさらなるFR車として86よりも小型の「S-FR」を2015年の第44回東京モーターショーに出展します。
S-FRは意のままにクルマが反応し、日常使いのなかでもクルマとの対話ができる楽しさを、エントリーモデルで実現したコンセプトモデルです。
ボディは全体が丸みをおびたクラシカルな印象で、サイズが全長3990mm×全幅1695mm×全高1320mmと86よりもひとまわりコンパクトに設定。
エンジンをフロントミッドシップに搭載したFR車で、最適な重量配分と独立懸架のサスペンションで優れたコーナリング性能を実現し、6速MTの採用により走る楽しさと操る楽しさを追求しています。
S-FRは2016年の東京オートサロンにもレース仕様が展示されるなど、市販化に向けて大きな期待が高まりましたが、現時点で市販化は不明です。
※ ※ ※
かつて、東京モーターショーはいわゆる「世界3大モーターショー」のひとつに数えられていました。しかし、2008年に発生したリーマンショック以降は海外メーカーを中心に出展社数が減少し、現在は世界3大モーターショーからは外れてしまっています。
出展社数の減少によって展示車両も少なくなっていますので、寂しい状況が続いていますが、それでも国内メーカーの最新モデル、最新技術が目のあたりにできるのが東京モーターショーです。
今年の東京モーターショーも多くのコンセプトカーや新技術が発表されますので、いまから楽しみに待つとしましょう。
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