昭和は遠くなりにけり・・・だが、昭和生まれの国産スポーティカーは、日本だけでなく世界的にもブームとなっている。そんな昭和の名車たちを時系列で紹介していこう。今回は昭和63年発売のいすゞ ジェミニZZ ハンドリングbyロータスだ。
伝統のダブルズィー、精緻な脚を持つ
いすゞ ジェミニZZ ハンドリングbyロータス:昭和63年(1988年)2月発売
FFジェミニのデビューは昭和60年(1985年)5月にさかのぼり、GMの世界戦略車「Rカー」の日本向けモデルとして開発されたものだった。
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初代ジェミニはGMと提携関係にあるオペルのカデットにいすゞ製エンジンを載せたものだったが、FFとなった2代目のボディはいすゞ製で、GMのシボレー ブランドでも販売された。このように、いすゞはGMやオペルとつながりがあり、イルムシャーチューンも同社がオペルのモータースポーツチューナーというつながりによるもの。ハンドリングbyロータスでのロータスとの提携は、同社がGM傘下になった関係で実現。その後、ロータス・エランの復活へとつながる。
FFジェミニが発売された当時はまだFR車も残っており(1986年まで継続)、FFスポーティバージョンは1986年5月に追加された1500ターボ・イルムシャー(JT150型)が出るまで、FRのZZ-Rが担っていた。1987年2月にはマイナーチェンジを実施、印象的な薄型異形ヘッドランプを持つスタイリングとなった。
同じGM傘下の英国ロータス社によるサスペンションチューンが施されたZZハンドリングbyロータス(JT190型)の登場は、1988年2月である。4ドアセダン、3ドアHB(ハッチバック)の両方に設定されており、従来からの前ストラット/後コンパウンドクランク式サスペンションに、強化ブッシュやモノチューブタイプ・ガス封入式ダンパーなどを採用した足まわりを持ち、ガチガチに固められたイルムシャーとは対照的に優れたロードホールディングと乗り心地を両立したセッティングが施されている。
3ドアもセダン同様、やや硬めのサスは高速域になるほどフラットな乗り心地となり、弱アンダーのステア特性も通好みのセッティングであった。
このZZには新開発の4XE1型4気筒DOHC16バルブが搭載されていた。最高出力135ps/最大トルク14.3kgmのパワースペックで、モーターマガジン誌のテストでは187.32km/hの最高速度を記録した。このエンジンは後にイルムシャーにも投入されている。
1989年6月、ZZの豪華仕様といえるZZ-SEが追加された。エクセーヌ地のレカロシートやフッ素樹脂塗装、BBS製アルミホイール、BOSEスピーカーなどを装着し、セダンにのみ設定されていた。
いすゞ ジェミニ4ドアセダン ZZ ハンドリングbyロータス 主要諸元
●全長×全幅×全高:4070×1615×1370mm
●ホイールベース:2400mm
●重量:960kg
●エンジン型式・種類:4XE1型・直4 DOHC
●排気量:1588cc
●最高出力:135ps/7200rpm
●最大トルク:14.3kgm/5600rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:185/60R14
●価格:161万円
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