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「ホンダFFミッドシップの歴史、ここに始まる!」直5エンジン縦置きのアコードインスパイア【ManiaxCars】

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「ホンダFFミッドシップの歴史、ここに始まる!」直5エンジン縦置きのアコードインスパイア【ManiaxCars】

ラグジュアリーにして、ほどよくスポーティ!

純正オプションの本革シートと電動ガラスサンルーフを装備

「ナイトシーンを彩る“LEDトランスプレート”登場!」フロントフェイスに個性の演出を

アコードとレジェンドを間を埋める車種として1989年9月に発売されたCB5型アコードインスパイアと兄弟モデルのビガー。注目は縦置き直5エンジンのミッドシップFFという、世界初のレイアウトを採用してたことだ。

エンジンは新開発となる2L直5DOHCのG20A型。160ps/19.0kgmというカタログスペックは当時2Lトップクラスを誇るもので、1次偶力バランサーを内蔵することで直6やV6に匹敵する低振動や静粛性も実現。また、低重心化を図るため、エンジン本体は右に35度傾けて搭載されていた。

黒い結晶塗装仕上げとなるカムカバーには『20VALVE』のプレートが付き、インマニにも『PGM-FI』と書かれたカバーが装着される。CC系インスパイア&ビガーも同様。ところが、そのあとに開発されたCE系アスコット&ラファ―ガ、UA系インスパイア&セイバーになるとコストダウンのため簡素化されることに。

また、ブレーキフルードタンクとパワステオイルタンクにエキマニの熱が及ばないよう遮熱板が設けられている。

その後方に組み合わされるミッションはデフギヤボックスをエンジン中央左側に配置し、ミッションから前方に伸びるエクステンションシャフトで駆動トルクをデフギヤに伝達。クランクケースを貫通するドライブシャフトを介して前輪を駆動するという革新的なパワートレインとなっていた。

グレードはTCSとALBを標準装備する最上級のAX-iを筆頭に、AG-i、AZ-iの3つ。ミッションはAX-iが4速ATのみ、AG-iとAZ-iには5速MTも用意された。取材車両のAX-iオーナーにして極度のアコードインスパイアマニアでもあるSくんいわく、「いちばん変態なのは幻のグレードと言われている廉価モデルのAZ-i。リヤドラムブレーキでスタビライザーもフロントのみ。パワードアロックや後席アームレストも省かれていて、なによりダッシュボードに本木目パネルが装着されてないんです!」とのこと。

対してSくんのAX-iはボディ色がイメージカラーのジュネーブグリーンパールで、オプション設定されていた薄型電動スモークドドガラスサンルーフと本革シートを装備。高校生の頃から10年ほど探し、近所の整備工場にポツンと放置されてたのを購入した。その時、すでにインスパイアの最上級グレード25エクスクルーシブ所有してたから、CC2とCB5の2台体制だったわけだ。

が、結婚を機に1台手放さなければならなくなった。Sくんは悩んだ末、かつてお父さんが乗っていて思い入れが強かったことと、不調な箇所や欠品パーツが多く、ここで自分が手放したらスクラップになってしまうということから、AX-iを手元に置いておこうと決めたそうだ。

「25エクスクルーシブは本革シートもサンルーフも標準装備ですが、AX-iはどちらもオプション設定でした。全部付きは希少なので、絶対にスクラップや部品取りにされてはいけない個体だと思います」とSくん。

シートに合わせて本革巻きとされたステアリングホイール。運転席エアバッグもオプション設定されていたけど、取材車両には未装着だった。ATセレクターレバーはガングリップタイプ。最終型でT字タイプに変更される。メーターはATシフトポジションインジケーターを中心として右側にスピードメーターと燃料計、左側にタコメーターと水温計が配置される。

センターコンソールは上からオートエアコン操作パネル、2DINオーディオスペース、シガーライター&灰皿。オーディオは純正フルロジックカセット付きAM/FMチューナーに、ギャザズの3連装CDチェンジャーが組み合わされる。

また、ダッシュボード右側には電動スモークドガラスサンルーフ、AX-iに標準装備されるクルーズコントロールなどのスイッチが並ぶ。

ダッシュボードの本木目パネル。AX-iには樹齢200~300年の北米産ミルトルの玉杢(たまもく)、中間モデルAG-iには樹齢150~300年の西アフリカ産ゼブラの柾目(まさめ)と、グレードによって原木を使い分けるという手の込みよう。さすがはバブル期に設計されたクルマ、コストのかけ方がハンパでなかった。

本来AX-iのシート生地はエクセーヌが標準。本革シートには豊かな肌触りの厳選されたなめし革が使われる。運転席はスライドとリクライニングが電動調整式となり、腰の負担を軽減するランバーサポートも装備。

アームレストを兼ねるセンターコンソールボックスには車名エンブレムがあしらわれる。

たっぷりしたクッションが与えられた後席。ヘッドレストは高さ調整式で、センターアームレスト奥のリッドを手前に倒すとテーブルとして使え、トランクスルー機能もある。Cピラー内側にはサイドピローとインテリアランプも装備。

電動スモークドガラスサンルーフはAX-iとAG-iにオプション設定されるもの。十分なヘッドクリアランスを確保する薄型設計とされている。強い陽射しを防ぐスライディングサンシェードと、オープン時に風の巻き込みを抑えるディフレクターが備わる。

縦置きエンジンをさらに傾けて搭載することで重心を下げ、ボンネットも低く設計することが可能になったために実現できたスタイリッシュなフォルム。純正アルミホイールは6JJ×15でAX-iに標準装備。それに組み合わされるのは純正と同じ205/55サイズのプレイズだ。

G20A型エンジンは1500rpmも回ってれば十分なトルクを発揮。3000rpmあたりからパワー感を高めつつ、5気筒特有のちょっと曇ったサウンドを発しながらスムーズに吹け上がっていく。ウェット路面だったこともあるけど、ゼロ発進からちょっとラフにアクセルペダルを踏み込むとTRCが作動するほどで、排気量2LのNAと考えれば動力性能に不満はない。

それから足回り。ブッシュ類を交換してることで微振動などはシャットアウトされ、路面をキレイにトレースしていく。操舵力は適度な油圧アシストにより、ホンダ車にありがちな軽すぎることはなく手応えもしっかり。ヘンなクセがなく鼻先が向きを変えるところにフロントミッドシップを実感する。

独自の世界観と走りを実現。CB5の個性は今でも輝きを放ち続ける。

■SPECIFICATIONS

車両型式:CB5

全長×全幅×全高:4690×1695×1355mm

ホイールベース:2805mm

トレッド(F/R):1464/1470mm

車両重量:1350kg

エンジン型式:G20A

エンジン形式:直4SOHC

ボア×ストローク:φ82.0×75.6mm

排気量:1996cc 圧縮比:9.7:1

最高出力:160ps/6700rpm

最大トルク:19.0kgm/4000rpm

トランスミッション:4速AT

サスペンション形式:FRダブルウィッシュボーン

ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク/ディスク

タイヤサイズ(F/R):205/55R15

PHOTO&TEXT:廣嶋健太郎(Kentaro HIROSHIMA)

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