フレキシブルに使えて走りも楽しい
ここ2年ほど「SUVに軸足を置いたミニバン」とでもいうべきか、ミニバン的に使える三列シートを持つSUVに注目が集まっている。
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このジャンルに注目が集まった起爆剤といえば、2017年登場のラージSUVであるマツダCX-8であろう。
これまでも3列シートを持つSUVはトヨタのランドクルーザー&ランドクルーザープラド、日産エクストレイル、三菱アウトランダーのガソリン車といったクルマがある。
今年、日本向けは残念ながら生産終了となった三菱パジェロも然り、3列シート仕様は昭和の時代からあって特に新しいものでもないはずだ。
ミニバンとSUVの融合へ
ではなぜCX-8に注目が集まったのか?
それはマツダがプレマシーやビアンテといったスライドドアを持ついわゆるミニバンから「マツダ車にとってのミニバンの重要性」を再検証したこと。人員、開発費、時間といった限られた開発資源を有効に使うための「選択と集中」を行なうべくミニバンから撤退、CX-8をミニバンユーザーの受け皿としたためである。
CX-8はボディが大きいだけに2時間程度の乗車であれば十分使える3列目シートを備えるだけでなく、これまでには追突された場合における細かな安全基準がない3列目シート車もあったが、この安全性にもシッカリと配慮している。
さらに2列目は3人掛けのベンチシートに加え、独立したシートに2人が座れるキャプテンシートも設定。ミニバンとしての使い方にも十分対応しているのだ。
このような提言をしているCX-8というクルマが登場しただけに、予備軍を含めたミニバンユーザーには「ミニバンもいいけど3列目シートの使用頻度が多くないならば、3列シートSUVも検討する価値がある」と考える人が増加。結果、このジャンルに対する注目が高まったとも言えるだろう。
3列目シートの使用頻度が少ないのであれば、燃費、乗り心地やハンドリング、動力性能はミニバンよりも有利。雪道や悪路など最低地上高の差による走破性の高さもSUVの圧勝、スタイルもファミリーカー的なミニバンよりもSUVの方がパーソナルな感じがするなど、3列シート仕様のSUVは合理的な選択であるのだ。
今後の動向に関してはトヨタが次期ハリアーをこのジャンルに参入させるという噂もある。3列SUVがミニバンの代わりになるということはないにしても、ボディサイズによって「補助席的、2時間程度まで」といった3列目シートのおける価値を変えながら、ミニバンとしても使えるSUVとして根強く売れるジャンルに成長する予感がしてならない。
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