■なかには危険な場合も? 交差点でのアイドリングストップ
クルマの無駄な燃料消費を防ぐために「アイドリングストップ」があります。近年は、自動化され「自動アイドリングストップシステム」として、さまざまなクルマに搭載される装備です。
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しかし、このアイドリングストップをおこなうことが推奨されないケースが、なかにはあるといいます。いったい、どのような場合が当てはまるのでしょうか。
アイドリングストップは、クルマが動いていないときにエンジンを停止することを指します。近年普及が進んだ自動アイドリングストップシステムでは、駐停車時や信号待ちでクルマが停止すると作動して、エンジンが自動で止まるものが多いです。
このシステムが搭載されたクルマであれば、エアコンの動作状況やハンドルの切れ角(交差点の右左折中か否か)などを検知して、アイドリングストップの作動を自動で判断することから、ドライバーがクルマ任せにできる点も便利だといえます。
しかしクルマによっては、アイドリングストップをおこなうべきではない場合が存在します。それは、自動アイドリングストップシステムがついていないクルマが、信号待ちをしているというシチュエーションです。
手動のアイドリングストップとは、ドライバーが自分でエンジンを停止させることですが、この状況下では、エアバッグをはじめとした安全装置や、方向指示器、ワイパーなどが動作しないことがあるほか、バッテリー上がりでエンジンが再始動しない場合、さらに誤操作や発進の遅れが起きる恐れがあります。
一般社団法人「日本自動車工業会」は、交差点でおこなう手動アイドリングストップについて、安全面で問題があるという見解を示しているほか、十分に注意するようホンダも呼びかけています。
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手動のアイドリングストップを交差点でおこなうという事例が起きてしまった理由として考えられるのは、「アイドリングストップ」が指す範囲が変化してきたということが挙げられます。
自動アイドリングストップシステムの普及が進んでいなかった1990年代後半に、JAFは「アイドリング・ストップ1200万人宣言推進運動」を開始。
このときにJAFは、推奨される行為として「無用なアイドリングをやめる(駐車時にはエンジンを止める)」ことを挙げています。推奨されるのはあくまで駐車時であり、停車時、すなわち信号待ちのアイドリングストップではありませんでした。
しかし、その後急速に普及が進んだ自動アイドリングストップシステムは、駐車時だけでなく、信号待ちなどの停車時でも自動でエンジンが停止します。クルマ任せで済むというメリットを、自動車メーカーも盛んに宣伝しました。
そのことから、いまではアイドリングストップは「信号待ちでエンジンを停止すること(またはその機能)」を指す言葉へ徐々に変化したといえるでしょう。
技術の進化により、言葉の細やかなニュアンスも変化した一例であるといえます。
■アイドリングストップが煩わしい人に向けた装備とは
一方、信号待ちでも安全にエンジンが停止する自動アイドリングストップシステムにも、じつはあまり知られていないものがあります。それが、「アイドリングストップキャンセルスイッチ」です。
アイドリングストップキャンセルスイッチは、自動アイドリングストップシステムを一時的にオフにするスイッチです。スイッチの場所はクルマによって異なりますが、多くの場合、ステアリングの奥やセンターコンソールに配置されています。
スイッチが用意されている理由としては、渋滞中のノロノロ運転などのシチュエーションにおいて、エンジン停止/始動が頻繁に繰り返されることを防ぐことなどが挙げられます。
また、エンジンが動作し続けることでエアコンも常時作動状態となるため、車内も快適な温度を保てることもメリットです。
アイドリングストップのキャンセルが有効となるのは、基本的にはエンジンが切られるまでの間です。しかし、常時キャンセルで良いと考えるユーザー向けに、サードパーティメーカーから車種専用のキャンセラーが販売されている場合もあります。
自動アイドリングストップシステムは、近年さまざまな車種に搭載されるようになりましたが、ユーザーの好みはさまざまだといえます。
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