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【試乗】新型アウディ Q8|2400kmのロングランでもドライバーに負担をかけない頼もしい存在

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【試乗】新型アウディ Q8|2400kmのロングランでもドライバーに負担をかけない頼もしい存在

都内から北海道へ、往復2400kmにわたるロングインプレッション

アウディからクーペフォルムのフラッグシップSUV「Q8」が登場した。

アウディ Q8のカタログはこちら

2ドアと思わせるようなスタイリングで、直線的なボディサイドのプレスラインは、凛とした佇まいとスポーティさを感じる。

Q8の本質は、2m近い全幅と弟分のQ7よりも全長が短く、全高が低いプロポーションにある。他を寄せ付けない優雅さを感じさせる。

今回、この優雅なモデルで2400kmにわたる長距離を走り、感じた部分をお伝えしたい。

試乗したQ8は、ギャラクシーブルーメタリックという少々グリーンを混ぜたようなブルーメタリックである。地中海に似合いそうなエレガントな色だ。

しかもホイールは標準の20インチ(十分大きい)サイズから”Sライン”のオプションの22インチに変更されている。横から見るとホイールハウスのタイヤの部分が少なくとにかくスタイリングは最高だ。

エンジンは3L V型6気筒ターボの3.0 TFSIユニットで340馬力を発生させる。トルクはわずか1500回転弱で5L級の力を発揮する。

それに加え、48Vのマイルドハイブリッド・システムが搭載される。このシステムはアウディ A8と同様のシステムであるので、フラッグシップとして申し分ないパワーシステムだ。

Q8に乗る機会に恵まれた瞬間、試乗コースとして思いついたのは、都内から北海道の苫小牧までの往復である。苫小牧周辺は競走馬で有名なファームがたくさんある。そこでストレスのない生活を送っている馬たちを見てみたかったのだ。

飛行機で行けば速い。しかし、目的地に行くまでの道や町を走り抜けながら楽しみたいと思った。それには疲れない車は必須で、私の中ではQ8がピッタリなモデルである。

とにかくマグロで有名な青森県大間港を目指す。そこからフェリーに乗って函館に上陸して苫小牧へ、というルートだ。 

静粛性が高く、首都高のコーナーも安定してクリアできる

まずは、都内の幹線道路を走る。ストップ&ゴーを繰り返して感じたのは静粛性能が抜群にいいことだ。そして、大きなボディでもフロント寄りにあるキャビンの恩恵で見切りは良好だ。

ようやく首都高速入口に到達する。ゲートを通過して加速しても、リアが沈むこともなく車体は安定している。4号線の緩いコーナーは路面に吸い付くように曲がっていく。

大仏様の手のひらに座っているかのような、柔らかな素材を使ったシートも身体が吸い付くようだ。

首都高速中央環状線に入り、長いトンネルに差し掛かる。合流するためにアクセルを踏み込んでも、キャビン内は静寂に包まれ上品な合流が可能だ。 

ACCを使えば長距離も快適。悪天候でも高い走破性を発揮

東北自動車道まで首都高のカーブでステアリングフィールを楽しむ。全体的に軽やかなセッティングで四輪駆動のクワトロシステムの介入は、違和感なく手助けしてくれる印象だ。

予定では青森県三沢あたりまで約700kmを走り国道と県道で大間に向かう、という長い道のりだ。途中、八幡平で温泉に入る予定で東北道を走る。

ヨーロッパではこのくらいの距離は1日で行く。一方で、日本の道でこの距離を1人で走るのは結構しんどい。速度差もあるからだ。しかしこのQ8だと、1人でステアリングを握りACCを使って何も考えずにあっという間に安達太良サービスエリアに到着することができた。

仙台あたりから台風の影響で雨風がひどくなった。そこで津軽フェリーから電話が入る。何やら大間から函館は欠航らしい。

何か手はないかと尋ねると、深夜の青森からのフェリーならば函館行きに間に合うとのこと。急きょ大間から青森フェリーターミナルに変更だ。

しかし、横殴りの雨でも高速の水たまりでもスタビリティに迷いはない。正確に車の挙動を読み取る。クワトロの制御とACCがドライバーの疲労軽減と安心感を高めてくれた。

八幡平の温泉に向かうために夜の県道を走る。街灯もなければ明かりもない。頼れるのはこのQ8とのヘッドライトである。ヘッドライトは光を自動制御するHDマトリクスLEDヘッドライトだ。これが素晴らしく遠くまではっきりとカーブを照らす。

ポルシェ カイエンのヘッドライトもお気に入りだが、暗闇の山道をここまで明確に照射するライトは初めてだ。  函館フェリーターミナルに着船する15分くらい前にQ8に乗り込み下船の準備だ。フェリーの口から次々と車が出発する。狭いフェリーの中でも取り回しは非常に良い。

とりあえず函館の風情ある街並みに向かった。日本最古のコンクリート電柱などを見たり函館の埠頭が一望できる場所に行ったりと、車ならではのルートを回った。 時間にゆとりがなかったので苫小牧に向かう。大沼もきれいだが左手にある蓮のような葉がたくさん浮いている魅力的な蓴菜沼は目を引いた。

大沼公園から道央自動車道に乗る。ACCを使ってのんびりと走る。台風一過の翌日は澄み渡った青空だ。何気なく入った八雲PAは素晴らしい景色を提供してくれた。雄大な景色を見ていると長距離ドライブの疲れも癒してくれる。

4時間少々で目的地のファームに行くことができた。草原には馬たちがリラックスして草を食べている。この中にも将来の勇士がいるのだろう。Q8に怖がることなくゆっくりと寄ってくる。  ここまでおよそ1200km。波に揺れるフェリーの3時間半が長く感じるほどQ8は快適なドライビングであった。帰路は行きとは少々違って、函館から大間のフェリーターミナルに向かう。 

帰路の渋滞もなんのその! Q8は優雅な長距離ドライブを可能にしてくれる

大間に到着、時間は夜の9時を過ぎている。ここから県道と国道を乗り継ぎながら東北道に乗り込む。東北道に入るまで3時間ほど走る。真っ暗な夜の田舎の道はなんだか怖い。

恐山方面という看板を見ると余計に怖さが湧いてくる。狭い山道でも軽快なハンドリングだ。

休憩を取りながら翌朝の10時には首都高速に突入した。渋滞でもACCを使って疲労を和らげる。これだけシートに座っているにも関わらず、蒸れた感じや腰やお尻の疲れを感じさせない。

サスペンションの設定はずっとオートモードにしていたが、必要に応じて細かく切り替わっていたのであろう。

ほとんどわからないくらい、細かく自然に硬さが切り替わっていた。特に高速は大きな船に乗っているようで快適な乗り心地だった。

山間部はスポーティなハンドリングを実現し、車を小さく感じさせてくれる。そして台風の雨風でも車の直進安定性を確保する。

これが優雅な長距離ドライブを支えてくれるポイントなのだ。長距離ドライブは素晴らしい時間を与えてくれる。それを支えて快適な旅へと導いてくれるのが、Q8なのだ。 文、写真/松本英雄【試乗車 諸元・スペック表】●55 TFSI クワトロ デビューパッケージ Sライン 4WD型式AAA-F1DCBA最小回転半径6.2m駆動方式4WD全長×全幅×全高5.01m×2m×1.69mドア数5ホイールベース3mミッション8AT前トレッド/後トレッド1.68m/1.69mAI-SHIFT-室内(全長×全幅×全高)-m×-m×-m4WS△車両重量2170kgシート列数2最大積載量-kg乗車定員5名車両総重量-kgミッション位置フロア最低地上高0.2mマニュアルモード◯標準色ディープブラックオプション色ナバーラブルーメタリック、オルカブラックメタリック、グレイシアホワイトメタリック、デイトナグレーパールエフェクト、フロレットシルバーメタリック、ドラゴンオレンジメタリック掲載コメント-型式AAA-F1DCBA駆動方式4WDドア数5ミッション8ATAI-SHIFT-4WS△標準色ディープブラックオプション色ナバーラブルーメタリック、オルカブラックメタリック、グレイシアホワイトメタリック、デイトナグレーパールエフェクト、フロレットシルバーメタリック、ドラゴンオレンジメタリックシート列数2乗車定員5名ミッション位置フロアマニュアルモード◯最小回転半径6.2m全長×全幅×全高5.01m×2m×1.69mホイールベース3m前トレッド/後トレッド1.68m/1.69m室内(全長×全幅×全高)-m×-m×-m車両重量2170kg最大積載量-kg車両総重量-kg最低地上高0.2m掲載用コメント-エンジン型式DCB環境対策エンジン-種類V型6気筒DOHC使用燃料ハイオク過給器ターボ燃料タンク容量85リットル可変気筒装置-燃費(JC08モード)10.3km/L総排気量2994cc燃費(WLTCモード)-燃費基準達成H27年度燃費基準+10%達成車最高出力340ps最大トルク/回転数n・m(kg・m)/rpm500(51)/4500エンジン型式DCB種類V型6気筒DOHC過給器ターボ可変気筒装置-総排気量2994cc最高出力340ps最大トルク/回転数n・m(kg・m)/rpm500(51)/4500環境対策エンジン-使用燃料ハイオク燃料タンク容量85リットル燃費(JC08モード)10.3km/L燃費(WLTCモード)-km/L燃費基準達成H27年度燃費基準 +10%達成車

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