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業界ニュース 2019.9.10

【継続、進化は力なり】ライバルが存在しない孤高の日本車5選

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 クルマも商品であるだけに、スポーツ選手やスポーツチームのようにたいていのクルマには競合車があり、切磋琢磨しながら進歩を続けるものである。

 しかし、少数ながらライバルとなるクルマが存在しない、あるいはライバル車があるにしても、ライバル車があるのを忘れさせるくらい強い存在感を持つクルマというのもある。

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 当記事ではそんな日本車をピックアップし、そういったクルマたちがマーケットを独占できる理由やライバル車を圧倒できる理由を考察する。

文:永田恵一/写真:TOYOTA、NISSAN、MAZDA、MITSUBISHI、SUZUKI

トヨタクラウン

【画像ギャラリー】ライバルが不在の孤高のクルマたち

ゼロクラウン以降、クラウンが若返りを画策しているが、『日本人の心のクルマ』という点では今も昔も変わらない。日本人のためのクルマの最高峰だ

 クラウンはライバルが輸入車に変わりつつある点も含め、日本車のラージセダンでは圧倒的な販売台数をキープしているモデルである。

 その理由を考えてみると、クラウンは当時のアメリカ車を手本とした1955年登場の初代モデル以来、スピードレンジや駐車事情といった日本の道路環境を強く配慮したイージードライブな高級車というコンセプトを60年以上継承。

 この点が日本人の心を打ち、名キャッチコピーである「いつかはクラウン」のように依然として日本人が買うクルマのゴールの1台として相応しい存在感を持つ。

セドリック/グロリア時代はクラウンの対抗馬としてコアな人気を誇ったが、フーガになって以来すでにライバルと呼べる存在ではなくなった

 また「保守的なクルマ」というイメージが強いクラウンであるが、イメージとは対照的に歴代挑戦を行ってきたクルマでもある。

 振り返ってみると、失敗に終わったもののアヴァンギャルドなスタイルを採用した4代目、日本初のスーパーチャージャーを採用した6代目、マジェスタが日本初、世界的にも非常に早いタイミングでVSC(横滑り防止装置)を採用した10代目、直6エンジンからV6エンジン+新世代のプラットホームに移行し「ゼロクラウン」のキャッチコピーも記憶に残る12代目、そして日本専用車ながらドイツのニュルブルクリンクでのテストを行った現行15代目と、印象深いモデルが多い。

 この2点がクラウンのブランドイメージを高め、結果的に日本車にはライバルがいないという圧倒的な強さを誇っているのではないだろうか。

1971年にデビューした4代目クラウン(通称クジラクラウン)は、その斬新なフロントマスクにより販売面で苦戦したがチャレンジングだった

トヨタアルファード&ヴェルファイア

現行モデルは押し出しの強さ、威厳でアルファードがヴェルファイアを凌駕している。ライバル不在ながら、強いて言えばアルファードのライバルはヴェルファイア

 2002年にかつてのグランビア/グランドハイエースの後継車として初代モデルが登場したアルファード(当時はアルファードのみ)は、1997年に高級ラージミニバンというジャンルを開拓したエルグランドのフォロワー(後追い)である。

 フォロワーながらアルファード&ヴェルファイアがエルグランドや若干毛色が違うもののライバル車だったエリシオンや現行オデッセイを圧勝した理由を考えてみる。

■初代アルファードで同時期の2代目エルグランドの初期モデルが3.5L、V6のみだったのに対し、2.4L、直4も設定し、新車価格、維持費ともにリーズナブルだった(2代目エルグランドも後に2.5リッターV6を設定)

■FRだった2代目エルグランドに対し、初代アルファードはFFとしたことにより高い室内高や乗降性のよさを得た

■2004年登場のエリシオンに対しては、フロントマスクが大人しいエリシオンに対し、初代アルファードは押し出しの強さという、このクラスのミニバンに求めたいアドバンテージを持っていた。

■アルファード&ヴェルファイアは2015年に現行3代目にフルモデルチェンジされ、キープコンセプトながらさらに高級感を向上。売れているクルマだけに2017年末には世界トップクラスの性能を持つ新世代の自動ブレーキを装備するなどのビッグマイナーチェンジを行い、一層完成度を高めた

 という過程からもわかるとおり進化を続けている。ユーザーが何を要求しているのかを鋭く察知して対応しているのが凄い。

Lクラス高級ミニバンの先駆モデルの日産エルグランドは待望のFF化となった3代目で大きく失速。その後放置されたままなのが残念。自らライバル返上した状態

 今やアルファード&ヴェルファイアは日本車においてクラウンと双璧を成すほどの、ミニバンというジャンルを超えた高級車に成長。

 ライバルであるはずのエルグランドはFF化した現行型攻勢をかけるつもりが自滅、その後は手を入れず放置したままで戦いを半ば放棄した状態だ。

 オデッセイ、エリシオンに至ってははなからライバルではなかったのでは、と感じるほど歯が立たなかった。

マツダロードスター

 ロードスターは「1970年代あたりまで存在し、衝突安全性などの規制強化で絶滅してしまったライトウエイトスポーツカーを現在の技術で復活する」というコンセプトで1989年に初代モデルが登場。

1989年に初代のユーノスロードスター(左上)がデビューして以来、現行モデルで4代目(左下)。継続して作り続けていることがすばらしい

 非常にわかりやすいコンセプトであるが、そういったクルマを小型のFR車で市販車にするというのは自動車メーカーにとって非常に大きな賭けである。

 しかしマツダは紆余曲折を経てゴーサインを出し登場した初代ロードスターは、速くはないけど乗って楽しい点、ラゲッジスペースを持つなどの一応の実用性を持つこと、200万円程度というリーズナブルな価格といった要素を理由に世界的なヒット車となった。

 これはリスクを覚悟して商品力の高いクルマを作ったのだから、当然と言えば当然だ。

 初代ロードスターが大ヒットしただけに1990年代中盤以降になると、トヨタMR-S、BMW Z3、MG-F、フィアットバルケッタといったライバル車も登場。しかしライバル車はZ3がZ4に移行したくらいで、初代モデルで絶版となってしまったクルマばかりだ。

2代目ロードスターのライバルとして登場したトヨタMR-S。MR2の後継モデルで次のモデルも期待されたが、1代限りで消滅してしまった

 対してロードスターはマツダが本当に苦しかった1990年代後半から2000年代前半にかけても歯を食いしばって存続し、現在も4代目モデルを進化しながら継続している。

 その甲斐あってロードスターはクルマを通して、走る、手を加える、オーナー同士のお付き合いといった様々な楽しみ方ができるスポーツカーに成長。ロードスターが孤高の存在である最大の理由は継続できたことに尽きると思う。

三菱デリカD:5

デリカD:5の先祖とも言えるデリカスターワゴンはタフな4WDを搭載したオフロードを走れる1BOXということで絶大なる信頼を得た。その信頼は現在まで続く

 デリカは2代目モデルに4WDを加えて以来、「オフロードも走れるミニバン(当時の言葉では1BOXカー)」というコンセプト、セールスポイントを確立。

 1980年代後半から1990年代前半にかけてはパジェロも絶大なブランドイメージを持っており、相乗効果で当時三菱自動車がよく言われたRV王国という牙城の構築に大きく貢献した。

 デリカが現在も含めコンスタントに売れているのを思うと他社からライバル車が出てもよさそうなものだが、そういったクルマは思い浮かばない。

 これはデリカが孤高の存在となったためロードスターのように牙城を崩すのは難しい、デリカはコンスタントには売れているけど、すごく売れているというほどではなかったからその種のクルマを他社が作ってもそれほど売れないと判断した、4代目のスペースギアは1994年の登場から2006年まで生産された長寿車だったため、他社は存在を忘れていたといった事情のためだろうか。

世界中探してもミニバンや1BOXでこういう芸当ができるのはデリカD:5だけ。そのオフロード性能は本格SUVをも凌駕するレベルでライバルは存在しない

 デリカ自体も現行モデルの5代目D:5は2007年登場と古いクルマであるが、根強い需要により今年超ビッグマイナーチェンジを行い、クルマ自体のグレードアップに加え、自動ブレーキやACCの装着といった時代に合わせたアップデートを実施。

 超ビックマイナーチェンジで魅力を大幅に向上したデリカD:5は一層ライバルのいない孤高の存在となりそうだ。

 ただ、2020年初に発売されるというトヨタTJクルーザーは、デリカの牙城を切り崩そうとしている1台のように映るため、デビュー後に注目したい。

SUVとミニバンのクロスオーバーカーのトヨタTJクルーザーは武骨でタフなエクステリア+先進の4WDシステムということで、まさにデリカD:5イーター

スズキジムニー

 ジムニーは50年近い歴史を持つ、日本では軽のジムニーを中心とした本格クロカン4WDである。

 1990年代中盤まではまったくライバル車がいない孤高の存在だったのだが、1994年にパジェロミニ、1998年にはテリオスキッドというライバル車が登場。

2018年にフルモデルチェンジしたジムニーは初代、2代目をオマージュしたエクステリアが大好評で現在も長い納車待ちが続いている

 パジェロミニには十分に硬派な中での軟派な部分、テリオスキッドは4ドアというジムニーに対するアドバンテージがあったのだが、2台は現在絶版となっている。

 その大きな理由は、ボディ構造がパジェロミニ、テリオスキッドともにモノコックボディかつ両車フロントサスペンションがストラットと、通常時には両車のアドバンテージは大きいにせよ、悪路をライフラインのように使われることもある(つまり安全なところまで戻ってこれないと命の危険があるという場面)この種のクルマにはジムニーの伝統であるラダーフレーム、四輪リジッドサスペンション、パートタイム4WDの強さというアドバンテージの方が評価されたように感じる。

2012年6月をもって生産終了した三菱パジェロ。以来7年が経過するが、復活を願う声は根強く存在している。最新のS-AWC搭載のパジェロミニに期待したい

 またジムニーのような趣味性の高いクルマの場合には必要性はともかくとして、本格的なメカニズムのほうが「乗ってみたい」というイメージが強い面もありそうだ。

 もうひとつの要因としては三菱自動車が2000年代以降不振に陥ってしまったため、パジェロミニが2代目モデルで絶版となり、3代目モデルが今のところないということもあるだろう。

 いずれにしてもパジェロミニとテリオスキッドが絶版となったなかでもジムニーは継続したおかげもあり、昨年4代目モデルにフルモデルチェンジされた現行ジムニーは今も長い納車待ちが続く人気車となっている。

★    ★    ★

 今回取り上げた5台は2台のトヨタ車を除くと、ライバルを圧倒する性能のクルマではない。

 しかしライバル車がいない、ライバル車を圧倒する孤高の存在であるのは、ブレない信念のあるコンセプトを持ち、苦しい時でもそれを長年続けているうちにライバル車が参入すら諦めてしまった、ライバル車が自滅してしまったということに尽きると思う。

 どんな商品でもライバルがいないというのは市場を独占できる最大の武器だけに、非常に難しいことにせよこの5台に続くクルマが現れ、日本の特産品としてジムニーやロードスターのように世界中で愛されるクルマが登場する日を心待ちにしたい。

合理化優先の現在では難しいが、ロードスターのように長く愛される日本車が増えることが、今後の日本のクルマ界を活性化させる起爆剤になるはず

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(ベストカーWeb 市原信幸)

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