2019年8月29日、ビー・エム・ダブリュー(株)はBMWのコンパクトモデルである1シリーズをフルモデルチェンジして発売した。デリバリーは11月以降に開始の予定だ。(タイトル写真は、M.キニガー BMW ブランド・マネジメント本部長)
FRからFFへ。それでも「駆けぬける歓び」は忘れない
BMW 1シリーズはCセグメントのハッチバックだ。初代は2004年に登場。2011年に2代目にフルモデルチェンジされ、今回のモデルは3代目にあたる。2019年5月までに、初代と2代目を合わせて世界中で約250万台、日本では約10万台を販売している。
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新型1シリーズの最大の特徴は、従来型まではFRだったが、この新型からはFFとなったこと。先に登場している2シリーズ グランツアラー/アクティブツアラーやX1、X2と同様に、MINIのプラットフォームをベースにしている。
サイズは、全長4335×全幅1800×全高1465mm(118i)、ホイールベースは2670mmで、従来型と全長はほぼ変わらないが、全幅はわずかに広がり、全高も少し高められ、ホイールベースは20mm短くなっている。
最近デビューしたBMW車と同様、キドニーグリルは大型化してフロントグリル全体がキドニーグリルとなっている。ヘッドライトは4灯ヘキサゴナル(六角形の)LED式。ボディサイドにはくっきりしたプレスラインが入り、BMW伝統のL字型リアコンビライトは新デザインとなっている。
スポーツグレードのM135i xドライブは、メッシュデザインのキドニーグリルや直径100mmのデュアルエキゾースト・テールパイプ、セリウムグレーのアクセントでアグレッシブな外観とされている。
FF化した恩恵で、後席のフットスペースは従来型より約40mm広くなるなど、室内空間の機能性は改善されている。インパネまわりでは、5.1インチのメーターディスプレイと8.8インチのコントロールディスプレイが目を引く。10.25インチのディスプレイ2つ備えたBMWライブコックピットやヘッドアップディスプレイもオプション設定されている。
ラゲッジスペースはフル乗車時で380Lと従来型より20L増加し、リアシートバックを倒せば最大1200Lまで拡大する。
パワートレーンは、118iは1.5Lの直3(140ps/220Nm)、M135iは2Lの直4(306ps/450Nm)のガソリンターボを搭載。前者はFF+7速DCT、後者は4WDのxドライブ+8速トルコンATの組み合わせとなる。
新型1シリーズには、日本仕様のBMW車として初めてタイヤスリップ・コントロールシステムのARBを搭載している。これは、エンジンコントロールユニットで直接スリップを感知して、その信号を直接エンジンに伝達することでFF車特有のアンダーステアを大幅に抑制する機能だ。
AI技術を活用して、音声で車両の操作や情報へのアクセスが可能になる「BMW インテリジェント パーソナルアシスタント」は装備可能。車載通信モジュールにより、ドライバーとクルマや情報をITネットワークで繋ぐ「BMWコネクテッド・ドライブ」は標準装備。
運転支援機能では、新たにレーンチェンジ・ウオーニング、後部衝突警告機能、クロストラフィック・ウオーニング(リア)、スピードリミット情報表示機能が追加されたドライビングアシストを標準装備している(118iを除く)。
新型1シリーズのグレードと車両価格(10%税込)は、以下のとおり。ハンドル位置は、すべて右のみ。
118i(1.5L 直3ターボ):334万円
118i プレイ(1.5L 直3ターボ):375万円
118i Mスポーツ(1.5L 直3ターボ):413万円
M135i xドライブ(2L 直4ターボ):630万円
Aクラスを筆頭に、MFA2プラットフォームで車種を増殖しているメルセデス・ベンツ。フォルクスワーゲンも新型ゴルフの登場が近い。Cセグメントのハッチバック輸入車市場は、しばらくの間は激戦が続きそうだ。
BMW 118i 主要諸元
●全長×全幅×全高:4335×1800×1465mm
●ホイールベース:2670mm
●重量:1390kg
●エンジン種類:直3 DOHCターボ
●排気量:1499cc
●最高出力:103kW<140ps>/4200-6500rpm
●最大トルク:220Nm<22.4kgm>/1480-4200rpm
●トランスミッション:7速DCT
●タイヤサイズ:205/55R16
●10%税込み価格:334万円
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