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業界ニュース 2019.8.29

人気ジャンルなぜ撤退? マツダとスバルがミニバンをやめた理由とは

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■かつてはマツダもスバルもミニバンを販売していた

 いまなお人気の高いクルマのカテゴリーは、多くの人を乗せることができるミニバンです。

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 2019年1月から6月の新車販売ランキングを見ても、上位10位までに日産「セレナ」、トヨタ「シエンタ」「ヴォクシー」、ホンダ「フリード」がランクインするなど、日本のミニバン人気の高さが感じられます。

 ところが、そんな人気のミニバンをラインナップに持たないメーカーがあります。マツダとスバルです。なぜマツダとスバルは、ミニバンを販売しないのでしょうか。

 ドル箱ともいえる人気のミニバンですが、マツダもスバルも興味がないわけではありません。過去には、両社ともミニバンを販売していました。

 マツダは、「MPV」「ビアンテ」「プレマシー」を、ほんの数年前まで販売していたのです。なかでもプレマシーは、日産に「ラフェスタ」としてOEM提供するほどの人気を誇っていました。

 一方、スバルのミニバンといえば「エクシーガ/クロスオーバー7」がありました。スバルは、水平対向エンジンを縦置きにするプラットフォームを全車に使うため、箱型のミニバンが作りにくいという事情があります。

 そこで、ミニバンといっても背の低い5ドア・ボディで3列シートの「エクシーガ/クロスオーバー7」を2018年まで販売していました。これは2000年代に人気があったホンダ「ストリーム」とトヨタ「ウィッシュ」と同じスタイルです。

 ちなみにスバルは、GMと提携していた2000年代前半に、GMからOEM提供されていた「トラヴィック」という箱型のミニバンを販売していた歴史もあります。

 かつてはミニバンを販売していたマツダとスバルですが、最近になって両社ともミニバンの販売をやめています。ただし、マツダは新たに3列シートを備えたSUVの「CX-8」をリリースしました。他人数乗車のニーズに対して大型SUVで応えようというわけです。

 マツダは、ミニバンからSUVに多人数乗車を変更した理由を、次のように説明します。

「CX-8は、“多人数=ミニバン”という概念を打ち破る新たな選択肢として開発した商品です。スライドドアを採用したミニバンボディの場合、スライドドア機構や開口部の大きさなどの理由から、ボディ剛性や重量面が不利となり、デザイン面でも制約があります。

 これに対してマツダは、2012年のSKYACTIV技術や魂動デザインを採用した新世代商品を導入以降、デザインや走り、質感といった領域に一貫して注力しています。

 マツダが新世代商品で目指す“走る歓び”を実現しつつ、多人数乗車のニーズにも応えたマツダらしい3列シートモデルとするためには、CX系をベースにしたSUVボディとするのが望ましいと考えたためです」

※ ※ ※

 最近ではメルセデス・ベンツ「GLE」やBMW「X7」、アウディ「Q7」といった欧州のプレミアムブランドでも3列シートの大型SUVが続々と日本でデビューしています。

 トヨタ「ランドクルーザー」も3列シート仕様が人気があるように、大型SUVの3列シートは、これから人気を集めることになるのではないでしょうか。

■小さなメーカーは選択と集中が必要

 一方スバルは、2018年3年に「クロスオーバー7」の生産を終了しました。

 スバルは、ミニバンを廃止した理由と今後の展開について、次のようにコメントしています。

「エクシーガは、最後はクロスオーバー7になりましたが、生産終了したのは弊社の商品ではこのカテゴリーのニーズがなくなったことが大きな理由です。そのような事情もあり、後継モデルの予定はいまのところはありません。

 また、北米で販売されている3列シートSUVの『アセント』については、日本導入の予定はありません。これは車格が大きすぎるため、日本国内のディーラーのピットが対応できないという背景があります。

 もちろんニーズが高まれば考えますが、現状ではないということです。とにかくいまは、ほかにニーズのある商品がありますので、そちらに注力したいと考えています」

 背の低い5ドアのミニバンの人気は、2000年代のうちに終わってしまったのでしょう。人気を牽引していたストリームとウィッシュも同じように生産終了となり、後継モデルは登場していません。ミニバンの人気の主流は、スライドドアを備えた背の高い箱型スタイルになっているのです。

 マツダとスバルが箱型のミニバンを作らないのは、それぞれに理由がありました。しかし、 根底には会社の規模が小さいからという事情があるともいえます。

 マツダの日本国内の販売台数は軽自動車をあわせても年間20万台から22万台、スバルは15万台から18万台です。一方のトヨタは、トヨタブランドだけで年間150万台以上と桁違いの規模を誇ります。

 販売台数に対して、新型車を開発する費用は、大きなメーカーも小さなメーカーもさほど変わりません。しかも、クルマは進化し続けており、それに比例するかのように開発費用もどんどんと高くなっています。

 そうした状況のなかで、小さなメーカーが大きなメーカーと同じ数だけ新型車を開発するのは、経営的にかなり厳しいといえるでしょう。

 小さなメーカーがとるべき手段は、“選択と集中”で、その一例が軽自動車です。

 かつてマツダもスバルも、独自に軽自動車を開発・生産・販売していました。しかし、限られた会社の力を集中させるために、マツダもスバルも軽自動車の開発・生産から撤退。軽自動車は他社からOEM提供されるものを売るというスタイルとしました。

 スバルには「サンバー」、マツダは「キャロル」という歴史と人気のあるモデルが存在しましたが、すっぱりとOEMに切り替えたのです。

※ ※ ※

 クルマを取り巻く環境は、年々厳しくなる一方です。燃費規制は厳しくなり、先進運転支援システムのニーズも高まっています。そうした要望に応えるには、莫大な研究・開発費用が必要となります。ましてやミニバンは、日本国内だけでしか売れないというニッチな製品でもあります。

 そうした状況で小さなメーカーが生き残るには、大メーカーとは違う、独自の道を歩む必要があります。独自性を追求した結果、マツダとスバルはミニバンから撤退したといえます。

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(くるまのニュース 鈴木ケンイチ)

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