RAV4と明暗クッキリ分かれる!
2019年4月に発売されたトヨタのRAV4が、直近の7月もSUVトップとなる8646台の販売台数をマーク。
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日本では2016年に一旦生産終了となりながらも、北米でヒットを飛ばしたRAV4が、日本再上陸で予想以上の大ヒットで、ついにSUV販売No.1に躍り出た。
このRAV4に続くSUV販売2位はヴェゼルで、3位はC-HR。4位は内外装を豪華に仕上げたハリアーで、5位は水平対向エンジン搭載で走行安定性の優れたフォレスター。6位は荷室に水洗いの可能な処理を施すなど、SUVのアウトドア指向を強めたエクストレイルがランクインしている。
このようにSUVが好調に売れるなかで、唯一伸び悩むのがホンダのCR-Vだ。
2019年6月と7月の登録台数は1000台を下まわった。CR-Vの登場は2018年8月。30日でちょうど1年を迎える。今でも新鮮味はあるハズだが、売れ行きが良くない。特に今はライバル車のRAV4が好調だから、明暗を分けた印象になる。
販売不振による日本市場撤退、海外でのヒット、そして日本再上陸と、RAV4とCR-Vには共通点が多い。なぜ、CR-Vだけが売れないのか?
文:渡辺陽一郎
写真:編集部
登場からまだ1年! なぜCR-Vは売れないのか?
※2019年7月販売台数(日本自動車協会連合会、各社公表値をもとに作成)
CR-Vが売れない一番の理由は、ほかの車種に比べて、SUVで最も大切な格好良さと個性が乏しいことだ。
人気車を見ると、RAV4では野性的な外観と安定性を高める4WDシステムが強みになる。C-HRは突出した外観デザインで、ハリアーには都会的なラグジュアリー感覚がある。
ところがCR-Vには、このようなユーザーを引き付ける特徴がない。背の高いファミリーワゴンに見えてしまうのが一番の敗因だ。
内装の質にも不満が伴う。例えばインパネにはソフトパッドが使われず、ステッチ(縫い目)は模造品だ。木目調パネルは色彩が薄く、ボンヤリした仕上がりで質感も乏しい。
【画像ギャラリー】新型CR-Vの外観&内装をチェック!
ちなみに同じホンダのコンパクトなヴェゼルは、247万5000円の「RS ホンダセンシング」でも、インパネには柔らかいパッドと本物の糸を使ったステッチが施される。
CR-Vの価格は、最も安い1.5Lターボの「2WD・EX」でも323万280円になり、最も高い「4WDハイブリッド EXマスターピース」は436万1040円だ。その質感がヴェゼルを下まわるようでは、ユーザーの不満が生じて当然だ。
ATの切り替えは、アコードなどと同様のスイッチ式になる。操作性は慣れれば問題ないが、インパネがミニバンのように見えてしまう。SUVにはスポーティな雰囲気が求められるが、CR-Vはそこが希薄だ。
高すぎ!? 価格設定もCR-V不振の要因に
CR-Vは競合するミドルSUVに対して価格競争力でも苦戦。フォレスターに対してもかなり高めの価格設定となっている
そしてCR-Vは、内装の質などに不満を感じる割に価格が高い。先に述べた通り、最も安い1.5Lターボの「2WD・EX」でも323万280円になる。
CR-Vは機能が充実していて、緊急自動ブレーキと運転支援機能を併せ持つ「ホンダセンシング」、後方の並走車両などを知らせるブラインドスポットインフォメーション、サイド&カーテンエアバッグ、ホンダインターナビ&リンクアップフリーなどを全車に標準装着する。
一般的にカーナビはオプション設定の車種が多いから、仮にCR-Vが標準装着していなければ、1.5Lターボの「2WD・EX」が300万円前後、4WDなら320万円くらいになる。
しかし、それでも高い。1.5Lターボの動力性能は2.5Lクラスだが、フォレスターに水平対向4気筒2.5Lエンジンを搭載した「4WDツーリング」は280万8000円だ。
RAV4はエンジンがターボを装着しない2Lになるものの、後輪左右の駆動力を積極的に可変させる「4WD・Gアドベンチャー」が313万7400円だ。CR-Vは30万円くらい価格を下げないと、割高な印象が生じてしまう。
また、CR-Vでは1.5Lターボの荷室に3列目シートを装着した7人乗りを用意するが、この価格も高い。
一般的に3列目シートの相場は7~15万円だが、CR-Vでは「EX」が19万1160円、本革を使った「EXマスターピース」は22万3560円に達する。
CR-Vは3列シートの採用をアピールするが、もともと価格が割高で、3列目を加えるとさらに高価格になってしまうのだ。
CR-Vの美点はライバル以上の走行性能
販売は振るわないCR-Vながら走行性能では、ライバルに対しても高い実力を持つ。ハイブリッド、ガソリンターボエンジン車ともにパワフルだ
逆にCR-Vのメリットは走行性能にある。エンジンは前述のように直列4気筒1.5Lターボと、2Lのハイブリッドを搭載。1.5Lターボはノイズが少し気になるが、幅広い回転域で余裕のある動力性能を発揮するから運転しやすい。
ハイブリッドは「i-MMD」(※アコード、インサイトなどにも搭載)で、エンジンは主に発電機を作動させ、その電気を使ってモーターを駆動する。
エンジンが直接駆動するのは、その方が効率の良い高速巡航時だけなので、通常の運転感覚はモーター駆動の電気自動車に近い。加速は滑らかで、アクセルペダルを踏み増した時には駆動力が素早く立ち上がるから、活発な走りを味わえる。
走行安定性も良く、全高は1600mmを超えるが、峠道や高速道路をワゴンのような感覚で運転できる。乗り心地は低速域では少し硬いが、速度が上昇するとしなやかになる。特に走りが優れているとはいえないが、少なくとも不満はない。
居住性は快適で、1/2列目シートの頭上と足元にはタップリした空間がある。
3列目は補助席だから窮屈だが、3列目に座った乗員の足が2列目の下側に収まるよう工夫され、片道30分程度の距離なら大人の多人数乗車も可能だ。SUVの3列目シートとしては快適に仕上げた。
CR-V挽回に必要な「一手」は?
先に述べたように、SUVの魅力は格好良さと実用性の両立だ。
後者についてはCR-Vでも充分に満足できる。不満なのはSUVの格好良さになる。特に最近は、シティ派SUVが増えたことで、飽きられる傾向も見え始めた。RAV4のようなオフロード感覚が好まれる。
CR-Vも北米ではなく日本で売れ行きを伸ばすなら、野性的、あるいはスポーティな雰囲気を強めることが大切だろう。
3列シートの実用車が欲しいだけなら、CR-Vではなくミニバンを選ぶ。ヴェゼルに設定される「RS」のようなスポーティグレードを用意する手もある。
また、内装の質を高めたり、価格を割安に抑えることも欠かせない。
カーナビを標準装着すると「ディーラーオプション20万円プレゼント」といった販売促進キャンペーンも切り出しにくい。高額なディーラーオプションといえば、カーナビになるからだ。
仮に基本価格を30万円値下げして、さらに20万円相当のカーナビがオプションになる仕様を設ければ、車両価格が合計50万円下がる。最廉価グレードが270万円なら、2Lのノーマルエンジンを搭載するエクストレイルに近い設定になり、割安感も生じるだろう。
SUVは価格を割安に抑えただけでは売れないが、野性味やスポーティ感覚を強める改良と併せて実施すれば、売れ行きを伸ばす効果も期待できる。
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