ブランドの枠を超えてワールドワイドで益々活況を呈するSUVマーケット。この連載企画では、国産・輸入車を問わずSUVの「今」を感じられるモデルを順次紹介していく。今回紹介するのは「メルセデス・ベンツGLE」だ。
大柄ボディながら最小回転半径5.6m
メルセデス・ベンツのGLクラスは「プレミアムSUVという、まったく新しい価値を創造」したモデルとして知られる。現在GLA/GLC/GLE/GLSをラインアップしており、GLEはその名の通りEクラスに相当するモデルだが、2019年に日本での受注を開始した2代目は、Eクラスが使うFR用のMRAプラットフォームでなく、大型SUV/クロスオーバー用に新開発された専用プラットフォーム、MHAストラクチャーを採用するのが特徴だ。
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GLEの最高グレードとなる450 4MATICスポーツのボディサイズは4940×2020×1780mmで、全幅はついに2mを超えた。ホイールベースも80mm延ばされて2995mmになり、市街地ではさすがにボディの大きさに気を使う。ただ、前輪に大きな切れ角を与えて最小回転半径を5.6mに収め、取り回しに不便を感じさせないのはメルセデスの美点のひとつと言える。
新型GLE最大の特徴は、2-3-2の3列シート7人乗りとなったことだ。先代+125mmの全長に加え、ホイールベースを延長したことで、今回のハイライトともいえる3列目シートが実現した。倒すと荷室床面とフラットに格納できる3列目は+2的な扱いだが、5人しか乗れないのではなく、7人まで乗れるというのが大きなアドバンテージとなる。
ラゲッジ容量(VDA)も、7人乗車時は160Lだが、3列目を格納すると630L、2列目のバックレストをすべて倒し3列目を格納すると1928Lまで拡大。GLEでは初となるフットトランクオープナー(テールゲート自動開閉機能)も採用して使いやすさを向上させている。
心臓部は3L直6ターボ+マイルドハイブリッド
水平基調のデザインで横方向の広さを強調したンテリアは、伝統的なウオールナットとARTICOレザーで構成される一方で、ドライバー正面に配置した12.3インチのワイドディスプレイと同サイズのコックピットディスプレイを連結させた横長のディスプレイで未来的なイメージも演出。また、「ハイ、メルセデス!」と呼びかけると起動し、話しかけるだけで車両設定やインフォテインメント機能が簡単に操作できるMBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)機能も標準装備している。
直6×ISGと呼ぶ450 4MATICスポーツには、ツインスクロールターボを装着した3L直6ガソリンエンジンにISG(Integrated Starter Generator)と48V電気システムを組み合わせたマイルドハイブリッドシステムが搭載される。ISGはエンジンとトランスミッションの間に搭載されるディスク型のモーター・ジェネレーターで、48V電気システムとの組み合わせで電動ブーストによる力強い加速と回生機能による高効率なエネルギー回生を実現したものだ。多段化が進むトランスミッションには素早い変速と優れた燃費性能を実現した9速AT(9G-TRONIC)が採用されている。
駆動は、前後トルク配分を基本の前50%:後50%から、前100%:後0%~前0%:後100%まで可変配分するフルタイム4WD(4MATIC)。様々な天候や路面状況で常に最適なトラクションを発揮するだけでなく、オンロードでは高い安定性と俊敏なハンドリングを、オフロードでは逞しい走破性を実現する。さらに足には、エアスプリングと電子制御ダンパーを組み合わせたAIRマティックサスペンションを標準装備。極上の乗り心地を実現すると同時に、大きな段差を通過する時センターコンソールのスイッチで約60mm車高を上げて踏破性を高める機能も備えている。
■メルセデス・ベンツGLE450 4マチックスポーツ 主要諸元(欧州仕様の参考値)
●全長×全幅×全高=4930×2018×1795mm
●ホイールベース=2995mm
●エンジン=直6DOHCターボ
●排気量=2999cc
●最高出力=367ps/5500-6100rpm
●最大トルク=500Nm/1600-4500rpm
●駆動方式=4WD
●トランスミッション=9速AT
●車両価格(税込)=1132万円
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