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業界ニュース 2019.8.27

もはや誰も敵わない? タントを試乗したレーシングドライバーがN-BOXを最強と推すワケ

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 DNGAに基づくタントのシャシー剛性は凄まじい

 ダイハツ・タントがフルモデルチェンジを受け完全な新型に生まれ変わったというので試乗してきた。ボクはこれまで軽自動車のなかではホンダのN-BOXがダントツだと確信している。そして他社がN-BOXなみに競合車を仕立てるのは無理だろうとも。しかし新型タントはN-BOX以上だという噂を聞き、自ら確かめてみたいという気持ちになったのだ。

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 試乗会は千葉県の木更津市周辺一般道だった。まずは簡単な解説を受けノンターボモデルから乗ってみた。タントの特徴はスーパートールデザインにあり、助手席側のBピラーを助手席ドア内に組み込むピラーインドアとし、前席ドアと後席スライドドアを同時に開くと大きな開口部が得られるミラクルオープンドアという仕組みを軽自動車として初採用したところにもある。一方で固定Bピラーがないことで側面衝突された際の乗員保護性能に不安も感じる。もちろんダイハツ側は側面衝突実験を繰り返し、基準を上まわる優秀な成績で安全性をクリアしていると力説する。そこはメーカーの言うことを信じるしかないが、やはり固定Bピラーのない側に大切な家族を乗せるのは気が引ける。

 走らせてみると、大幅改良されたエンジンがややノイジーだ。3気筒特有の作動音と振動が室内に入ってくる。従来モデルより遮音は進化しているが、回転を上げるとやや大きめに入ってくるのが気になった。ロードノイズはうまく押さえ込まれているので全体的には静かな部類に入る出来映えといっていい。

 シャシーはDNGA(ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)と呼ばれる新設計の高剛性フレームを採用。トヨタのTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)と同じ名付け方で、考え方もグループ企業として統一したようだ。このDNGAシャシーの剛性感がもの凄く高い。タイヤを含めサスペンションやバネ下は路面の凹凸に対し上下動を細かく起こしダンピングは弱めだが、シャシーフロアはガッチリしていて微動だにしない印象を受ける。コーナーでは重心が低く感じられ安定感も増したのはDNGAの効果といえるだろう。

 ただ動力性能はやはりノンターボでは物足りない。日常生活使用で近所への買い物や通勤や学童の送迎など近距離ユース主体なら問題ないが、家族4人で高速道を使って遠出をするとか、近距離でも山岳地の急な登坂路が多い地域では軽量化されたとはいえ動力性能面は不十分に感じるはずだ。

 一般道で走り出した瞬間はN-BOXを超えたかと思ったが……

 次はターボエンジンを搭載するカスタムに乗り換える。ターボカスタムは室内の装飾や装備が一段と豪華になりN-BOXのターボカスタムを相当意識したことがわかる。

 外観の仕上げやインテリア装備、ブラック基調の内装色調などは極めて好印象。だがN-BOXに追いついていない部分もある。たとえば後席中央に肘掛けが設定されていない。携帯の置き場所や充電用USBジャックが便利な位置にないなど。

 走りはどうだろう。ターボチャージャーは極小サイズでレスポンス重視。走り始めるとすぐに過給圧が加わり十分なトルクが引き出された。ガッチリしたシャシーと優れたトルクピックアップで、走りはN-BOXを越えたか! と一瞬思った。しかし車速を上げていくとターボ過給圧が高回転域で十分でなく、高速道路の速度域だともの足りなくなってきた。

 今回、新開発のすぐれたCVTトランスミッションを採用。ギヤとVベルトを組み合わせたハイブリッド構造は理論的に優れていて期待したが、制御のキャリブレーションが十分でなく、威力を完全に発揮できていないようだ。ターボでありながら回転を先行して高めていってしまい、結果過給が追いつかなくなってしまっている。もっと低速トルクを有効に使うべきだったろう。

 結果として新型タントはホンダN-BOXの高い完成度には追いついていないと審判した。N-BOXはホンダがシビックやフィットが売れなくなってしまうのも覚悟の上で作り上げた思い切りの良さがある。じつをいうと走りの面では現行モデルより先代の最後期モデルがもっとも素晴らしかったのだが、今後の進化でさらに磨き上げられる可能性を秘めている。

 スズキのスペーシアもスーパートールとしては人気が高いが、走りでも完成度でもN-BOXには敵うまい。

 ジャンルをトールボディにまで拡げれば、スズキ・ハスラー、三菱ekワゴン/日産デイズなども選択肢に入ってくるだろうが、走りも実用性も快適性でもN-BOXに肩を並べられる軽はまだない。ボクのなかではN-BOXターボ/ターボカスタムの一択ということだ。

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(WEB CARTOP 中谷明彦)

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