■海外だけズルい? トヨタの新型高級ミニバンはなぜ日本に導入されないのか
2019年春以降、トヨタは海外で新型のミニバンを続々と発表しています。2019年8月に、トヨタのタイ法人が高級ミニバンの新型「マジェスティ」を発表しているほか、2019年5月には、トヨタの台湾法人が、高級ミニバンとなる新型「グランビア」を発表しています。
アルファードを超える? 新型高級ミニバン「マジェスティ」の詳細画像(29枚)
これらのミニバンはどういうクルマなのでしょうか。また、日本への導入はあり得るのでしょうか。
トヨタのタイ法人は、2019年8月に、高級ミニバンの新型「マジェスティ」を発表しました。また、同年5月には、トヨタの台湾法人が、高級ミニバンとなる新型「グランビア」を発表しています。
いまのところ日本では正規購入できない新型マジェスティ/グランビアは、海外で登場した新型「ハイエース」をベースとしているクルマです。
日本で現在販売されているハイエースとは異なり、セミボンネット化されたパッケージングで、エンジンはフロントに配置されています。
新型マジェスティ/グランビアも、このパッケージングを引き継ぎ、迫力ある外装と広い居住空間、そして高い快適性が追求されたクルマだといいます。
新型マジェスティ/グランビアには、2.8リッターディーゼルエンジンが搭載されており、変速機は6速ATが組み合わされています。
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海外でのみ発表された高級ミニバンのマジェスティ/グランビアですが、日本においてトヨタの高級ミニバンといえば「アルファード」とその姉妹車の「ヴェルファイア」が有名です。なぜ、アルファード以外に高級ミニバンを用意したのでしょうか。
新型マジェスティの発表について、タイトヨタの菅田道信社長は次のように話します。
「タイの高級バン需要は持続的で、従来も『アルファード』を販売してきましたが、価格帯が高額だったこともあり、大半のユーザーから支持を得られませんでした。そのため、今回より贅沢で手頃な価格のマジェスティを発表しました。
ちなみに、新型『マジェスティ』は、タイにおいてはハイエースの高級モデルである『ベンチュリー』の後継モデルですが、製品的にはまったく異なることから、新たに車名をつけました」
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一方、海外で展開されている新型マジェスティ/グランビアが日本に導入されるかという点において、こちらも厳しいといわざるを得ません。
一般社団法人 日本自動車販売協会連合会が発表した、2019年上半期(1月から6月)の新車販売台数(軽自動車および海外ブランドを除く)では、アルファードは全体の13位(3万5265台)にランクインしており、ヴェルファイアは25位(2万762台)です。
ランキング上位のなかでは、ミニバン以外の高級車を含めても、アルファード/ヴェルファイアの車両価格は高額にも関わらず、売れているモデルといえます。
そのため、高級ミニバンというジャンルで国内市場を制圧しているトヨタが、これから新型モデルとしてマジェスティ/グランビアを追加投入することは予想しづらいというのが現状です。
さらに、トヨタは国内市場において、2020年5月を目処に全車種を全ディーラーで併売化することを発表しており、これに伴い車種数の削減も、今後おこなわれる見通しとなっています。
そういった背景も考慮すると、今後新たな高級ミニバンが国内導入される可能性は低いでしょう。
とはいえ、新型マジェスティ/グランビアに対しては、日本のユーザーからも多くの反響が寄せられていることから、今後の動きが注目されます。
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