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業界ニュース 2019.8.25

後世まで語り継がれる名車ぞろい! ステキすぎるコンパクトカー5選

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■国産車から輸入車まで、デザインが魅力的なコンパクトカー

 世の中にはたくさんのクルマが存在しますが、デザインやパッケージングひとつで、それまでの概念をひっくりかえしたクルマや、新しいカテゴリーを作り出したクルマが存在します。

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 なかでもコンパクトカーは大衆車として広く普及していますが、時代ごとに優れたモデルがありました。

 そこで、優れたデザインとパッケージングだった、エポックメイキングなコンパクトカー5車種をピックアップして紹介します。

●ホンダ「シティ」(初代)

 初代ホンダ「シティ」は1981年に発売され、「クルマは車高が低いほどカッコイイ」という世間一般の認識に真っ向から挑んだクルマで、背の高い「トールボーイ」と呼ばれるスタイルのクルマでした。

 1980年代、大きくなり価格が高くなってしまった「シビック」の下に位置するエントリーモデルが必要となり、より安価なモデルとして企画されたのがシティです。

 ただし、エントリーモデルとしての要件を満たすために、車体をコンパクトに作ってしまうと室内が狭くなってしまい、これを解決するための策が「屋根を高くすること」でした。

 単純な策に思えますが、ルーフを高くすると空気抵抗や操縦安定性などさまざまな問題が生じることになります。しかし、ホンダはそれらを解消し、さらには積載性を強調するために「モトコンポ」という原付バイクを車体後部に載せるというアイデアを実現。

 また、この初代シティにおいて優れていたのは、そのコンセプトをプロモーションとともに正しく消費者へ伝えたことです。

 ホンダが考えた広告は、ファッション性と情報発信とのふたつの意味をもたせた「シティはニュースに溢れている」というキャッチコピーや、「高さ」を逆にアピールするポスターなどビジュアルの数々。

 そしてもっとも有名なのが、イギリスのロックバンド「マッドネス」によるムカデダンスと「ホンダホンダホンダホンダ」と連呼するTVCMを採用したことが、初代シティ成功の大きな要因として挙げられます。

 ホンダとしては、このプロモーションについて「若者の2割から3割に共感を得られれば目的が達成される」として、思い切った策だったようですが、それが見事に成功したということになります。

 なお、ホンダはヒットしたモデルの後継モデルについて、同じ手法を使用しないという考え方を持っているといわれていますが、2代目シティは逆に「ロー&ワイド」なプロポーションを採用しており、そのためか初代ほどの人気を得られませんでした。

●BMC「ミニ」

 オールド「ミニ」は、必要に迫られて新しいパッケージングを採用したクルマですが、それによって後の自動車業界を変えた偉大なクルマのひとつです。

 BMC(ブリティッシュ・モーター・コーポレーション)ミニは1952年に誕生していますが、背景には石油価格の高騰がありました。

 つまり、より燃費に優れるクルマが求められる状況での必要性から、BMCが開発に着手し、世に送り出したクルマがミニであったということになります。

 しかし、最小限のサイズで最大の室内サイズを実現することは、当時の技術レベルでは容易ではなく、これの実現のため、開発を主導した天才技術者アレック・イシゴニスは、数々の新しい試みをおこなうことになりました。

 そのなかのひとつが、当時は一般的ではなかった前輪駆動かつ横置きエンジンで、これによって車体を前後方向に短くすることを可能としました。

 加えて、この方式だと後輪駆動車のようにプロペラシャフトがフロア下を通ることがないので、室内も広く取ることができるというメリットもありました。

 さらに、室内へのホイールハウスの出っ張りを最小限にするために、タイヤを小さくしてサスペンションも傾斜して配置するなど配慮されており、居住空間を確保しています。

 外観デザインも内部構造を考えたアレック・イシゴニス自身が手がけており、そのために「機能が形状を決定する」という理論を突き詰めたクルマとなっています。

 無駄のなさが機能的な美しさを極限まで高め、時代を超えて愛され続けている理由なのかもしれません。

●フィアット「パンダ」(初代)

 初代フィアット「パンダ」は1980年に発売されていますが、こちらもミニ同様、優れた経済性と積載性を目的として開発されています。

 特筆すべきは、当時経営状態が芳しくなかった状況下で、フィアットがこのクルマを発売したことです。フィアットしては起死回生を狙う1台であり、お金がないというジレンマもあったなかでの企画でした。

 自社での新型車開発が難しいと判断したフィアットは、イタリアのカロッツェリア「イタルデザイン」へと依頼し、デザインを担当したのは、巨匠ジョルジエット・ジウジアーロです。

 イタルデザインは現在フォルクスワーゲングループに属し、デザインをおこなう会社という印象が強いものの、じつは開発や製造にかかわるノウハウも豊富で、実際にいくつかの自動車メーカーから開発や製造を請け負っています。

 初代パンダは、製造にかかるコストを低減するという目的から、ウインドウとボディ外板を可能な限り平面にするという手法が用いられ、これが逆に特徴的な外観を作り出すことに成功しています。

 また、内装も極限までシンプルにデザインされており、シートは文字どおりハンモックをモチーフとした「ハンモックシート」と呼ばれ、安価に作られていながらも安っぽく見せない、秀逸なデザインとなっていました。

 パンダは1980年の発売から2003年までの23年間、大きなモデルチェンジを受けることなく生産されており、いかにそのデザインやパッケージングが優れていたかを証明しています。

■累計3500万台を売り上げるフォルクスワーゲンのロングセラー車

●フォルクスワーゲン「ゴルフI」

 2019年で発売45周年を迎え、累計販売台数が3500万台を超えたと発表されたフォルクスワーゲン「ゴルフ」。この3500万台というのは「タイプ1(ビートル)」の2152万台よりも多く、フォルクスワーゲンによれば「発売からいままで、41秒に1台が売れている計算になる」とのことです。

 ゴルフは現行モデルで7世代目ですが、太いCピラーをはじめ、ルーフラインやリアハッチの傾斜角度などが、現代のゴルフにまで引き継がれていることが知られています。

 すべてのゴルフのルーツとなる「ゴルフI」は1974年に発売され、パンダと同じくジウジアーロのデザインです。

 もともとゴルフはビートルの後継車として企画されていて、大衆車としてのポジションを担うべく開発が進められていました。

 そのためコンパクトなボディサイズに広い室内、そして、高い経済性が求められることになりましたが、ジウジアーロは横置きFFというレイアウトを用い、要求をすべて満たすパッケージングを採用することで、この期待に応えています。

 ビートルの後継車ながらも、丸いボディとリアエンジンというビートルの特徴を一切継承せず、フロントエンジンにスクエアなボディを持たせたことには、相当な思い切りが必要であったと思われます。

 世界中の自動車メーカーがゴルフをベンチマークとするほど、コンパクトカーの基準を新しく定義し直したともいわれる評価を考えると、ビートルよりも高い完成度を持っていたといえるでしょう。

●トヨタ「ヴィッツ」(初代)

 トヨタ「ヴィッツ」は現在3代目となり、モデルライフ終盤に差しかかっていますが、いまなお高い人気を誇るトヨタを代表するコンパクトカーです。

 初代ヴィッツが登場したのは1999年です。世界戦略車として企画されたもので、デザイナーにはソティリス・コヴォスを起用しました。

 ヴィッツのコンセプトは、それまでの古い考え方でコンパクトカーを安く作るのではなく、上位セグメントのセダン同様のデザイン、品質、快適性、安全性を持たせたもので、発売するやいなや大ヒットします。

 これは多くのユーザーが、ヴィッツは上位セグメントから乗り換えても見劣りしない、と捉えたのかもしれません。

 ヴィッツのデザインやキャラクターを強調するために、カラフルなボディカラーが揃えられたことも特徴です。とくにピンク系の「ペールローズメタリックオパール」については、トヨタが注力したカラーだと発売当初に報じられ、「ピンクであっても生々しくならず、高級感を出すのに苦労した」という開発担当者のコメントも報じられています。

 BMCミニのように構造的な新しさはないものの、コンパクトカーに対する考え方が新しく、初代ヴィッツを見てはじめて「こんなクルマが欲しかった」と気づかされた人が多かったのかもしれません。

※ ※ ※

 優れたデザインを持つコンパクトカーを5台紹介しましたが、その多くは「デザインには理由があり、誕生には必然性や明確な目的があった」ということになります。

 必要に迫られ、サイズや価格の制限をクリアしながら考え抜かれたデザインは、高い合理性を持つことになり、時を経ても陳腐化しないということがわかります。

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(くるまのニュース くるまのニュースライター JUN MASUDA)

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