圧倒的なネームバリューの差が浮き彫りとなってしまったモデル
最近ではトヨタ(東京地区を除く)だけになってしまった販売チャンネルによる取り扱い車種の違い。どこのディーラーに行っても同じ車種が購入でき、入庫サービスも受けられるということで、ユーザーからしてみればありがたいことであるが、その一方で販売チャンネルごとに微妙な差異が付けられた兄弟車が減ってしまうのはマニアの視点からすると少し寂しい気持ちもあるところだ。
そこで今回は、兄弟車ながらなぜか販売台数に差が付いてしまった車種を中心にご紹介したいと思う。
1)トヨタ・カローラシリーズ/スプリンターシリーズ
もともとは1966年に登場した初代カローラのスポーティなモデルである「カローラスプリンター」として68年に登場したのが始まりのスプリンター。3代目まではカローラよりもやや上級かつ、スポーティな車種として専用のボディを用意するなど差別化が図られていたが、4代目からはメカニカル的は部分はほとんどカローラと共通の兄弟車という扱いになった。
スプリンター自体は95年に登場した8代目をもってその歴史に幕を下ろしたが、8代目登場時の月販目標台数はカローラセダン1万4000台なのに対してスプリンターセダンは6000台となっている点からも、カローラのネームバリューのすさまじさを感じざるを得ないところだ。
2)日産シルビア/ガゼール
1979年に登場した3代目シルビアの兄弟車として同時にリリースされたのがガゼールだった。シルビアは当時の日産サニー店系列の取り扱いだったのに対し、ガゼールは日産モーター店系列の取り扱いとなり、ユーザー層に合わせてややシルビアよりも高級な車種というポジションが与えられていた。
そのためもあってか、西部警察で石原裕次郎演じる小暮課長の愛車として用意されたオープン仕様はシルビアではなくガゼールがベースとなっていた。一方のシルビアは当時のシルエットフォーミュラなどレースに多数参戦し、若いユーザーからの支持を集めた。
結局ガゼールは2代目となるS12型の途中で姿を消し、後継車種として89年にハッチバックボディを持つ180SXが登場。しかし180SXはシルビアのフルモデルチェンジ後も継続販売され、放置プレイかと思いきや、3ナンバー化したS14型を嫌うユーザーが180SXを買い求めたというのは何とも皮肉である。
本家を超えてしまったOEM車も
3)ダイハツ・ストーリア/トヨタ・デュエット
本来は自車のラインアップの穴を埋めるために行われることが中心となるOEM販売。しかし、圧倒的な販売力を持つトヨタが販売したことで、本家をしのぐ販売台数をマークしてしまったのが、このダイハツ・ストーリアのOEM供給を受けたトヨタ・デュエットだった。
カローラIIを失ったカローラ店のボトムラインを受け持つために投入されたデュエットだったが、圧倒的な販売力でストーリアを上まわる販売台数をマークしてしまった。2001年末にフェイスリフトを含むマイナーチェンジが実施されたが、その際に当時の「トヨタ風」の顔になったことで、販売台数で上まわるトヨタの声が反映された、と噂されたほどだったのである。
4)トヨタ・ノア/ヴォクシー/エスクァイア
トヨタの5ナンバーサイズ(エアログレードは3ナンバー)ミニバン御三家であるノア/ヴォクシー/エスクァイアの3車種。キャラクター的には、ファミリー向けのノア、ちょっとヤンチャなヴォクシー、高級感のあるエスクァイアといったところで、内外装の違いに終始するため、この辺りの車種に興味のない人であれば、販売台数に大差ないと思ってしまうかもしれない。
しかし、じつは2019年上半期(1月~6月)の販売台数を見ると、4万7834台のヴォクシーがダントツで、ノアが2万9155台、エスクァイアに至ってはヴォクシーの半分以下となる2万2284台と大きくばらつきがあるのである。すでに先行して東京地区は販売チャネルの区分けが撤廃されているが、今後この3車種がどうなるのか興味深いところだ。
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